2023/02/23(木) 09:00 0 11
高知競輪場が開設されたのは1950年で、99年に全面改装が行われ現在のバンク形状になった。GIレースは2000年と07年に「オールスター競輪(GI)」、03年に「全日本選抜競輪(GI)」が行われ、今回20年ぶりに「全日本選抜競輪(GI)」が高知に帰ってきた。そこで、半世紀にわたり高知競輪場を見てきた『福ちゃん出版社』の池田達雄氏に、高知競輪場の攻略法、そして「全日本選抜競輪(GI)」の話を聞いた。(取材:netkeirin編集部、取材日:1月27日)
ーー高知競輪場のバンク改修について何か変化はありますか?
バンクの形状自体は改修前と変わっていません。お皿型のバンクで直線が短く、ずっとコーナーを回っているようなバンクです。コーナーもカントも以前と変わっていなくて、退避路が平面だったのが少しカントがあるかな、というぐらい。走った選手たちの感想を聞くと「バンクがきれいになって色あざやかになって気持ちいい。軽くて乗りやすいバンク」と言っていました。
ーー高知競輪場で穴が飛び出すとしたら?
現在500バンクは全国に宇都宮、大宮、高知しかないのですが、大宮・宇都宮と比べたら圧倒的に外が伸びない。500バンクなのに直線外が伸びないから高知は先行選手が残りやすい。走るコースとしてはイエロー・ラインより内側が伸びます。7車立ての場合はその傾向が顕著ですが、9車立ての場合は、後ろに置かれてもまくり追い込みで来るケースが出てくる。穴を狙うとしたらそういう選手を狙ったら面白いかもしれません。レコードタイムが出た時もまくりでしたね(島川将貴が13秒1と、佐々木則幸の記録を去年20年ぶりに更新)。
あとはバックの向かい風がすごい。展開予想する際には、そこも考慮するといいかな。地元の選手たちはそうしたコース特性を熟知しているので外を踏まない。先行の番手、脚をためて中コースから突っ込んで来ると思います。
ーー今年の「全日本選抜競輪」で注目ポイントは?
注目は地元のGIを楽しみにしていた山中貴雄選手。このGIのために少しでも点数を上げたいと思って走っている。まだGIで勝ち星がないから「地元GIで初勝利を狙いたい」と言っていた。準決・決勝に乗るのが最高だけど。山中選手は高知記念を19年に取ったとき、その前後から地元高知競輪場の成績がすごくいい。FI優勝もある。
勝ち上がるには地元エリアのアシストも必要。自分の中では高知が一番、次は四国の選手なので、太田竜馬選手、犬伏湧也選手といった面々ですね。
ーー今年の「全日本選抜競輪」の見所を教えてください。
脇本雄太選手ですね(笑)。これほど凄い選手は歴代見渡してもいない。現時点では頭一つ抜けている。でも、展開もあるし、作戦、ラインによってはどうなるかわからない。そこが競輪の面白いところ。(脇本が)勝ってしまえば「やっぱりか…」という感じですが。
S級S班も(脇本が)強いということはわかっているから策を講じてくるはずで、やっぱりSS選手たちが中心になるでしょうね。深谷(知広)も良かった頃に戻ってきましたし、見どころの多い大会になると思う。