2023/07/11(火) 18:00 0 15
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは松浦悠士のあらゆる走りが詰め込まれた好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
小松島競輪場の「開設73周年記念 阿波おどり争覇戦(GIII)」の最終日、7月9日の決勝12Rはありとあらゆる走りが詰め込まれたレースになった。優勝したのは松浦悠士(32歳・広島=98期)で“マツウラ2”を繰り出した。
時系列的に“マツウラ1”となるのが、昨年8月富山記念(瑞峰立山賞争奪戦)決勝の好プレーになった、高速イン切りからペースを作って位置を取り勝利を得る、というもの。
今回の“マツウラ2”はシャープに勝利への切符をもぎ取る荒業だった。
前受けの犬伏湧也(27歳・徳島=119期)とまず単騎で動かした宿口陽一(39歳・埼玉=91期)。そして新山響平(29歳・青森=107期)の動きがあり、最後は郡司浩平(32歳・神奈川=99期)との勝負。郡司とは昨年4月の川崎記念(桜花賞・海老澤清杯)決勝を彷彿させるデッドヒートだった。勝ち切った。
動きの要素は多かったが、最後の決め手になったのはまくりに行った新山の番手を坂本貴史(34歳・青森=94期)から奪い取った瞬間だった。坂本に隙があったともいえるが、新山がまくりに出るタイミングを見越しての動き。★は3つの好プレーだ。
好プレーとしてはワンポイントになるものの、周回からの動き、他の選手との図り合いを含めて★4つの好プレーとしたい。
ちなみに翌10日の立川競輪2日目の8Rで同じような動きがあった。柴崎俊光(38歳・三重=91期)だ。
まくる矢口大樹(34歳・千葉=95期)の後位を奪い取り、最後は抜けずの2着というレースだ。
「えっ、松浦の真似をした? ハッハッハ! 抜けてればね、マツウラでしたけど……って、すんません! そんなええもんちゃいます。もう1車前に行こうとしたら締まってしまい、しかも抜けんくて…」
俊光には★0.5個をあげようと思う。それにしても松浦のすごさだが、新山も脚を使った後とはいえ、あのまくりをぶち抜いているんだから正しくは★5つなのかな…。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)