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【五稜郭杯争奪戦予想】やはり“ダービー王” 松浦悠士が主役!

2021/05/13(木) 07:00 0 3

15日より函館競輪場五稜郭杯争奪戦(GIII・最終日5月18日)が行われる。主力選手の近況や、見どころを競輪記者・町田洋一氏に伺った。

 函館と言うとオールナイターのイメージがあるが、今回のGIIIはデー開催。
S班の選手は4名斡旋されていたが、郡司浩平は病気欠場。

日本選手権競輪GIを制した松浦悠士(撮影:島尻譲)

主役は当然“ダービー王” 松浦悠士

 S班は、松浦悠士佐藤慎太郎守澤太志と3名いるが、当然、日本選手権競輪を制して“ダービー王”になった松浦悠士が主役を務める。普通ならGIを制覇した直後の大会で欠場したくなる。だけど松浦の良さは滅多なことでは欠場しないこと。競輪の神様が松浦に“ダービー王”の称号を与えたのは、この責任感によるところなのかもしれない。

 精神的にも肉体的にも極限状態だった前回から上積みはもちろんないが、たとえ今回8割の状態だったとしても優勝は揺るぎないだろう。同じ広島県の才迫開と、中四国で松本貴治が同乗のケースは番手を回るが、他は自力勝負になる。

SS佐藤慎太郎守澤太志の2人

 ダービー(日本選手権競輪)の決勝で微差の3着に泣いた佐藤慎太郎だが、とても44歳とは思えない円熟味のある走りをみせている。

 今年はスタートダッシュにこそ失敗したが、ダービー3着で賞金を加算。“S級S班キープ”に向けては非常に大きな意味をもった。今回は福島県同士の高橋晋也小松崎大地を上手くアシストしたい。五稜郭杯争奪戦は地元地区の記念競走で、他の地区に優勝は渡さないと公言している。

 守澤太志は、性格的にも佐藤慎太郎に対して一歩引くだろう。北日本のマーク屋の序列は、あくまでも慎太郎、守澤の順番だからだ。

北日本地区のSS佐藤慎太郎守澤太志(撮影:島尻譲)

強靭な逃げ脚の野口裕史

 関東は諸橋愛が若手自力選手をリードしていく。あのダービー準決の落車は、さしずめ“もらい事故”といった印象で不運に見舞われた。それでも最終日も出走したように軽傷で済んだ。

 諸橋愛と同じ、新潟県の鈴木庸之は最強の2班の選手だし、坂井洋末木浩二と今回は目標に困らない。坂井はダービーでは通用しなかったが、記念なら間違いなく準決勝までは勝ち上がる実力の持ち主。末木は地元の弥彦で番手のレースだったが、あの山口拳矢を破り優勝している。

北海道出身の野口裕史。一度ハナに立つと強靭な逃げ脚を見せる(撮影:島尻譲)

 南関の大砲・野口裕史は地元北海道の出身。叩けないと脆さを出すが、ひとたびハナに立てば強靱な逃げ脚を披露する。番手は松谷秀幸で野口を目標にFI優勝の実績もある。

豪華な布陣の近畿が“ストップ・ザ・松浦”

 中部は駒不足だが、近畿は大御所の村上義弘が控える。しかも古性優作稲川翔と、布陣はオールスターといってもいいほど豪華だ。古性は地元・岸和田高松宮記念杯競輪目標に頭を切り替えているだろうから、そこまではアグレッシブなレースを封印し長い距離をもがきそうだが、この3人が相手ともなると、さすがの松浦も簡単には勝たせてもらえないだろう。

オールスター揃いの近畿勢で注目は古性優作岸和田を見据えた走りになっても脅威(撮影:島尻譲)

地元・北日本はなんといっても菊地圭尚

 九州は今回も劣勢で、中部と一緒で勢いを感じられない。地元・北日本は何と言っても菊地圭尚だ。いまだGIIIの優勝はなく、お膳立てが揃いやすい地元記念でさえも、勝ち切れなかったレースが多々あった。“函館といえば圭尚”で、佐藤慎太郎といえども番手を菊地に譲るレースも考えられる。

平原康多と一緒に練習をやるようになった久木原洋(撮影:島尻譲)

 2班でプチブレーク中なのが平原康多と一緒に練習をやるようになった久木原洋だ。奈良GIIIで決勝に進出しており、遅めの捲りを脱却し、仕掛けが早くなっている。

 函館は直線が長く風にも左右されるので、日々バンクコンディションだけは確認しておきたい。

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