【サマーナイトF特集】加藤慎平×松浦悠士(特別対談)

2022/07/13(水) 11:59

【サマーナイトF特集】加藤慎平×松浦悠士(特別対談)

【サマーナイトフェスティバル特集】
加藤慎平×松浦悠士(特別対談)

元競輪選手で現在は解説者として活躍している加藤慎平氏が、7月に玉野競輪場で開催されるG2レース「第18回サマーナイトフェスティバル」(7月16日~18日)に出場するトップレーサーに直撃! 今回はチャリレンジャーから、昨年のサマーナイトフェスティバル覇者である松浦悠士選手(SS・広島98期)が登場です。地元・中国地区でのビッグレースは、今回が初参戦。開催直前、松浦選手の心境に迫ります__。

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連覇のかかるサマーナイトフェスティバル

レース中の松浦悠士選手

加藤 昨年、優勝しているサマーナイトフェスティバル(以下、サマーナイト)だけど、松浦選手にとっては、どのように位置づけている?

松浦 毎年、楽しみな開催ですね。G1は気持ちをけっこう入れていかないと、最近は持たないのですが、サマーナイトは3日間、そしてナイター開催なので気持ちが高まります。すごく楽しい開催というイメージですね。

加藤 普段、走っている4日制と比べても、3日制はワクワク感が大きい?

松浦 大きいです。まず、初日が特選で、準決勝が確定しているのも大きいですね。もちろん、特選スタートだからというのはありますけど、勝ち上がり自体は厳しくない。他の特別競輪のように4日間で勝ち上がりが狭まっていくわけではないので、3走だけに集中していけばいいので。

加藤 ずっとS級S班として走っている松浦選手は、他のS級選手に比べると、ナイターを走る回数は少ないと思うけど?

松浦 ナイターでも、競輪祭とオールスターは6日制なので、正直、きついですよ。ただ、3日制や4日制なら、僕はナイターが歓迎です。

加藤 ナイターだと出走時間が20時台になることもあると思うけど、普段と感覚の違いもある?

松浦 そこは感じないです。暗くなると、スピード感が増すというのはありますけど、ナイターの方が食事も調整がしやすい面があると思っています。

加藤 なるほどね。そして、今年のサマーナイトは地元地区の玉野競輪場で開催されるけど、今年リニューアルオープンした玉野の印象は?

松浦 まずは宿舎が抜群に良いですね。あとは、お客さんとの距離が近いのも良いと思います。

加藤 宿舎が併設のホテルで個室だと、レース間の過ごし方も変わりそうだよね。かなりリラックスできる状況かな?

松浦 そうですね! かなりできると思います!

追加参戦だった福井記念を経て

加藤慎平さんのリードで会話が弾む

加藤 小松島記念(6月30日~7月3日)の後に、タイトなスケジュールで福井記念(7月7日~10日)に参加したけれど、これはすぐに決断したもの?

松浦 サマーナイトの前に試したいこともあったので、追加が来たら行こうとは思っていました。そうしたら小松島記念の後に電話がかかってきたので、「行きます!」と。

加藤 福井記念では、意外な事態(準決勝が悪天候で中止。抽選での勝ち上がり)になったけど、混乱はなかった?

松浦 自分も初めての経験でした。

加藤 松浦選手のレース(第10レース)の直前に、発走が遅れて、最後には中止になったんだよね。

松浦 そうですね。11と12レースは、10レースが走らないと始まらないので、心の準備ができると思いますが、10レースは急に雨が降ってきて、まず5分延長で、そこから延長が続きました。

加藤 最初は集中力を保てると思うけど、それが30分、40分と経過すると、散漫になってきたりした?

松浦 延長されるたびに、気持ちを入れ直していました。ただ、バンクも見ると、水も溜まっていたので、25分ほど延長されたあたりで、これは厳しいかな?という感じでしたね。

加藤 福井記念からサマーナイトまで中4日になるけど、調整は?

松浦 そこまで追い込んだ練習もする予定もないので、いつも通りに調整してという感じです。福井では自転車のセッティングを変えて、少し違うところを使ったので、筋肉痛がありました。身体のケアをしっかりして、あとは感覚を高めていきたいと思います。

絶対に優勝したいという思い

サマーナイトフェスティバル連覇に期待のかかる松浦悠士選手

加藤 さて、今年も上半期が終わって、現時点で賞金ランキングは4位。ここまで自分自身で振り返ってみると?

松浦 全く満足できていないですね。ランキング4位という意識も全くないです。

加藤 それは、勝てたと思うレースに勝てなかった、そういう思いから?

松浦 はい。今年前半戦の決勝では、悔いが残るレースが、かなり多いです。悔しいレースが続くことも悔しいので、賞金ランキング4位という感じもしないのだと思います。

加藤 毎年、聞かれることだとは思うけど、グランプリに向けて、目標としていたところは?

松浦 6月の高松宮記念杯競輪が勝負かなとは思っていました。だから、自分の中では、かなり残念ではあるのですが、アクシデントもあったので、何とも言えないですね。ただ、小松島記念で気づいたことが、福井で出来たことは良かったですし、これからが楽しみだなという思いはあります。

加藤 では、ここまでの半年と違い、自分の中での伸びシロを感じていると?

松浦 そうですね。むしろ、そこを見つけていくしかないと思っています。前半戦のままでは、いけないとは思っていますので。

加藤 数年前は松浦選手が到達していたところに、他の選手がなかなか到達できていなかったけれど、今は他の選手もバッと上がってきた印象がある。そういう変化は感じられる?

松浦 感じています。やはり若手のスピードがすごい。どんどん、スピード競輪が加速していっています。スピードという部分での脚力は、数年前からそう伸びてないというのが自分にはありますね。そのためにも、練習メニューも変えて、もっと自力が出るように、という思いでやっています。

加藤 最後になるけど、もちろん注目を集めるサマーナイトで、どんな走りを見せたい?

松浦 地元地区での初めて出させてもらうビッグレースなので、とにかく結果を残したい、1着を取りたい、という思いです。いつもは他地区でビッグレースを走っているので、その分、今回は自分の中でもかなり高ぶっています。絶対に優勝したいという思いがあるので、応援してもらえたらと思います!

加藤慎平が和やかに対談スタート

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(加藤慎平プロフィール)
1978年5月18日生まれ(44歳)、岐阜県出身。2005年12月に全日本選抜、KEIRINグランプリを制覇し競輪界の頂点に立った。この時の月額獲得賞金1億3千万円は競輪界レコード記録。2018年12月に現役引退後は様々な分野でマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「ペーちゃんねる」にて配信中。

(松浦悠士プロフィール)
1990年11月21日生まれ(31歳)、広島県。2010年7月に第98期生として熊本競輪場でデビュー。2019年の競輪祭でG1初優勝を果たすと、2020年にはオールスター競輪、昨年は日本選手権競輪を制して初のダービー王の称号も手にした。S級S班は今年で3年目。今回のサマーナイトフェスティバル(玉野)が地元・中国地区で出場する初のビッグレースとなる。

※掲載の選手写真は過去撮影したものを使用。(P-Navi編集部)

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