2023年4月6日　川口オート（初日）
AutoRace.jpキャッシュレスオープン記念

あの落車事故から、実に2年3カ月＿＿。
森且行が2023年4月6日、レース復帰を果たした。
2021年1月24日、レース中のアクシデントで落車。骨盤骨折、腰椎骨折など大けがを負った。
そこからは、長く険しいリハビリ生活。ただひたすらに復帰を目指して、一歩ずつ乗り越えてきた。
802日ぶりのレースには、初心に戻る意味も込めたという、養成所時代の競走車番号が由来の「ニジュウサン」号で挑んだ。復帰を待ちわびた大観衆がスタンドを埋め尽くす中、川口オート第9レース、ハンデ30mの8号車で登場。スタートから前団に攻め上がると、2周回目に入るホームストレッチで車を内に向けて、一気に先頭へ。そのまま後続を振り切って、見事に復帰戦を1着で飾った。
スタンドから大拍手が巻き起こる中、オートレーサー森且行の、新たなレース人生の幕が上がった＿＿。

【川口9R＝予選】
6周回3,100m
●走路（走路温度度）
1／松永幸二（川口13期）0m　3.51
2／野上史豪（伊勢31期）0m　3.50再
3／高橋祐一（川口20期）10m　3.45
4／岩佐常義（川口10期）10m　3.42
5／栗原勝測（伊勢20期）20m　3.45
6／竹内正浩（伊勢21期）20m　3.38
7／森村亮（伊勢29期）30m　3.37
8／森且行（川口25期）30m　3.32
※右数字はハンデ、試走タイム

■レース展開

スタートは0mハンデは松永が残し、30mからは森が森村を叩いていく。森はアウトコースを進み、3コーナーで竹内、栗原を捲ると、ホームストレッチでインに向けて前4車を一気に差し切り。2周回1コーナーで先頭に立った森は、周回ごとに後続との差を広げて、そのまま圧勝のゴール。2着には3周回目に野上、高橋を2車抜きした岩佐が、3着にはゴール前で高橋をかわした森村が入線した。

【川口オート・初日9レース結果】
2連単8-4　1,110円（5番人気）
3連単8-4-7　2,360円（6番人気）

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【復帰レース後の共同会見】

－まずは、レース後にひとことをお願いします。
森「会見はレースより緊張しますね。2年3カ月ぶりに、ようやく復帰できました。まずは今日一緒に走ってくれた7人の選手に感謝したいと思います。そして、今まで支えてくれた周りの方々、そして応援してくれたファンの皆様に、感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます」

－レースを終えて、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
森「7節、練習参加をさせていただいて、エンジンも4回くらいオーバーホールしたり、部品を換えたりして。今日も朝練習に行ったんですけど、あまりエンジンが良くない感じだったので、自分の感覚を信じて、セッティングを大幅にいじって、試走に行ったら、照っている走路は苦手なんですけど、3.32も出たので、これはミスしなければ、勝てるのかなと思って走っていました」

－スタートに立った時、試走に出てきた時も、ファンの拍手がありました。聞こえましたか？
森「余裕がなくて、何も分かっていなかったです」

－スタートグリッドに立った時の心境は？
森「もう、吹っ切れましたね。いい緊張感だったので、ビビることなく、自分のレースをしようと思って、気合を入れました」

－スタートして6番手から外を回って、2周から鮮やかな5車抜きでした。
森「外を回ろうと思ったのですが、エンジンが外回りではなかったので、中に行くのは、ケガあけなので、どうかなと思いましたが、ちょうどあいたところを、うまく入った感じでした。2年3カ月休んでいても、レースの感覚は体が覚えていてくれたので、あそこで行けたと思います」

－その後は、残り4周。一人で走る展開でしたが。
森「やっぱりキツかったですね。これが課題になってくると思いますが、2周から3周までは勢いよくいけるのですが、この右足の力が入っているのか、入っていないのかがよく分かっていない感じなので。レースを重ねていけば、神経障害も治っていくと言われているので、レースを重ねていって、徐々に治していきたいと思います」

－今節ここで復帰しようという手応えはあったのでしょうか。
森「手応えは……冬場の12月から練習参加を本格的に始めて、1月くらいから後輩や同期と一緒に練習で合わせてもらって、そこで同じくらいに走れた時に、これはそろそろ復帰する準備をしようと思いましたね」

－トークショーなどで、復帰するときは1着を取れる状態で復帰したいと言っていましたが、見事に復帰して1着を取れました。いい形に戻ったと？
森「それはまだ戻っていない感じがあります。たまたま1着が取れたんだと思います。初日なので（主力が）分散されているので、これが勝ち上がりなので、最終日に優勝戦までいけたら、戻ってきたのではないかと自分でも感じると思います」

－今日の1着で、優勝戦進出も期待していいでしょうか。
森「どうでしょうか。自分でもよくわかっていないので」

－復帰戦の内容、今の自分の体の具合を整えて、100点満点で何点くらいでしょうか。
森「80点くらい。上積みは、これから6周回をしっかり同じペースで走れるように。試走が32出たら、32のペースで走れる体を作っていくことと、あとは良いエンジンを作ることをやります」

－思い返せば、この2年3カ月は長かったですか、短かったですか？
森「長いようで、短かったような。2年3カ月の間に、退院してからは、いろいろなイベントもやらせてもらって。そのおかげで、ファンの皆さんお会えて、応援してもらって。すごく楽しく過ごせた時間でしたね」

－復帰戦を終えて、ここからの目標やビジョンを教えてください。
森「一番大きな目標は、もう一度日本一になりたい。ですけども、そんなに甘くない。今はB級なので、とにかくSGのレースに出られるくらいにはいきたいと思っています。S級になればSGは全部出られるので。まずはそこを目標に、時間がかかっても頑張っていきたいと思います」

－さきほどの多くの支えとは？
森「やっぱり一番はファンの皆さんが、諦めずに、応援し続けてくれたおかげだと思っています」

－今日の1着は、その恩返しになりましたか？
森「そうですね。直前で1着は取れないかも言ってしまったので、車券は買っていないかもしれないですが（苦笑）。元気な姿で走っている姿を見せられたので、恩返しになったと思っています」

－明日以降ももう一度、恩返しですね。
森「そうですね。雨の方が良い感じがするので、雨が降ったら買ってください」

(P-Navi編集部)