2022/10/27(木) 19:15 0 10
京王閣競輪場の「京王閣記念ゴールドカップレース(GIII)」は29日、初日を迎える。今節の見所を町田洋一氏に伺った。
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寬仁親王牌でグランドスラムを達成した超人・新田祐大の凱旋レース。
脇本雄太を倒しての全冠制覇なら、更に“箔”も付いたが、それも時の運。普段なら、あの内のコースには入らないし、人には感じさせない執念があったとも言える。新田祐大が内にコースを取り、守澤太志は、外を捲ると言う意外な展開だった。GIの初タイトルが当地の日本選手権であり、新田祐大にとっては思い出の地でもある。
番手は福島同士の渡部幸訓。地味な印象があり、今年のビッグレースでは失格過多であるが、あの中野慎詞の仕掛けも差し切っている。もちろん、新田祐大に好きに走ってもらい、ワンツーを目指す。
親王牌が終わり、ハードな日程であるが、古性優作、平原康多、宿口陽一のS班3人は全員元気に参加。
関東のGIIIだし、総大将の平原康多も責任を持って走る。
毎年の様に平原康多は、この記念を走っており、後閑信一が現役時代は、BOSSの為に男になっていた。そう言う競輪をやってきたから、今の平原康多がある。悲願のグランプリ制覇に向けて、このラスト2か月は重要になる。京王閣ダービーの決勝でも連係している眞杉匠を巧リードして完全優勝を狙いたい。
他にも2班で予選スタートだが、ナイスキャラの吉田有希もいる。
メタボ体型でおじさん顔なのも、何か憎めなくて良い。
眞杉匠は単なる行くだけの選手ではないし、S班のメンバーに聞くと、一番評価の高い先行選手。予備校生みたいな雰囲気は、相変わらずのままだし、おごり高ぶった面がないのも好感が持てる。
S班として重圧が続き、結果が出ないでいる宿口陽一だが、こちらが思っている程、悲観していない様子。
ある意味の気持ちの強さがあるし、自分から平原康多の前を志願するのも、勇気がいる事。平原康多の前を走る事をテーマに選手をやっており、敢えて楽な方に逃げないのも男の生き方だ。親王牌の初日理事長杯で、吉田拓矢に離れる大失態を演じており、平原康多が宿口陽一を前を回すかも注目される。
ただ、今年は出走回数も少ないがGIIIでの優勝はない。脇本雄太がいれば、考える事が少なくて済むが、やはりオールラウンダーだし、戦略が大事になってくる。今節のメンバーでは4日間、自分でやる走りになりそう。親王牌でも決勝に進出しており、落車後と考えれば、及第点は上げられる。
近畿のマーク選手は鷲田佳史が一番点数を持っているが104点。中部近畿と言うくくりでも、笠松信幸が105点の競走得点しかない。単騎になる可能性もあるが、古性優作の後ろは誰もが回りたい位置だ。
関東は他に地元鈴木竜士、森田優弥、佐々木悠葵の名前がある。鈴木竜士は経営者としての顔も持つが、競輪選手としての生き方も大切にしている。森田優弥はスイッチが入った時はマーク屋みたいな強引な走り方をやる。佐々木悠葵は、もう少し、アグレッシブな走りが必要だ。
南関はムラ駆けだが岩本俊介の一発に、番手・和田健太郎、3番手・中村浩士の布陣。トップスピード抜群の松井宏佑には地味だが同県の小原太樹。和田健太郎は当地記念の覇者でもあり、2班だが北井佑季は、新田祐大を破りFI優勝の実績もある。
中四国は直後に防府記念があり、そちらに主力メンバーが集まってしまった。
中部も主戦級が不在で、九州も名前があるのは井上昌己ぐらいだ。
地元は他に佐藤真一、朝倉佳弘、岡田征陽、高橋築、寺沼将彦、河合佑弥、山本勝利が斡旋され、準決進出が目標になる。特に岡田征陽の実績は誰にも負けない。
最終日にガールズルーキー企画レースが行われる。人気は小泉夢菜、河内桜雪、又多風緑の順か。小泉夢菜だけが、デビューしてから優勝している。