【玉野と前橋で開催!】KEIRIN ADVANCE(ケイリンアドバンス)の傾向を読み解く!【自力、内枠が有利!?】

2025/06/04(水) 14:00

本日(6月4日)からの前橋競輪F2ミッドナイト、および玉野競輪F2ミッドナイトは新レース「KEIRIN ADVANCE(ケイリンアドバンス)」として実施されます。
すでにケイリンアドバンスとしては、4月に青森、伊東温泉、宇都宮、高知の4開催を終えており、5月からルーキーシリーズ男子新人戦でもアドバンスルールが採用されています。
今開催の直前に、アドバンスをより楽しむため、ルールのおさらいと、ここまでの傾向を読み解いていきましょう!

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【ケイリンアドバンスって何ですか??】

男子選手の先頭固定競走(インターナショナル)ルールによる新しいレース形態です。従来の競輪との最も大きな違いは、ラインを組まないオール個人戦であること。ルールも異なり、先頭員への差し込みの禁止、押圧や押し上げなどが厳しく規制されます。また、勝ち上がりも予選を2走するポイント制になっています。

※ケイリンアドバンス直前予習ページはこちらもご覧ください。開催前に要チェック!!

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【ここまでの4開催の傾向を知る】

青森、伊東温泉、宇都宮、高知で開催されたアドバンス=72レースを振り返ります。

◆各開催の優勝者
青森(A級)
中野光太郎(徳島121期・25歳)
早坂秀悟(茨城90期・39歳)

伊東温泉(S級)
黒瀬浩太郎(広島125期・25歳)
松岡辰泰(熊本117期・28歳)

宇都宮(S級)
須永優太(福島94期・36歳)
橋本瑠偉(栃木113期・30歳)

高知(A級)
川口雄太(徳島111期・28歳)
丸山啓一(静岡74期・50歳)

各地区の優勝者を見ると、バラエティーに富んだ結果となりました。
伊東温泉では黒瀬浩太郎が捲りでS級初優勝を達成。デビューからまだ2年、PIST6の経験もあり、個人戦の走りやすさも強調していました。また、高知では最終BSで最後方だった丸山啓一が大外を直線一気の強襲で優勝。50歳のベテランが今年2回目の優勝をアドバンスで決めました。

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【自力型が圧倒的有利か!】
8名の優勝者を見ると、従来の競輪での脚質(逃・両・追)は、「逃」選手が5回、「両」選手が1回、「追」選手が2回、それぞれ制しています。
※ここでの脚質は、出走表に掲載されている脚質欄に表記されているものです。

全72レースまで広げて脚質を見てみると……

1着選手の脚質
逃:50回
両:11回
追:11回

2着選手の脚質
逃:28回
両:19回
追:25回

もちろん出場レースの中に「逃」選手(自力選手)が複数人いることもありますが、72レース中で50回(69%)は逃選手が制していることになります。とくに伊東温泉と青森は顕著で、伊東は18レース中で15レースが「逃」選手(自力選手)が1着、「追」選手の1着は2日目の田中陽平の1回のみ。青森は18レース中で16レースを「逃」選手が制しました。

オール単騎戦で、ラインを組まないとはいえ、従来の競輪で自力を出している選手がレースを動かすことに変わりはない。しかも、ライン競走ではなく、ルールも異なるため、ブロックを受ける可能性もなく、シンプルに持つところからの仕掛けで自力選手の活躍が目立ちます。逆に追い込み・マーク選手は横の動きが厳しく制限されていることもあり、数字的には苦戦を強いられている傾向にありますが、1着には届かずも、巧みにレースの流れを掴んでからの連絡みは多くなっています。

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【アドバンスの決まり手の傾向は?】
4開催全72レースの決まり手は以下の通り。

捲り→マーク 20回
差し→捲り 12回
逃げ→マーク 7回
差し→逃げ 7回
差し→マーク 7回
捲り→捲り 5回
差し→差し 4回
捲り→逃げ 3回
捲り→差し 3回
逃げ→捲り 2回
逃げ→差し 2回

周長が異なるので一概には言えませんが、最も多い決まり手は「捲り-マーク」。
強い自力選手が好位置を確保して、一気に捲りで抜け出す。そして、この捲りに続いた選手がかわせず2着に入るパターン。
従来の競輪なら捲る自力型のラインを狙えばいいわけですが、アドバンスはラインを組まないため、必然的に並びコメントも存在しません。初手または道中で、誰が後位を回っているのか、または取り切るのか。ガールズケイリンでも同様のことが言えるが、ここがレースを考える上でも肝要になっていきそうです。

さらに、従来の競輪のように自力選手の後ろをマーク選手が回るわけではありません。逃げは有利そうですが、72レース中で逃げ切り1着は11回、2着は10回。先手の2番手に他の自力選手が続く可能性もあり、対抗格の自力型が展開を利して差し切るシーンも。
ハイペースの展開から逃げがかわされての、差し→逃げ、差し→マークの決まり手にも注目したいところです。

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【車番的の有利・不利は?】
アドバンスは誘導ペースが速く、誘導退避の時点からすでにハイペースの展開となる傾向が強い。そのため、後ろ攻めだと前まで行くのに脚を使ってしまいますし、仕掛けが遅ければ突っ張られてしまいます。「前々」にいることが、勝利への最短ルートと言えそうです。
さらにミッドナイトでは競走得点順に1枠から入る。では、全72レースでは、車番別はどうなっているのでしょうか。

    1着 2着 3着 
1番車 31回 12回 16回
2番車 16回 15回 23回
3番車 7回 19回 13回
4番車 7回 6回 7回
5番車 7回 7回 4回
6番車 4回 8回 4回
7番車 0回 5回 5回

1番車は勝率42%、連対率60%、3連対率82%のハイアベレージ。
2番車も勝率22%と高めで、1番車と2番車の1着が65%を占めています。
一方、6番車の勝率6%、7番車の勝率は0%でした。ミッドナイトは内枠から競走得点順に入るため数字が高くなるのは当然ではありますが、スタートから好位置を取れる内枠は、アドバンスでもより有利と考えてよさそうです。実際、伊東アドバンスを走った選手からも「外枠は厳しい」との声もありました。

1番車が好成績を残していますが、追込選手が入った時は要注意です。前を取って、周回中から動きが無かった場合は、普段は不慣れの先行勝負になることも考えられます。ヨコの位置も制限されているので、立ち遅れると巻き返しは厳しくなります。やはり、より内枠で先手を取れる自力タイプが優位となりそうです。

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【意外な高配当も狙える?】
力勝負のシンプルなレースですが、配当的にはかなり幅がありました。
4開催全72レースの3連単の分布は以下の通り。

(3連単の配当)
〜990円 9回
1000円〜2990円 22回
3000円〜9990円 20回
10000円以上 21回

3連単の3桁配当(〜990円)は72レースで9回のみ。最低配当は宇都宮2日目9レースの530円、最高配当は青森最終日5レースの8万5550円。シンプルな力勝負のレースですが、意外にも配当的には本命サイドで決まっていません。3連単万車券率も30%と高く、高配当も見込めるようです。なお、青森の最終日はアドバンス6レース中で5レースが万車券決着でした。
外寄りの追込選手や伏兵の自力型が好位置を確保して上位進出するのが高配当パターンとなっています。

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【今開催の勝ち上がり】

今回は前橋F2ミッドナイトと玉野F2ミッドナイトでアドバンスが実施。

前橋はガールズケイリンが3レース×3日制×1トーナメント、A級1・2班戦が3レース×3日制×2トーナメント。初日と2日目はガールズが第1〜3R、A級1・2班戦が第4〜9R。
玉野はA級1・2班戦が4レース×3日制×1トーナメント、ルーキーシリーズ男子新人戦が5レース×3日制×1トーナメント。初日と2日目はA級1・2班戦が第1〜4R、ルーキーシリーズが第5R〜9R
にて争われます。

(前橋F2ミッドナイト)
◆A級1・2班7車3R3日制(ケイリンアドバンス)
勝ち上がり表
賞金表

◆L級3R3日制(ガールズケイリン)
勝ち上がり表
賞金表

(玉野F2ミッドナイト)
◆A級1・2班7車4R3日制(ケイリンアドバンス)
勝ち上がり表
賞金表

◆男子新人戦7車5R3日制(ケイリンアドバンス)
勝ち上がり表
賞金表

※掲載の画像はイメージです。
※各データにはアドバンスルールのルーキーシリーズ男子新人戦は含まれておりません。
(P-NAVI編集部)

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