2024/11/09(土) 22:45
四日市競輪のナイター「泗水杯争奪戦(GIII)」は9日、3日目を迎えた。7RのS級特選を走り終えた吉田有希に話を聞いた。
二次予選で捲れず敗退となった吉田。3日目は町田太我が前受けから坂本周作を突っ張ったところをすかさずカマして主導権。中団に入った町田は捲り上げてきた坂本に包まれる形で不発。別線を封じる走りで吉田が堂々の逃げ切り勝ちを決めた。
レース後には「なんとなく町田さんが行きそうな雰囲気は感じていた。周作さんが行ったところで相手の影を使いながら、ここ(打鐘)だと思ったところでカマシに行きました。出切っても後ろは分からなかったけど、来ても1車2車くらいかなというくらいに、自分のペースで行った」と振り返った吉田だが、2日目に悔しい失格でお帰りとなった眞杉匠からの言葉を教えてくれた。
「昨日(2日目)が終わったあとに『もったいない。もったいないよ。最近は逃げさせてくれないって言っているけど、逃げなくなった』って。それで『またGIで一緒に走りたい』って言ってくれたことが心に響きました。それで、メンバーが出たときに、先行でGIでも貫いている町田君がいたし、負けたくないと。力勝負をしたいと思った。トリッキーな走りになって、付いてくれた柴田さんはこんな所で行くの?(苦笑)って思ったと思いますけどね(苦笑)。昨日(二次予選)、今日と同じ走りができていればラインで決まったかもしれない。関東の先行選手は僕と眞杉さんくらい。自分はGIから遠ざかっていますけどね。先行で勝ち上がることが大事だし、そうしていくことで何かしらはある。関東皆で勝ち上がれるように今後は頑張っていきたい。そんな眞杉さんからの遺言?(笑)があったんですよ。自分はまだメンタルが弱いけど、先行で頑張りたい。脚も付くし一石二鳥なので」と答えてくれた。
遺言ではないなとその場にいた記者達は思い、吉田が遺言と言う度に失笑が起こったが、S班になった立場の眞杉の『関東みんなで上がりたい』という熱い想いがあった。その熱い想いを受け取った吉田はかつての積極性を戻し、眞杉たちと共にGI戦線で関東を引っ張っていってほしい。(アオケイ・宮本記者)