JCLロードレースツアー2021第4戦レポート

2021/08/05(木) 17:41

JCLロードレースツアー2021第4戦レポート

「三菱地所 JCL ロードレースツアー2021」の第4戦「広島トヨタ広島クリテリウム」が7月11日に開催された。この日も会場となった広島市西区商工センターの特設コースには、徹底した感染対策が施されながら、許可された多くの観客が見守る中、激しい戦いが展開された。


観客を入れ、一般公道で開催された広島トヨタ広島クリテリウム

スタートラインには、各リーダージャージを着た首位の選手が並ぶ。前日の広島ロードレースで各賞首位が入れ替わり、個人総合首位のイエロージャージとスプリント賞のブルージャージは、前日勝利を上げた新城雄大(キナンサイクリングチーム)が着用。そして山岳賞のレッドジャージは山本元喜(キナンサイクリングチーム)が、新人賞のホワイトジャージは宇賀隆貴(チーム右京 相模原)が、それぞれ獲得している。この日のブルージャージは、繰り上げで次点の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が着用した。

この日に使用するのは、1周1.7kmの小さな周回コース。180度コーナーが1周に3つ含まれ、直線の加速から、コーナーでのスローダウンが必要になり、再度スピードに乗せていくことになる。この繰り返しが、選手たちの体力を奪っていくことになるだろう。レースはこのコースを30周する、51kmの設定で競われる。距離は長くないが、タフな戦いになることが予想された。


各賞ジャージ、ホストチームのビクトワール広島がスタート最前列に並ぶ

ホストチームである地元・ビクトワール広島の選手がリーダージャージとともに最前列に並ぶ。気温は30度を超え、照りつける日差しの中でレースがスタート。
リアルスタート後、アタック合戦が始まった。


リアルスタートまで観客の前でパレード走行をする集団


難所180度ターンが1周に3箇所含まれる

6周目に小石祐馬(チーム右京 相模原)、本多晴飛(VC福岡)、西尾勇人(那須ブラーゼン)の3名が抜け出し、先行に成功した。


集団を抜け出した小石祐馬(チーム右京 相模原)、本多晴飛(VC 福岡)、西尾勇人(那須ブラーゼン)


メイン集団はスパークルおおいた、宇都宮ブリッツェンが先頭に立ちコントロール

メイン集団は、クリテリウムを得意とするスプリンター小野寺を抱え、リーダージャージを取り戻したい宇都宮ブリッツェンと、スプリンターを多く擁し、クリテリウムでは、なんとしても勝利をもぎ取りたいスパークルおおいたレーシングチームとが先頭に立ち、コントロールを始めた。逃げる3人は協調体制で、メイン集団と20秒から最大30秒程度の差で周回を重ねていく。
レースはこのまま展開して、8周目、16周目、24周目に設定された周回賞は、この3名が順番に1位通過し、ポイントを獲得した。


ビクトワール広島の阿曽などが追走の意思を見せ始める

ゴールが見えてきた集団は一定ペースで走り、先行する3名を吸収するタイミングを測る。スプリンターで勝負できるチームと、抜け出しを図り、少人数でゴールに持ち込みたいチームとの思惑が交錯する。

先行3名と集団とのタイム差が狭まってくる。先頭から西尾が脱落、2名になり、タイム差も10秒まで縮まった。


2名になっても全力で逃げ続ける小石、本多

ここでスプリント勝負を嫌うキナンサイクリングチームが動きを見せる。全員が集団前方に上がり、ラスト3周のタイミングで、ここから山本元喜、大喜が先行する2名に追いついたのだ。


スプリント勝負を嫌うキナンが前方に上がってきた


逃げ続ける小石に山本元喜・大喜兄弟(キナンサイクリングチーム)が加わった

先頭からは本多が脱落し、小石、山本元喜、大喜の3名の集団に。だが、集団はこの実力者3名の先行は許さなかった。3名を一気に吸収、ラスト2周で、レースは振り出しに戻った。
ここまでの展開で多くの選手が遅れ、メイン集団は17名にまで絞り込まれていた。ゴールまで3㎞を切り、ゴールスプリントへの位置取りが本格化していく。


絞り込まれた先頭集団

ラスト1周に入り、最初の180度コーナーに前から3番目で突入した優勝候補の1人、小野寺が落車。ここに絡み、同じくスプリンターの小山智也(チーム右京相模原)も落車し、ともにゴール勝負から脱落してしまう。
レースは最終局面へ。キナンからは、トマ・ルバが中島康晴(ともにキナンサイクリングチーム)を牽引し、トップで最後の600mの直線へ差し掛かる。このあとには金子大介(那須ブラーゼン)が続いた。


会心のスプリント勝利をあげた沢田桂太郎(スパークルおおいた)

集団後方から石原悠希(チーム右京 相模原)がロングスプリントをかけ始める。スプリンターチーム、スパークルおおいたからは、沢田桂太郎がこの後ろにつけ、スプリントを開始。爆発的な加速で先頭に出ると、誰も寄せ付けないスピードでフィニッシュラインを越えた。2位には中島、3位には金子が入った。


初勝利の歓喜に湧くスパークルおおいた

スパークルおおいたは、今年結成されたばかりの新生チーム。スピードのある選手たちが加入し、話題になった地域密着型チームだ。表彰台は経験してきたものの、JCL初勝利をもぎ取り、チームからは笑顔があふれた。


笑顔の表彰台

最後まで先頭で粘った小石がこの日の敢闘賞を獲得。リーダージャージは、個人総合とスプリント賞は新城が、山岳賞は山本が守った。新人賞は、前日の結果でホワイトジャージを奪われたものの、この日先頭3名に入り、果敢に攻め、13位でゴールした本多がジャージを取り返した。


リーダージャージを守った新城と山本、奪還に成功した本多


入賞者には賞金が贈られた。優勝賞金を受け取る沢田

優勝した沢田は「スプリント勝負に向け、チームメイトが序盤から動いてくれて、チームとして機能していた」とレースを振り返る。ラスト最終コーナーから600mの直線に関しては「遠い」と感じたが、先行した他の選手を目当てにしながら「自分がイメージした通りに走れた」と語った。次は地元大分での開催ということで、次戦への抱負とメッセージでインタビューを締めくくった。

次に控える第5戦は、8月8日に大分のオートポリスを会場とし、開催予定の「コーユーレンティアオートポリスロードレース」。
JCLがバンクリーグも主催することがアナウンスされ、別府競輪場を舞台とする8月6日に「JCL BANK LEAGUE 2021」の「Round1 大分ステージ」が「コーユーレンティアオートポリスロードレース」と連続した形で開催されることになった。

この週末の大分がどのような盛り上がりを見せるか、楽しみだ。

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【結果】三菱地所JCLロードレースツアー2021第4戦
広島トヨタ広島クリテリウム 51㎞ 平均速度 37.12km/h
1位/沢田桂太郎(スパークル大分レーシングチーム)1:22'25"
2位/中島康晴(キナンサイクリングチーム)+0'01"
3位/金子大介(那須ブラーゼン)+0'01"
4位/鈴木龍(レバンテフジ静岡)+0'02"
5位/新城雄大(キナンサイクリングチーム)+0'02"
6位/石原悠希(チーム右京相模原)+0'03"

【イエロージャージ(個人ランキングトップ)】
新城雄大(キナンサイクリングチーム)

【ブルージャージ(スプリント賞)】
新城雄大(キナンサイクリングチーム)

【レッドジャージ (山岳賞)】
山本元喜(キナンサイクリングチーム)

【ホワイトジャージ(新人賞)】
本多晴飛(VC福岡)

※リーダージャージ名変更(賞内容は変更なし)

【地元特別表彰】
サイクルショップカナガキ 周回賞(8周回目)小石祐馬(チーム右京 相模原)
良和ハウス 周回賞(16周回目)本多晴飛(VC福岡)
広島トヨタ 周回賞(24周回目)⻄尾勇人(那須ブラーゼン)
PAL動物病院 敢闘賞 小石祐馬(チーム右京 相模原)

画像提供:JCL ロードレースツアー(株式会社ジャパンサイクルリーグ)
三菱地所 JCL ロードレースツアー2021公式サイト 

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【過去のレポートはこちらから】
JCLロードレースツアー2021第3戦
JCLロードレースツアー2021第2戦
JCLロードレースツアー2021開幕戦(P-Navi編集部)

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