ツアー・オブ・ジャパン2022第2ステージ

2022/06/01(水) 14:58

ツアー・オブ・ジャパン2022第2ステージ

国際レース「三菱地所 presents ツアー・オブ・ジャパン2022(略称、TOJ)」は5月20日に第2ステージを迎え、総合優勝を決めるとも言えるクイーンステージ、富士山ステージが開催された。

この富士山ステージのコースは、F1などのカーレースが開催される富士スピードウェイの西ゲート前をスタートし、2020東京五輪ロードタイムトライアルに使用された13kmの公道部分を4周回した後に、激坂、ふじあざみラインを駆け上がり、富士山須走口五合目にゴールする。このふじあざみラインは、富士山五合目にアクセスするルートの中でも、もっとも勾配の厳しいルートであり、最高勾配は20%を超え、標高差1160m、平均勾配は10%に達する。


周回からふじあざみラインにアクセスする富士山ステージ


標高2000mの須走五合目に達する厳しいコースプロフィール

選手がスタートラインに並ぶ。ネイサン・アール(チーム右京)が、個人総合成績首位の証であるグリーンジャージを着用し、最前列に立つ。ポイント賞首位のブルージャージは、ランキング2位のベンジャミン・ダイボール(チーム右京)が繰り上がりで着用。この第1ステージで1−2フィニッシュを決めた2名は、富士山ステージにも強い自信を見せている。
山岳賞のレッドジャージは宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)が着用。U23首位のホワイトジャージは、繰り上がりで留目夕陽(日本ナショナルチーム)が着用し、最前列に並んだ。
コースの前半は、一般的なロードレースに近い性質のものになるが、あざみラインに差し掛かってからは、基本的に選手個人の登坂パワーで順位が付くものになり、ルートの厳しさから個人差も大きく、この後のロードレースでは挽回しにくい大きなタイム差が生じるため、このステージを制したものが、大会の総合優勝をも勝ち取るという展開が何年も続いている。

スタートアタックが決まり、渡邉歩(愛三⼯業レーシングチーム)、孫崎大樹(スパークルおおいた)、山本元喜(キナンレーシングチーム)ら、7名の選手が逃げ集団を形成。メイン集団に最大2分40秒のタイム差を開き、周回コースを先行した。
メイン集団はディフェンディングチャンピオンの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を擁する宇都宮ブリッツェンがコントール。阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が先頭に立ち、ひとりで淡々とメイン集団を牽引する。逃げ集団とメイン集団は3分にも迫るタイム差を開いたが、4周目に差し掛かると、ペースが上り、先頭との差は徐々に狭まり始めた。


街を走る集団

周回コースから小山町商店街を抜け、ふじあざみラインへと向かうが、このつなぎ区間で、メイン集団は一気にタイム差を詰め、ふじあざみラインの入り口では山本が先行、先頭集団はバラバラになってしまった。
宇都宮ブリッツェンやキナンレーシングチームが先頭に立ち、集団は選手を吸収していく。単独で先頭を走っていた山本元喜が粘ったが、残り7km地点で追走集団に吸収された。
フィニッシュまで6kmを切ったあたりで、チーム右京のネイサン・アールとベンジャミン・ダイボールが揃ってアタック。エンジンがついたような爆発的なスピードで、全ての選手をあっという間に置き去りにして行った。
この2名を追うことができたのは、昨年のこの大会を制した増田と、2位だったトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)のみ。
単独3位のトマ・ルバが決死の追走で、先頭の2名に25秒差まで詰めたが、先頭2名はルバの猛追を悟ると、抜群の登坂力でペースアップを図った。


先頭を走るベンジャミン・ダイボールとネイサン・アール(チーム右京)

ラスト2km地点で44秒とタイム差を広げ、前日とは逆に、ベンジャミン・ダイボールが先行し、富士山ステージ優勝を勝ち取った。
2位にはグリーンジャージのネイサン・アールが入り、チーム右京は2日続けての1‐2フィニッシュ。3位にはトマ・ルバが入った。


連日の1-2フィニッシュを決めたベンジャミン・ダイボールとネイサン・アール

優勝したベンジャミン・ダイボールは、「とてもハードなステージだった」と、このステージを振り返った。1-2フィニッシュを決めた喜びを語るとともに、「昨日、今日と、チームにとっては大成功の2日間だった」と、結果に満足していることを語った。「我々はとても強い
チーム」と自信をにじませ、この調子を続けてレースができれば、とインタビューを締めくくった。


グリーンジャージを守ったアールと山岳賞を獲得したダイボール。新人賞は宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)が守った

個人総合成績首位のグリーンジャージは、ネイサン・アールが守り、次点のチームメイト、ダイボールまでのタイム差は7秒。3位に付けたルバとの差は1分36秒開いており、総合成績の挽回は簡単ではないだろう。最終ステージは平坦の周回コースであるため、差が生まれにくく、挽回を志す各チームにとっては、現実的には、翌日の相模原ステージが最後のチャンスになった。

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【結果】ツアー・オブ・ジャパン2022 第2ステージ=富士山
1位/ベンジャミン・ダイボール(チーム右京)2時間33分18秒
2位/ネイサン・アール(チーム右京)±0秒
3位/トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)+55秒

【個⼈総合時間賞(グリーンジャージ)】
1位/ネイサン・アール(チーム右京)5時間37分33秒

【個⼈総合ポイント賞(ブルージャージ)】
1位/ネイサン・アール(チーム右京)25pt

【個⼈総合⼭岳賞(レッドジャージ)】
1位/ベンジャミン・ダイボール(チーム右京)18pt

【個⼈総合新賞(ホワイトジャージ)】
1位/宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)

【チーム総合順位】
1位/チーム右京

画像提供:ツアー・オブ・ジャパン組織委員会(P-Navi編集部)

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