2025/10/22(水) 17:25
前橋競輪「第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」は23日に初日を開催。特選10Rを走る松谷秀幸に話を聞いた。
競輪選手とはタフな生き物で、かつて後閑信一氏が「肋骨骨折は骨折のうちに入らない」と言い、小倉竜二が「折れていても走った方が(血流が流れて)治りも早くなる」と豪語したように、ちょっとやそっとのケガでは休まない。しかし、それは決して当たり前のことではない。並外れた体力の裏打ちがあり心身ともに屈強な彼らだからこそなせる業であり、極端な表現であろう。それほど競輪とは過酷な競技、とも言える。
松谷もご多分に漏れず、9月福井GII共同通信社杯の2日目に落車し左鎖骨を粉砕骨折した。何回目かを聞くと「数えきれないほど」。ただし、今回はいつもと様相が違ったという。
「鎖骨は何回も折っているから、だいたい決まった対策があるんです。だけど、今回はいつもワイヤーで固定するところが、そのワイヤーが入らなかった。それに靭帯も切れていたので人工靭帯を入れて、それをボルトで押さえている感じ。だから、違和感がものすごいんです」と戸惑っている。
それでもわずか1か月余りで復帰してきたのだからすごい。「ケガはつきものですから」とサバサバしており、まったく悲壮感はない。逆境を力に変えるのだとばかりに、ここからまたコンディションを積み上げていく。(netkeirin特派員)