2023/09/19(火) 17:00 0 36
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは競輪選手でも驚く古性優作の好プレーならぬスゴ技をお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
青森競輪場で開催された「第39回共同通信社杯(GII)」の2日目、9月16日に好プレーを超えた“スゴ技”が披露された。繰り出したのは当コーナーの主役クラスである古性優作(32歳・大阪=100期)だ。
古性のスゴさは、とにかく選手たちの度肝を抜く。常にすさまじいことをやってのける。
12Rの二次予選Aでは、まず何が起こったのか…という状況だった。『危ない、落車してしまう』と見えた瞬間にすでに立て直している。
危機に備えるレンジャー部隊のように、一瞬でも早く対応策を考え、判断し、迅速に行う。ダメになる可能性を排除し、少しでも浮上できる可能性にかける。5人いれば「ゴレンジャー」なのだろうが、現在、あの動きをできるのは古性1人の模様なので、たった1人の「鬼レンジャー」だ。
鬼レンジャーが現れたのは最終2角。古性が外並走からまくり迫ったところを清水裕友(28歳・山口=105期)がけん制、清水としては「止まった」と思えただろう。しかし、「あれっ、古性さんって何人いるんだっけ」と内に古性を見て驚いたはず。さっき外で見た顔が、内にいるぞ。
いないはずの所にしのびこみ、絶体絶命の所から、勝てる、または勝ち上がれる可能性を模索する。SNSなどで多くの選手が証言していたように誰にも真似できないという点で★は5つだ。卓越している。
レースの中でどんな動きをするか、の名人が松浦悠士(32歳・広島=98期)で、自転車を動かすことの名人が古性。競輪界をリードするトップ選手たちの、際立つカッコ良さがある。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)