2022/12/21(水) 19:00 0 6
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回はひろしまピースカップで連覇を達成した松浦悠士の好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
広島競輪の「開設70周年記念ひろしまピースカップ(GIII)」の最終日が12月18日に行われた。12Rの決勝。地元の松浦悠士(32歳・広島=98期)は苦しみながら、その舞台に立っていた。
初日、2日目の走りを見れば「う〜ん」と不安に感じるものがあった。
二次予選12Rは経験でしのぐと、準決は犬伏湧也(27歳・徳島=119期)の番手できっちり。決勝は気になる徳島3人との長い並びの話し合いの末、自分で動くことを決めていた。デキだけを見れば寺崎浩平(28歳・福井=117期)が良かったし、坂井洋(28歳・栃木=115期)も「強い」と感じるものがあった。
決して“優勢ではない決勝”を勝ち切った。
逃げる犬伏の3番手に、単騎の原田研太朗(32歳・徳島=98期)がいて、松浦はその後ろ。“ハラケンがまくる”と見ていたことだろう。
予想通りシンプルにハラケンがまくる。あとは追い込むのみ。少し車間を切って勝てる間合いを取っていたところ、坂井が猛然と追い込んできた。優勝は坂井、と思われた瞬間もあったが、グイっとハンドルを投げて勝ち切った。小倉竜二(46歳・徳島=77期)ばりの得意技として会得しているハンドル投げが、今回の単純な好プレーだった。
松浦が持っている技を出しただけ、なので★は3つ。とはいえ、簡単なことではないのは、もちろん言うまでもない…。勝たないといけないうえに、KEIRINグランプリを前にして事故を起こしてもダメ。条件は厳しい中での、たくましすぎる優勝だった。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)