【寛仁親王牌特集】加藤慎平×小松崎大地(特別対談)

2022/10/17(月) 11:58

【寛仁親王牌特集】加藤慎平×小松崎大地(特別対談)

【第31回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント/特集】
加藤慎平×小松崎大地(特別対談)

元競輪選手で現在は解説者として活躍している加藤慎平氏が、10月のG1レース「第31回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」(前橋競輪場)に出場するトップレーサーに迫ります。今回はチャリレンジャーから小松崎大地選手(S1・福島99期)が登場。過去に2回決勝進出も果たしている相性の良いG1で、初のタイトル奪取を狙います__。

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重責を背負いながら、まだまだ成長の日々

加藤「まず今年を振り返ってもらいたいのだけれど、G1は2回決勝に乗っているし、ここまでの自分の競走はどう評価する?

小松崎「ビッグレースに関しては、すごくレースの流れにしっかりと乗って走れている感じがありますね」

加藤「小松崎選手も40歳で、ベテランの年齢に差しかかっているけど、(佐藤)慎太郎選手や成田和也選手だったりと重たいものを背負って走る一方で、超ダッシュがある選手の番手も走る。なかなか大変な立場だと思うけど、自分が置かれている役割に関してはどう思う?」

小松崎「そうですね。重たい番組の時もありますし、フレッシュな勢いのある選手の番手を回ることもあります。今の北日本地区は、個々は強いですが、今のG1戦線を戦っている選手の層が薄いので、連携回数は多くなりますし、そこにすごく強さは出てきていますね。でも、今は下からの突き上げが少ない地域なので、そこは何とかしないといけないです。自分もラインの力を引き出してもらって、今の走りができていると思うので」

加藤「毎回、重責を背負う位置だと思うけれど、だからこそ、今なお成長できているというのがあるのかな?」

小松崎「はい。すごく緊張感を持って走れていると思いますね。若い選手が上がってきて、ここに入ってきてくれれば、成長できるスピードもすごく速くなるはずなんですけどね。そこは心待ちしているのですが、まずは自分の置かれた位置で頑張ろうと思っています」

加藤「年齢重ねるごとに、体の変化とかは?」

小松崎「少しずつは、変化を感じてきていますね。でも、何かができなくなったとは、まだ感じていないので。昔より苦しいな、回復が遅いかな、くらいです。そこはしっかりとケアを入れながら、やっていきたいと思っています」

加藤「ここまでG1の決勝には5回進出。まだ優勝には届いていないけれど、そろそろ一本獲りたいという気持ちは?」

小松崎「そうですね。タイトルを獲る目標でずっとやってきていますし、そこに関しては、いまだに目指して頑張っているところです」

加藤「今年G1を勝っている脇本雄太や古性優作、そして最近では眞杉匠など若手の自力型も活躍しているけど、戦う上でどこが違う?」

小松崎「まず大前提として、そのレベルの自力選手と比べたら、圧倒的に脚力が下なんです。でも、それがすべての敗因になるかというと、そうならないのが競輪だと思っています。まずはしっかりレースの流れに乗ったり、腹をくくるところでくくれば、勝負になるかなと思っているので」

加藤「小松崎選手は、脚力差はあるにしろ、今持っている力をすべて出して、同じステージで互角に戦っている選手の筆頭だよね」

小松崎「こうすればよかったのか、ああすればよかったのか、という部分がレースごとに、まだまだ出てきています。そういうことを感じ取ってきたことで、少しずつですが、成長できているのかなとは思います」

好相性の寛仁親王牌に向けて

加藤「さて、寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントだけど、開催のイメージはどう?」

小松崎「初めてG1で決勝に乗れたのが寛仁親王牌ですし、何だか前橋は走りやすいという感覚が、個人的にはあります」

加藤「2018年、2019年と連続で決勝に進出しているよね」

小松崎「昨年はダメでしたけどね。連続で決勝にも進めているので、そういった意味では、相性はいいと思います」

加藤「前橋は高速バンクで、ダッシュ、スピードタイプの選手が活躍する、出入りが激しいレースになると思うんだけど、小松崎選手の脚質ともマッチするんだね」

小松崎「理由は分からないんですけどね(笑)」

加藤「それは、しっかり順応しているということだね。そして、寛仁親王牌に向けて、何かやっていきたいことは?」

小松崎「今年は落車が2回あったんですけど、大ケガではなかったので、ずっと今まで計画的にトレーニングができています。寛仁親王牌に向けても、このまま計画的に行けば、順調な形で入れるかなと思います」

期待される初タイトル獲得

加藤「今の練習は、どのような感じかな?」

小松崎「レースに合わせていますが、基本的には泉崎のバンクに入って、若い選手と練習しています」

加藤「泉崎には若手も結構いるの?」

小松崎「はい。人数は結構いるので、練習してもらっています」

加藤「北日本地区の年下の選手で、期待している選手は?」

小松崎「たくさんいますね。まず、自分より全然格上ですけど、新山響平あたりは、良い思いをしてほしいと思っています。あとは同県の高橋晋也。もう一息ですけど、頑張ってほしいですね」

加藤「と、聞いてみたけれど、僕自身が一番報われてほしい北日本の選手は、小松崎選手だからね。他地区で勝手に見ている意見ではあるけれど、小松崎選手は、すべてを積み重ねてきて、今の位置があるイメージ。格上の先輩たちの期待にも、すべて応え続けて、今がある。そして、やっと今、花が咲く時期だと思う。若手自力選手にも期待しているけど、まず小松崎選手にタイトルを獲ってほしいね」

小松崎「そうやって評価してもらっているのは、本当に嬉しいですね。少しずつ積み重ねてきたということに関しては、自信をもっていることでもあります。それに、先輩たちに鍛えてもらったからこそ、今があるので、感謝しています。最近は信頼してもらっているのか、レースでも任せてもらっていますね」

加藤「コメントを見ていても、慎太郎選手が一番信頼しているのが小松崎選手だって、何かわかるよね」

小松崎「ありがとうございます」

加藤「ちなみに、最近は練習以外のプライベート時間は?」

小松崎「趣味が本当にないんですよ(苦笑)。休みの日は、子どもたちと遊んだりするくらいですね」

加藤「Twitterを見ていると、お酒を嗜むのが趣味なのかなって?」

小松崎「趣味と言えば、趣味かもしれないですね。ウイスキーが好きなので、最近は買ったりしています。ただ、あまり飲みはしないですけどね」

加藤「慎太郎選手にも、もらっていたよね」

小松崎「はい。あれは高松宮記念杯の時ですね、けっこう高いお酒でした(笑)」

加藤「最後になるけど、寛仁親王牌への意気込みを含めて、ファンにメッセージを」

小松崎「いつもあたたかいご声援ありがとうございます。個人的にも何が何でもタイトルは獲りたいと思っていますので、寛仁親王牌でも自分の持ち味を出して、精一杯、頑張りたいと思っています。今後とも応援をよろしくお願します」

加藤「期待しています!!」

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(加藤慎平プロフィール)
1978年5月18日生まれ(44歳)、岐阜県出身。2005年12月に全日本選抜、KEIRINグランプリを制覇し競輪界の頂点に立った。この時の月額獲得賞金1億3千万円は競輪界レコード記録。2018年12月に現役引退後は様々な分野でマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「ペーちゃんねる」にて配信中。

(小松崎大地プロフィール)
1982年9月3日生まれ(40歳)、福島県。拓大紅陵高―千葉商科大学―四国アイランドリーグ・徳島インディゴソックス(05年~08年)。野球界から競輪界への転向を決意して、2011年1月に99期生として宇都宮競輪場でデビュー。2013年11月に玉野競輪場でS級初優勝、さらに2017年3月には大垣で記念初優勝を達成。今年は高松宮記念杯、オールスターとG1で2度決勝に進出している。

(P-Navi編集部)

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