2023/12/03(日) 11:23
山口県長門市の仙崎地区の特設コースで「山口ながとクリテリウム」が11月4日、開催された。
このコースを用いたレースとしては2回目の開催になるが、今年は翌日開催されるUCI(世界自転車競技連合)の認定レース「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」の前哨戦として、海外チームを含めた74名が出走し、行われた。このレース自体も、UCI認定クリテリウムレースとして位置付けられている。
用いるのは仙崎漁港近くの公道を使用する1.5kmの周回コースだ。白潟湾の海岸沿いの平坦路から内陸の丘を越え、ホームストレートに入る。ほぼ平坦ではあるが、この丘を越える箇所やコーナーで集団が伸びたり、分断されたりという動きが生まれる可能性がある。ここを35周回する52.5kmの設定で競われる。途中3回の中間スプリント賞が設定された。
白潟湾沿いの公道を使用する1.5kmのサーキット(画像は大会公式テクニカルガイドより)
当日の気温は18度。スタートラインについた選手たちは、多くの観客に見送られながら「道の駅センザキッチン」をパレードスタートした。
観客に見送られ、パレードスタート
半周のニュートラル区間を終えてフラッグが振られると、決戦の火蓋が切られ、レースが始まった。
序盤から積極的な展開となり、集団は長く引き伸ばされた
予想通り、ハイスピードの展開となり、およそ1周2分、時速45kmの高速レースとなった。その中で積極的にアタックが仕掛けられるが、すぐに吸収され、決定的な動きには、つながらない。集団は常に活性化され、不安定な状態のまま周回を重ねて行った。
次々アタックが仕掛けられるが、決定的な動きにつながらない
11周回、18周回のスプリント賞は、キム・ユーロ(LXサイクリング)、ペンユアンタン(チャイニーズタイペイ)が獲得。
阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)も仕掛けるが、新たな動きは生まれなかった
ショートコースながら、急勾配を立ち上がる丘区間が含まれている
25周目のスプリントポイントを阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が獲得し、そのまま山本大喜(JCLチーム右京)と集団を抜け出しにかかったが、ほどなく吸収され、動きが決まらないまま、終盤戦へと入っていく。集団スプリント勝負に持ち込まれる可能性が高まってきた。
各チームが集団スプリントに向けての位置取りのため集結し始める
残り周回が5周を切ると、シマノレーシングが集団前方に集結。集団のコントロールを始め、ペースアップを図り始めた。スプリント勝負での決着がほぼ確実となり、スプリンターを抱えるチームブリヂストンサイクリングや、愛三工業レーシングチームらが、隊列を組み、本格的な位置取り争いを始める。
レースはいよいよ最終周回へ。ラスト500mで、バス・ファン・ベル(WPGA)がアタック、他を寄せ付けないスピードで先行を続けた。
ファンベルのスピードは衰えず、ラスト150mのコーナーに飛び込み、先頭でホームストレートへ突入。愛三工業レーシングチームの隊列から放たれた岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が迫るが、辛くも及ばず、ファンベルがガッツポーズでフィニッシュラインを越えた。
バス・ファン・ベル(WPGA)が他を寄せ付けないスプリントでレースを制した
岡本が2位。3位にはキム・ユーロが食い込んだ。
ファンベルは「昨年は満足できる成績が出ていなかったので、日本のレースをこうして勝ててとても嬉しい」と喜びを語った。「チームメイトがうまくコントロールしてくれた」と勝利に導いたチームメイトへの感謝も忘れなかった。
優勝したファンベル、2位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、3位のキム・ユーロ(LXサイクリングチーム)
翌日は同メンバーでUCIレースとなった美祢秋吉台カルスト国際ロードレースに臨む。アップダウンの多いコースであり、まったく異なるレースが展開されることになることが予想された。
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【結果】
JCL2023 山口ながとクリテリウム(52.5km)
1位/バス・ファン・ベル(WPGA、オランダ)1時間8分25秒
2位/岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)+0秒
3位/キム・ユーロ(LXサイクリングチーム、韓国)
4位/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
5位/ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)
【中間スプリント賞】
キム・ユーロ(LXサイクリングチーム、韓国)
ペン・ユアン・タン(チャイニーズタイペイ、台湾)
阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
※( )内の国名は選手の国籍
画像提供:ジャパンサイクルリーグ(JCL)(P-Navi編集部)