ジャパンサイクルリーグ（以下JCL）の2023シリーズとなるレースの初戦が3月25日、栃木県真岡市で開催された。
このレースは、栃木県内で「カンセキ真岡芳賀ロードレース」と翌日の「カンセキ宇都宮清原クリテリウム」の2連戦という形で開催される。レース開催に慣れ、例年観客を楽しませるレース運営を行うことから、国内の多くのサイクルロードレースファンが会場を訪れた。

会場内には多くのキッチンカーやブースが並び、訪れる観客をもてなすべくスタンバイ！

今季JCLに登録した7チームに加え、クラブチームが3チーム、そして特別参戦となるチーム右京を合わせた11チーム54名が参加した。
今年のJCLシリーズでは、地域開催の「地方公認」レースと、UCI（世界自転車競技連合）認定レース、国内選手権など、JCLが指定したレースで上位となった選手にJCLがポイントを付与し、登録チームの選手内の総合ランキングが付けられるシステムとなった。

初戦となった真岡芳賀ロードレースで使用するのは、真岡井頭公園をスタートゴールとした、公道を使用する7.2kmのコース。距離は、このサーキットを17周回する122.4kmに設定された。厳しいアップダウンや、難しいコーナーはないものの、小さなアップダウンが含まれ、クランクなども待ち受けている。路面はウェット状態で気温も低く、気の抜けないレースになるだろう。

真岡井頭公園をスタートする公道を用いた7.2kmコースが用意された

本拠地を栃木に置く宇都宮ブリッツェンの選手が最前列に並び、レースがスタートした。2023シーズンの幕開けだ。

宇都宮ブリッツェンのメンバーを先頭に、レースがスタートした

序盤から、ホストチームとなる宇都宮ブリッツェンや、ゆかりのある選手たちが特に積極的に仕掛け、動きを作るべく、アタックを繰り出したが、初戦からイージーな流れになるはずもなく、すぐに吸収されてしまう。

タフなコンディションながら、レース開始直後から積極的な動きが生まれる

阿部嵩之（宇都宮ブリッツェン）や、元宇都宮ブリッツェンの岡篤志（チーム右京）らが集団から飛び出す

ようやくレースが動いたのは、すでに中盤に差し掛かる頃だった。カーター・ベトルス（ヴィクトワール広島）、山本大喜（JCLチーム右京）、床井亮太（レバンテフジ静岡）、本多晴飛（宇都宮ブリッツェン）の逃げグループが形成されたのだ。メイン集団との差は、1分20秒差程度まで開く。

カーター・ベトルス（ヴィクトワール広島）ら4名の集団が形成され、メイン集団との差を開いた

先頭にメンバーを送り込めなかったチームがメイン集団を牽引する

この逃げ集団にメンバーを送り込めなかったキナンレーシングチームとVC福岡がメイン集団の先頭に立ち、集団をコントロール。少しずつ、先頭4名とのタイム差を詰めて行った。

4名はハイペースのまま、先頭を走る

全力で集団を牽引し、差を詰めるキナンレーシングチームとVC福岡の選手たち

ペースアップしたメイン集団が差を詰め、ついに先頭4名を視界に捉えた頃、吸収されることを嫌ったカーターが先頭集団から単独で飛び出し、残り3人を引き離すと、独走態勢に入った。

迫るメイン集団から逃れるべく、カーターが単独で先頭集団から飛び出した

遅れた先頭3名と、メイン集団から単独で飛び出した岡篤志（JCLチーム右京）がカーターを追うが、カーターは圧倒的なスピードで先頭を走り続け、ゴールに向かった。

圧倒的な独走力で先頭を走り、単独でゴールを目指すカーター

ついにカーターは単独でホームストレートに登場し、笑顔で悠々とフィニッシュ。20秒の差を残したまま、優勝を決めた。初戦を制し、チームに嬉しい白星をもたらしたのだった。

独走のまま、余裕のポーズで初戦を制したカーター

2位には単独でメイン集団から追い上げた岡が、3位に渡邊諒馬（VC福岡）が入っている。
カーターは、「今日は完璧なレースだった」とレースの結果にも、内容にも満足した様子。「ベン、中田、私の3人がとてもアグレッシブにレースを展開し、私は逃げに入ることができた」と、レースを語った。「明日はまたアグレッシブなレースをして、逃げに入ることを目指したい」と翌日のレースに向けての抱負も語っていた。

カーター、2位の岡篤志（JCLチーム右京）、3位の渡邊諒馬（VC福岡）のシャンパンファイト

翌日は宇都宮に舞台を移し、小周回を回る「クリテリウム」形式のレースが開催された。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
【結果】JCL2023 カンセキ真岡芳賀ロードレース　
1位／カーター・ベトルス（ヴィクトワール広島）2:51:56
2位／岡篤志（JCLチーム右京）+0:20
3位／渡邊諒馬（VC福岡）+0:21
4位／孫崎大樹（キナンレーシングチーム）
5位／小野寺玲（宇都宮ブリッツェン）+0:22

画像提供：ジャパンサイクルリーグ（JCL）(P-Navi編集部)