ツール・ド・九州2024 大分ステージ

2024/10/23(水) 10:00

美しいやまなみハイウェイを駆け抜けるコースで開催された第1ステージ

「ツール・ド・九州2024」が10月12日、幕を開けた。前日には前哨戦「小倉城クリテリウム」が開催され、同じメンバーが参戦し、大いに盛り上がったが、この日からUCI(世界自転車競技連合)登録の国際ステージレースが始まる。第1ステージの会場は大分だ。

ツール・ド・九州は海外チーム6チームを含む17チームで競われる。この海外チームの中には、世界最高位の「ワールドチーム」から「アスタナ・カザクスタン」と「EF エデュケーション・イージーポスト」、続く格に位置付けられ、ワイルドカードを手にすればツール・ド・フランスなど世界最高峰のレースにも参戦可能な「プロチーム」格から「コラテック・ヴィーニファンティーニ」と「トタルエナジー 」と、世界トップレベルのチームが含まれている。ほか国内チームと同じ「コンチネンタルチーム」格から「ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング」と「ルージャイ・インシュアランス」という2チームを招いている。

初日の大分ステージは、別府から日田までの137.72km。人気の観光地である湯布院を通過し、美しいやまなみハイウェイを抜けていく。コース内には3カ所の山岳賞ポイントと1カ所のスプリントポイントが設定されている。終盤は日田に入り、大宮八幡宮を起点とする周回コースを2周回するが、この日田に入るまではアップダウンが続くコースである。
大会では、個人総合成績トップの選手にブルーのリーダージャージ、山岳賞首位に、ブルーの水玉のリーダージャージ、スプリントポイント並びにゴールポイント最上位の選手に赤いリーダージャージ、U23首位の選手にミントカラーの新人賞リーダージャージが贈られる。

大会初日となる大分ステージは、別府市の立命館アジア太平洋大学キャンパスをスタートする。

スタート後、別府湾を背景にパレード走行で駆け上がる
リアルスタート直後から、集団から抜け出そうという激しいアタックの応酬が繰り返されるが、それらは吸収され、形にはならず、レースは集団のまま推移した。 この日1つ目の山岳ポイントである九重で、マッテオ・ヴェルシェとトマ・ボネ(ともにトタルエナジー)の 2名が連れ立って飛び出し、メイン集団からの差を開いた。長者原のスプリントポイントもこの2名が先頭通過している。

マッテオ・ヴェルシェとトマ・ボネ(ともにトタルエナジー)が先行
メイン集団はワールドチーム勢がペースアップを始め、2つ目の山岳ポイント四季彩ロードで先頭2名を吸収した。

ワールドツアーチームがペースアップし、先頭2名を追う
レースも折り返しに入った頃、クリスティアン・ズバラーリ(コラテック・ヴィーニファンティーニ)が単独で飛び出した。ズバラーリは集団に対し、3分近い差を稼ぎ出し、日田市内に向かった。
メイン集団はアスタナ・カザクスタンや EF エデュケーション・イージーポスト、トタルエナジーら海外強豪チームがコントロールし、ペースアップを図った。ズバラーリも粘り、日田市内に設定された周回コースに入っても先行を続けたが、本気になりペースアップしてきた集団に一気に差を詰められ吸収された。

地元の皆さんの声援を受けながら単独先行するクリスティアン・ズバラーリ(コラテック・ヴィーニファンティーニ)
ズバラーリを追うメイン集団
レースはここでふりだしに戻った。集団はひとつになり、ラスト1周に突入する。

日田市内の周回コースには多くの観客が押し寄せ、声援を送った
残り5km 地点、小倉城クリテリウムでも、最終盤に飛び出し、強さを見せつけたアントン・チャーム(アスタナ・カザクスタンチーム)とルーカス・ネルーカー (EFエデュケーション・イージーポスト)、さらに、エミリアン・ジャニエール、ジョルダン・ジュガット(ともにトタルエナジー)と全日本チャンピオンの小林海(マトリックスパワータグ)の5名が抜け出した。
5名は協調しながら差を開いていく。この5名にメンバーを送り込んだチームは、メイン集団を引き上げる動きには加わらないため、集団の先頭はコラテック・ヴィーニファンティーニが固め、ペースアップを図るが、先頭に迫ることはできなかった。

最終周回の登り区間でネルーカーがペースアップすると小林が遅れ、先頭は4名の決戦に。
ジュガットを先頭にラスト1kmを通過。ジュガットの後ろにはジャニエールがぴったりとついている。最終コーナーを回るとジュガットに引き上げられたジャニエールが、一気にスプリントを開始、そのまま2名を寄せ付けない加速を見せると、ガッツポーズでフィニッシュに飛び込んだ。2位にはネルーカー、3位にはチャームが入っている。
ジャニエールはステージ優勝のほか、個人総合、ポイント賞で首位に立ち、2つのリーダージャージも手に入れた。

スプリントを制したエミリアン・ジャニエール(トタルエナジー)
ジャニエールは「このレース前に少し調子を崩していた。最後の登りでEFの選手がアタックしたが、私とチームメイトでついていくことができ、いい形に持ち込めた。スプリントに自信があり、いい展開だったと思う」と語った。
序盤から逃げて先頭を走ったヴェルシェが山岳賞 を、2位のネルーカーが新人賞を獲得、小倉クリテリウムから連続して表彰台に立ち、存在感を見せている。

個人総合リーダーとなり、ブルーのリーダージャージを獲得したジャニエール
翌日は熊本県の阿蘇山周辺のカルデラを回るコースで、今大会では山岳ステージに位置づけられる。このきびしいステージを各チームはどう戦うのか、注目された。

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【結果】
ツール・ド・九州 第1ステージ大分

1位/エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー)3時間17分18秒
2位/ルーカス・ネルーカー (EFエデュケーション・イージーポスト)
3位/アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタンチーム)
4位/ジョルダン・ジュガット(フランス、トタルエナジー)+2秒
5位/イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタンチーム)+10秒

【個人総合成績】第1ステージ終了時
1位/エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー)3時間17分18秒
2位/ルーカス・ネルーカー (EFエデュケーション・イージーポスト)+3秒
3位/アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタンチーム)+6秒

【ポイント賞】第1ステージ終了時
1位/エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー) 25p

【山岳賞】第1ステージ終了時
1位/マッテオ・ヴェルシェ(トタルエナジー) 10p

【新人賞】第1ステージ終了時
1位/ルーカス・ネルーカー (EFエデュケーション・イージーポスト)

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【レポート・プレイバック】
小倉城クリテリウム

画像:ツール・ド・九州2024実行委員会

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