【佐世保競輪・ナイター】通算500勝達成表彰式に参加した井上昌己

2025/09/21(日) 22:10

佐世保競輪場のナイター「CTC杯(FI)」が21日、初日を開催。場内ステージの「通算500勝達成表彰式」に参加した井上昌己に話を聞いた。
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「呼吸も楽で苦しさがなくなり、レースや練習に集中できるようになった」と話した井上昌己

 初日の5R発売中に場内ステージで「井上昌己 通算500勝達成表彰式」が行われた。4月青森FIシリーズの最終日の1着で節目となる500勝を達成。男女を合わせ通算63人目の快挙だった。2001年にデビューし、2004年にアテネ五輪チームスプリントで銀メダルを獲得。本業での活躍も目覚ましく、2006年にオールスター競輪でGI初戴冠を遂げ、2008年には競輪祭を制し、ついには同年のKEIRINグランプリを手にして競輪界の頂点まで駆け上がった。

 そんな歴戦の井上に記憶に残る1勝を問うと「うーん、どうかな…。ひとつと決められないなぁ」と言いながらも、荒井崇博、中川誠一郎、菅原晃と当時の九州を代表するメンバーが一枚岩となった2014年に当地で行われた開設64周年記念の決勝を挙げた。

 レースは中川-井上-菅原-荒井と並ぶと、中川の大ガマシや荒井のイン切りなど各々が多彩な技を繰り出し総出となって地元の井上をプッシュした。のちに中川も「昌己は特別な存在。あの決勝は記憶に残ります」と振り返り、荒井も「あのときオレ相当頑張ったよ、うん」と自画自賛するなど、九州軍団の中では今でも語り草となる好一番で、井上にとっても思い出深い優勝だった。

 そんな華やかな舞台の裏で、最近は密かに苦しんでいた。それは2、3年前から「走ると心臓が痛い感じがあり、呼吸が苦しくなって…」と明らかに不安な症状が出ており、検査で告げられたのは「心房細動」と不整脈の一種だった。

 8月の函館オールスター競輪のあとに手術を行い、今月岐阜から戦列に復帰すると、さっそく決勝に乗った。

「呼吸も楽で苦しさがなくなり、レースや練習に集中できるようになった。だいぶ楽になったし(手術して)よかった」と、手応えを実感し、まだまだ戦えるとの自信を取り戻した。

 節目を飾り、病を克服し競輪人生の第2章が幕を開けた。この先も円熟味の増したプレーでバンクをわかせてくれるはずだ。 (netkeirin特派員)


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