2021/08/22(日) 10:26
自転車トラックレースJCL BANK LEAGUE 2021(以下バンクリーグ)の今季第2戦となる、JCLバンクリーグ2021・Round2名古屋ステージが8月14日、愛知県名古屋市の名古屋競輪場で開催された。
ナイターで開催されるバンクリーグ。第2戦は名古屋競輪場で開催された
残念ながら、新型コロナウィルスの感染が拡大し、無観客開催という形になったが、雨の中での熱戦は YouTubeでライブ配信された。
選手の入場もショーアップされる。場内は無観客だが、中継を見るファンに笑顔で手を振る
トラックレースといえども、参加するのはジャパンバイシクルリーグに加盟するロードチームであり、バンクリーグ独自の「3ポイントゲーム」と名付けた新しいスタイルのレースで競われる。1チーム3〜4 人が出走し、3点先取したチームが勝利となる2チーム対戦型のレース形式。選手の入場もショーアップされ、華やかで、わかりやすく、観て楽しめるエンターティンメント性を高めた大会になっている。
名古屋ステージでは、前戦に引き続き、スパークルおおいた、キナンサイクリングチーム、ヴィクトワール広島に加えて、那須ブラーゼン、さいたまディレーブ、レバンテフジ静岡が出場した。予選では出場6チームを2グループに分け、各グループ3チームによる総当たり戦を行い、続いて両グループ勝者が挑む決勝戦が行われる。
ホームチームであるキナンサイクリングチームは連勝で決勝進出を決めた
予選を順当に勝ち上がったスパークルおおいたレーシングチーム
グループAはホームチームとして、気合い満点のキナンサイクリングチームが初戦で2チームを下して連勝し、早々に決勝へ進出。グループBは、連勝を狙うスパークルおおいたレーシングチームが2戦目より登場、ストレートで決勝進出を決めた。
愛知の競輪選手会のメンバーがエキシビジョンレースに臨んだ
名古屋ステージでも、前回同様にエキシビションレースが開催され、地元競輪選手会によるチームと、JCL選抜チームが対決した。トラックレースは競輪チームに有利といえども、レース形式はこのリーグ独自の3ポイントゲームである。競輪チームはデビューしたばかりのフレッシュな若手3人に、50代の大ベテラン選手を加えた布陣で臨み、JCL選抜は決勝に出場しない選手たちで構成された。
序盤は1-1の接戦に。だが、ここから競輪チームが本気を見せる。選手2人で抜け出しに成功し、後半2ポイントを連取して、競輪チームが勝利を収めた。
エキシビジョンレースを終え、いよいよ決勝戦だ。
決勝戦のスタートを待つ2チーム。緊張感が漂う
雨の中の決勝戦
キナンはロードのJCLリーグ戦でも好調を保っているが、ここ名古屋のホームチームであり、トラックレース専門の選手も抱え、昨年のバンクリーグ名古屋ステージでは見事優勝を飾っている。スパークルおおいたは、国内屈指のスプリンターとスピードマンを集めたチームであり、スピードを競うレース形式では、圧倒的なチーム力を持つ。大分での初戦を制しており、この第2戦でも強さを見せつけながら勝ち上がってきた。決勝は、地元チームとスピードマンチームのプライドのぶつかり合いになることことが予想された。
レース序盤は、新城雄大(キナンサイクリングチーム)と孫崎大樹(スパークルおおいた)が2人で抜け出して1対1に。この競り合いに勝った孫崎が2ポイントを連取して、スパークルおおいたが優勢となった。
前節の勝者スパークルおおいたが優勢となるが、落ち着いて勝機を狙うキナンサイクリングチーム
運命の3ポイント目は集団でのスプリントとなり、スパークルおおいたのエーススプリンター沢田桂太郎がきっちりと獲得、3ポイント連取したスパークルおおいたが連勝を決めた。
期待に応え、決勝点となる3ポイント目を勝ち取った沢田桂太郎(スパークルおおいた)
スパークルおおいたは2連勝を決め、各チームが2戦ずつ出場する今季のJCLバンクリーグのシリーズ優勝も決定した。
2戦を連勝し、今季のシリーズ優勝も手中に収め、喜びに酔いしれるスパークルおおいた
キャプテンの黒枝咲哉は「地元の大分に引き続き連勝でき、流れを持って来られたのでうれしい。これからまたJCLのロードレースが続くので、そこでまたスパークルの名前を呼んでもらえるよう活躍したい」と、喜びを語った。
今季のJCLバンクリーグは第3ラウンドの宇都宮ステージが最終戦。今季3戦のみでの開催であるが、ロードのリーグ戦とはまた異なる新たな「熱」を生む見応えのある新しいレース。本年は、最終戦も無観客開催とならざるを得ない状況であるが、これからの発展を大いに期待して、見守りたい。
画像提供:一般社団法人ジャパンサイクルリーグ
JCL BANK LEAGUE
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バンクリーグ開幕戦レポート(P-Navi編集部)