東日本ロードクラシック群馬大会 Day-2

2020/11/10(火) 16:36

東日本ロードクラシック群馬大会 Day-2

国内リーグ戦JBCFシリーズの中、プロチームが参戦する最高峰リーグの『Jプロツアー』。正式な開催としては今季初となる『東日本ロードクラシック群馬大会』はステージレースのように3日間の連続開催という異例の形でスケジュールが設定された。7月24日に開催された2日目のDay-2はサーキットを10周する60kmのショートレース。前日のちょうど半分の距離であり、また、違うレース展開が予想された。


前日の優勝者・山本元喜がリーダーの証であるルビーレッドジャージを着てスタートラインにつく


雨が降り始めたサーキットでレースがスタート

スタートラインに選手たちが並ぶ。リーダーの証であるルビーレッドジャージを着て、最前列に立つのは前日のレースを制した山本元喜(キナンサイクリングチーム)だ。号砲が鳴り、選手たちが飛び出していくが、新型コロナウィルスの感染予防のため、観客の入場は認められず、選手たちの背中を押す声援も拍手もない。
レースは1周目から8分10秒台のハイスピードの展開。天候が優れず、スタート前に降り始めた雨は次第に強くなっていき、路面はウエットな状態に。サーキットは息もつけない緊迫した空気に包まれた。


レース序盤から数名が抜け出し、5名の先頭集団を形成

激しいアタックの掛け合いから山本大喜(KINAN Cycling Team)ら、5名が抜け出し、30秒前後の差をつけて先行する。
メイン集団の先頭には宇都宮ブリッツェンのメンバーらが位置し、逃げ集団との差が30秒以上に開かないようコントロール。


キンテロがブリッジをかけ、8名の集団が形成された
有力なメンバーも含まれ、緊張感が高まる


リーダージャージを着た山本元喜も先頭集団に入り、連勝を狙う

5周目に入り、差が10秒に縮まったところで、今季からチームに加入したベネズエラ国籍のレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)がメイン集団から飛び出した。ここに西村大輝(宇都宮ブリッツェン)、赤いリーダージャージを着る山本元喜(KINAN Cycling Team)、同じく3位に入った織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)、西村基(レバンテフジ静岡)らが加わる。冒頭から逃げていた山本大喜、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)が食らいつき、計8名の集団に。海外経験の豊富な西村や伊藤、前日に調子の良さを見せた山本、織田らが入り、かなり有力なメンバーだ。


集団を揺さぶるべく、アタックをかけるキンテロ(マトリックスパワータグ)

キンテロは登坂力を活かし、心臓破りの坂でアタックを繰り返すが、決定的な動きにつなげられず、8名集団を揺さぶることができない。メイン集団は変わらず、宇都宮ブリッツェンが鉄壁のコントロールを行い、タイム差は25秒程度にキープされたままレースが進んでいく。


レースは序盤から宇都宮ブリッツェンが強力にコントロール


キンテロは上り区間でアタックを繰り返す

ブリッツェンは西村を先頭集団から下ろし、メイン集団の牽引に加え、さらにペースアップ。最終周回にはタイム差を一気に縮め、先頭集団を吸収した。


増田は先頭に立ち強力に集団を牽引、ペースアップ

最後の心臓破りの坂で増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が集団の先頭に立ち、強力に牽引を開始。ブリッツェンのメンバーが先頭を占めた状態で最終コーナを回る。

大前翔、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、横塚浩平(チーム右京)らが迫ったが、ブリッツェンのスプリンターたちは先頭を譲らず、鈴木龍を先頭に、大久保陣、小野寺玲の順にフィニッシュラインに飛び込んだ。なんと宇都宮ブリッツェンはレースをコントロールし、1~3位を独占するという完全勝利を成し遂げた。


表彰台を独占する宇都宮ブリッツェン


U23のリーダーは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がキープ

鈴木龍は「逃げをいかせて、集団をコントロールし、最後はスプリントで勝つというチームの作戦の通りにレースが進んだ」と、レースを振り返るコメント。
一気に距離が伸びる最終日に向けては「攻めるところは攻め、臨機応変に戦っていきたい」と、抱負を語った。

ツアーのリーダーは鈴木龍に移ったが、U23のリーダーは織田が守った。
敢闘賞は果敢にアタックを繰り返し、レースを揺さぶったキンテロが獲得。

【結果】Jプロツアー第2戦 東日本ロードクラシックDay-2 60km

1位 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) 1時間24分39秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4位 大前翔(愛三工業レーシングチーム)
5位 横塚浩平(チーム右京)
6位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)

【敢闘賞】
レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)

【中間スプリントポイント】
3周回、6周回 山本大喜(キナンサイクリングチーム)

【Jプロツアーリーダー】
鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)

【U23リーダー】
織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟 (JBCF)(P-Navi編集部)

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