小倉城クリテリウム

2024/10/15(火) 17:00

10月11日、前年に続き2回目の開催となる「小倉城クリテリウム」が、福岡県北九州市小倉城周辺特設コースで開催された。

小倉城の周囲を回るコースが設定された「小倉城クリテリウム」

これは翌日から開催される「マイナビ ツール・ド九州2024」の前哨戦ともいえるレースで、同じメンバーが参戦する。今年のツール・ド・九州には、世界最高位に位置する「ワールドチーム」から「アスタナ・カザクスタン」「EF エデュケーション・イージーポスト」の2チームが参戦、レベルの高い戦いになることが予想された。そんな選手たちを 一目見ようと平日にも関わらず沿道には多くの観客が詰めかけた。
使用されるのは、ひしゃく型の1周1.79kmのコース。平坦で、折り返しのヘアピンコーナーのほか、4箇所にコーナーが設定されている。このコースを25周回する45kmで競われる。セレモニーののち、レースは13:00にスタートした。

観客の声援を受けながらスタートする

レース開始早々、積極的にアタックが繰り返され、激しいレースが展開されるが、抜け出しはことごとく吸収され、決定的な動きがしばらく生まれないまま、選手たちは周回をこなしていく。
このクリテリウムでは、5周回おきにスプリントポイントが設定されており、1回目をイェロン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)が、2回目を孫崎大樹(キナンレーシングチーム)、3回目と4回目をジョルダン・ジュガット(トタ ルエナジー)がそれぞれ獲得した。これらのスプリントポイントに向けた動きも、そのまま吸収され、レースを動かすようなきっかけにはならなかった。

コース沿いは詰めかけた観客たちで埋まり、会場は大いに盛り上がった

折り返しを越え、動きが生まれたのは、ラスト12 周に差し掛かった頃だった。ルーカス・ネルーカー(EF エデュケーション・イージーポスト)とジョルダ ン・ジュガット(トタルエナジー)が飛び出し、遅れてアントン・チャーム(アスタナ・カザクスタン)が追いつき3名で先行した。

ルーカス・ネルーカー(EF エデュケーション・イージーポスト)、ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー)、アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタン)が先行を始めた

国内チームが前方に立ち、抜け出した3名を追う

欧州のトップレースを走る強豪チームのメンバーの先行に、緊張が走ったが、キレのある加速には追いつけず、3名は差を開き、先行した。3名が協調し先頭を走る様子は、まるで日本国内ではないかのようで、会場は湧いていた。

力のある3名が協調して先行

小倉城の堀の周りを走る

メンバーが先行した3つのトップチームは牽引には加わらないため、メイン集団は思うようにペースアップできず、差は詰まらなかった。

国内チームが懸命に負うが、差は縮まらなかった

勝負は3名のスプリントに託された。
最初に仕掛け、先頭でコーナーを回ったのはネルーカー。後ろにぴったりとチャーム、ジュガットが付く。
だが、ネルーカーはパワフルに加速し、2名を近づけることなく、ぐんぐんとフィニッシュラインに近づいていく。ネルーカーは勝利を確信し、ゆったりと両手を上げる余裕すら見せながら、先頭でフィニッシュ。今年の小倉城クリテリウムを制したのだった。
2位にジュガット、3位にチャームが入っている。

他の選手を寄せ付けないまま、両手を上げてフィニッシュに飛び込んだネルーカー

集団は31秒遅れでフィニッシュ。この集団の先頭を獲り、4位でフィニッシュした岡本隼(愛三工業レーシングチーム)がベストジャパニーズ賞となった。
優勝したルーカス・ネルーカーは「集団スプリントに持ち込みたくなかったので、逃げを狙って走りました。3人になってからも多くを話したわけではないけれど、それぞれが何をすべきか分かっていたと思います。他の2人のスプリント力が分からなかったので早めに自分のスプリントを開始して、勝つことができ嬉しく思います」と語った。

笑顔で観客とハイタッチを交わし、交流を楽しむ選手たち

翌日からは、ツール・ド・九州がスタート。この日のクリテリウムでは、欧米のトップチームの強さをまざまざと見せつけられた結果となったが、日本勢の善戦にも期待された。

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【結果】小倉城クリテリウム(45km)
1位/ルーカス・ネルーカー(EF エデュケーション・イージーポスト)59分59秒00秒
2位/ジョルダン・ジュガット(トタルエナジー)+0秒
3位/アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタン)+0秒
4位/岡本隼(愛三工業レーシングチーム)+31秒
5位/イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタン)+31秒

画像:ツール・ド・九州2024実行委員会

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