Jプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース5月大会」

2021/06/27(日) 11:25

Jプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース5月大会」

JBCFサイクルロードシリーズのJプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース5月大会」が5月15日、群馬サイクルスポーツセンターで開催された。JBCFサイクルロードシリーズの中には5つの開催カテゴリがあるが、今回は最上位のJプロツアーと、その下に位置するJエリートツアーのなかで最もレベルの高いE1クラスタの選手たちが混走する交流戦という形のレースとなる。距離は6kmサーキットを22周する132kmの設定だ。この日は、時折霧雨が降り、サーキットはひんやりとした空気に包まれていた。


スタートを待つ選手たち。赤いJプロツアーリーダーのホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、白いU23のリーダージャージが湯浅博貴(EQADS)。Jエリートツアーのリーダージャージもこの最前列に並ぶ

Jプロツアー首位を示す赤いリーダージャージはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、白いU23首位のネクストリーダージャージは湯浅博貴(EQADS)が着用。Jエリートツアーでは、リーダージャージは松木健治(VC VELOCE)、U19リーダーは川田翔太(ボンシャンスACA)が着用している。


霧雨の中、レースがスタートした

レースがスタートし、数名の選手が飛び出した。ここから単独で先行した留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)に、沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)、白川幸希(CIEL BLEU KANOYA)、小林弘幸(LEOMOBellmare Racing Team)の4名が合流、先頭集団を作った。5名は順調に周回を回り、5周目にはメイン集団に約1分差をつける。


集団を飛び出し、形成された5名の先頭集団。後方に追走の2名が

7周目に入ると、Jプロツアーで今季も圧倒的な存在感を見せているフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)と、大町健斗(eNShare レーシングチーム)が追走を始め、若手選手をメインに構成される先頭集団に合流する。


積極的に動いたJCF強化指定選抜チーム

ここに加わろうと石上優大(JCF強化指定選抜チーム)が追走を試みたが、合流は叶わず、メイン集団に戻った。差は1分30秒前後まで開く。後半に入り、シマノレーシングと愛三工業レーシングチームが集団前方に集まって牽引を開始、ペースアップを図り、先頭集団との差を縮めていった。


愛三工業レーシングチームとシマノレーシング(ともに青色のジャージ)がメイン集団の先頭に立ち、ペースアップを図る

先頭集団では、マンセボがペースアップ。先頭集団は人数が絞り込まれていき、16周目に入るころには、集団はマンセボと大町の2名になってしまう。


選手たちを振り切って独走するフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)

マンセボはついに大町も振り切り、単独で先行するが、メイン集団はその後も差を縮め、19周目にマンセボを捕らえた。残すは2周。JCF強化指定選抜チームのメンバーが積極的に攻撃を仕掛けるが、勝負を決定付けるものにはならない。


JCF強化指定選抜チームを中心に攻撃が相次ぐ

このままレースは最終周回になだれ込む。ここで小林海(マトリックスパワータグ)、伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)、木村圭佑(シマノレーシング)ら5名が先行。最後の心臓破りの上りで小林がアタック。だが、決定打にはならず、ここに再びマンセボが合流。さらには山本哲央(TEAMBRIDGESTONE Cycling)、中井唯晶(シマノレーシング)らも合流した。この日の優勝は、この集団の中のスプリント勝負で決することとなった。


上りでアタックする小林海(マトリックスパワータグ)


決戦は大ベテランマンセボと若手・山本哲央(TEAMBRIDGESTONE Cycling)のスプリントに

先行するマンセボと山本。だが残り50mを切ったところで、スピードを誇る若手、山本が一気に伸びる。24歳年上のマンセボは、並ぶ山本を見て、踏み止めたという。山本はこのままマンセボを下し、Jプロツアー初優勝を飾った。


Jプロツアー初優勝を決めた山本

TEAM BRIDGESTONE Cyclingは、香港で開催されたトラックのネイションズカップに橋本英也、窪木一茂、今村駿介らを派遣しており、若手選手でメンバーを構成していたが、前戦の窪木一茂の優勝に続き2連勝を決めた。


Jプロツアーの表彰式。3位には木村圭佑(シマノレーシング)が入った


このレースの勝利でネクストリーダージャージも手に入れた山本

山本は中央大学在学中の今季チームに新加入した2000年生まれのニューフェイス。トラックとロードの両方を走っており、少人数での競り合いを得意としているという。この勝利で今後の可能性を国内に示すことになった。山本は「得意なロングスパートを制することができた」喜びを語っていた。


リーダージャージの表彰。赤いジャージはトリビオ、白のネクストリーダージャージは山本の手に


堅実な走りでリーダージャージを守ったトリビオ

終始メイン集団の中に残り、堅実な走りをし、メイン集団の前方でフィニッシュしたトリビオがプロリーダージャージを守り、ネクストリーダージャージはこのレースの勝利で獲得したポイントにより、山本に移ることになった。
混走という形になったエリートツアーのE1クラスタでは、メイン集団でフィニッシュした寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)が最高位(12位)。リーダージャージを着る松木健治(VC VELOCE)も、メイン集団内でフィニッシュし、リーダージャージを守った。
6月に開催予定だった福島の古殿ロードレースは福島県内の新型コロナウィルスの感染状況から中止が決まり、6月の全日本選手権も秋への延期が決定。7月以降に関しては、現状では多くの大会が開催予定になっており、今年度中には、レーススケジュールのある程度の復活が期待できそうだ。

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【結果】群馬CSCロードレース5月大会  JPT+E1 132km
1位/山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)3時間15分6秒
2位/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)+0秒
3位/木村圭佑(シマノレーシング)+0秒
4位/中井唯晶(シマノレーシング)+0秒
5位/門田祐輔(LEOMO Bellmare Racing Team)+1秒
6位/伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+2秒

【敢闘賞】
大町健斗(eNShare レーシングチーム)

【中間スプリント賞】
1回目/大町健斗(eNShare レーシングチーム)
2回目/対象者なし
3回目/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)

【Jプロツアーリーダー】
ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)

【U23リーダー(ネクストリーダージャージ)】
山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)(P-Navi編集部)

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