デビューからここまで積み上げた勝ち星は613。そのほとんどが自力でのものというのだから素晴らしすぎる。

「この勝利数は現役選手で5位くらいじゃないかな。1位と2位はみんなが知ってる2人(神山雄一郎と小嶋敬二)で、まー坊(高谷雅彦)と黒木誠一さんがその次だったと思う。周りの選手には『もういいでしょう〜!?』って言われるけど、そんなことは全然ない。勝てるならもっと勝ちたい(笑)」

　増成と言えば岡山が誇る名レーサーで大舞台でも活躍していたが、意外にもGIIIの優勝は1回だけ。

「FIは10回以上優勝しているけど、GIIIは全然勝てなかった。前節・後節があったときの小田原の1回だけ。地元の玉野もかなりの頻度で呼んでもらっていたけど、優勝どころか決勝に乗ることも出来なかった。それだけちょっと心残りだね」

　いつも元気な増成の周りには多くの仲間がひっきりなしに挨拶に訪れ検車場は超賑やかだが、同じ『職人系』の浦山一栄が近づいてくると、「かずえい〜、また会ったな。この間の佐世保以来か。あの時はバンマクされてやられたけど、もし今回一緒になったらリベンジするぞ。覚悟しとけ！」と大きな笑い声を響かせていた。

　今回のシリーズは加藤将武、松本秀之慎、森本桂太郎の新人対決が話題だが、競輪界を影で支えるおじさん達の熱いバトルからも目が離せない。(アオケイ・長谷川記者)

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