2023/03/29(水) 13:00 0 14
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは27日に行われた「瀬戸の王子杯争奪戦(GIII)」の2日目で輪界一のマーク屋・佐藤慎太郎が見せた正義の走りです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
玉野競輪場で「瀬戸の王子杯争奪戦(GIII)」の2日目が3月27日に開催された。二次予選10Rで“競輪伝道師”佐藤慎太郎(46歳・福島=78期)がマーク屋の粋を披露した。それは完璧と言ってよく、前で戦う自力選手たちの心をつかむものだった。
絶倫、だった。
人間も動物なので絶倫に憧れる。他を圧倒するエネルギーと支配力。シンタロウ46歳が放った真っ白なレーザービームは、非難の余地のない正義の走りの象徴だ。
このレースで前を任せたのは北井佑季(33歳・神奈川=119期)で、大いに警戒される流れになった。3番手は同県の須永優太(34歳・福島=94期)。ガッチリとしたラインだったが、別線の抵抗で崩される。
北井は島川将貴(28歳・徳島=109期)に叩かれて1センター。もはや死に体に近いが、佐藤は迎え入れた。自分の勝ち上がりを考えると切り替えてもおかしくない位置。だが、迎え入れた。
マーク屋が自力選手の信頼をつかむには、簡単に切り替えてはいけない。最後まで一緒にチャンスをつかみにいく姿勢は、頼れる。須永もバックを踏んでラインを堅持する。
ただ北井は力尽きていたので、佐藤が内に切り込んで1着。あれだけバックを踏んで北井を迎えた後の1着取りには多くのファンがシビれたことだろう。★4つの好プレー。今年もシンタロウはやってくれる。それを待つために、1つ★を減らさせてもらう。
またこの日は一つ前の9Rで大塚健一郎(45歳・大分=82期)が壮絶な走りを見せていた。その走りに強い刺激を受けたこともあったのかもしれない。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)