2020/09/24(木) 17:51
今年はコロナ禍の中で「3密」を避けられる自転車移動する人間が増えている。移動手段にしても、サイクリングやフィットネスを楽しむにしても、この時期の敵と言えば__まだ残る暑さと降り注ぐ紫外線だ。近年は紫外線によるダメージの大きさが分かり、肌のダメージを気にする女性だけでなく、男性も子供たちも紫外線ケアをする必要性があるという認識が広まってきている。今回の記事では自転車に乗る際の紫外線ケアについてお伝えしたい。。
※暑さ対策に関しては、熱中症対策の記事をお読み下さい。
紫外線は敵?味方?
紫外線とは太陽から発せられ、地上に到達する光の一種で、波長種によりA領域(波)とB領域(波)に分類される。人体は紫外線に当たることで、食物からは摂りにくいビタミンDを作り出すことができる。かつて日焼けは健康の象徴とされていたが、影響の強い紫外線を吸収していたオゾン層の破壊が進むと、人体にとって有害な紫外線が増幅してしまい、健康被害の危険が叫ばれるようになったのだ。これまで積極的に紫外線を浴びていたヨーロッパ諸国でさえも紫外線対策を行うようになっている。
もちろん、適度な紫外線は健康に結びつき、浴びた方が良いのだが、過度の紫外線を浴びると火傷と同様の炎症になったり、肌にシミやソバカスなどの美容上のダメージが出てしまったりする。それだけでなく、人体に様々なマイナスがあることが分かってきた。
スポーツで言えば日焼けは疲労を増幅させ、パフォーマンスを落としてしまう。現在は男性を含め、屋外競技のプロの選手たちも紫外線対策を行っている場合が多い。
日焼けは疲労をも引き起こす
さらに深刻なダメージもある。過度の紫外線を浴び続けてしまうと、皮膚がんなどのリスクも生まれてくる。紫外線が皮膚の細胞の遺伝子を傷つけてしまうのだ。皮膚だけでなく、目へのダメージがあることも分かってきている。角膜に過度の紫外線が当たると炎症を起こし、これが蓄積されると目の細胞を破壊、白内障などの病気にも繋がってしまう。
ちなみに夏に外遊びを楽しむ子供たちも多いと思うが、子供の皮膚は薄く、成長過程にあるがゆえに大人より紫外線のダメージも深刻になりやすいという。子供の頃から多くの紫外線を浴びる程、紫外線の悪影響は強まるという研究もあるそうだ。
長時間でなければそれ程までに神経質になる必要はないが、年齢性別に関わらず、紫外線ケアについて心得ておいた方が良いだろう。
紫外線ケアに優秀なサイクルアパレル
紫外線ケアの基本は覆うこと。機能素材の専用ウェアは汗を速やかに吸収して乾くだけでなく、紫外線をカットする素材を使っているものが増えている。サイクルアパレルでは太陽光を遮蔽(しゃへい)し、衣服内の温度の上昇を抑える素材も登場。自転車(ロードレース)はレースやトレーニングでも長距離、長時間のものが多いのだが、サイクリングや観光など楽しみのために乗る場合だと休憩や飲食を含め、屋外にいる時間が極端に長くなる。紫外線の影響も受けやすくなるために、紫外線対策アパレルやグッズのニーズが高い。気温が高い時期に全身を覆うのは辛いと思われるかも知れないが、逆に覆う方が快適になるという程に進化しているのだ。
サイクルジャージなどを着る場合、腕はアームカバーを使うか、長袖のインナーを下に着る場合が多い。長袖インナーには身頃部分がメッシュになっているなど、暑さの中でも快適に着られる工夫が施されている。休憩場所や室内で外す場合、フルに1日は着けないならば脱着可能なアームカバーがオススメだ。
コールドシェイド ロングスリーブ パールイズミ 7,500円(税抜)
5サイズ展開、両袖部分に太陽光を遮蔽して衣服内温度の上昇を抑える「コールドシェイド」を、ボディーには汗を素早く吸収してベタつかない「クールフィットドライ®」を使った夏用の日焼け防止ロングスリーブアンダー
メンズ(左)、レディース(右)
コールド シェイドアームカバー パールイズミ 4,000円(税抜)
「コールドシェイド」使用のアームカバー、4サイズ展開
確実に日焼けを防ぐにはグローブも手首までシッカリ覆うタイプが安心だ。特にロードバイクに乗るならば指先の出たハーフタイプのグローブの方がレバー操作が確実であり、スマートフォンなども使いやすく便利。しかし、露出した第一関節部分だけが日焼けしてしまうことになり、女性や男性も職業によっては問題が生じてしまうことがあるようだ。指先のみが露出するように設計されているタイプを選ぶと良いだろう。
アンバウンドグローブ パールイズミ
女性用 3色・4サイズ展開 4,500円(税抜)
指〜手首までを覆い紫外線からガードするが、操作しやすさはキープ
サイクルショーツで日焼けすると、ショーツは肌に密着し、動かないため、ショーツとソックスの線で日焼けの跡がクッキリと残り、大人としては少々違和感のある色味になってしまう。女性は特に注意したい。日差しの強い日は膝上部分を炎症に近いレベルで日焼けすることもあり、日焼けを厭わない人であっても最低限のケアはしたいところだ。夏季もフルレングスの長タイツは人気があるが、終日覆う必要まではないならば脱着可能なレッグカバーも選択肢になる。早朝や夕方の気温が低い時間帯やアップダウンコースの下り坂などは膝を冷やすことがあるので、冷え予防も兼ね、携帯するサイクリストも多い。前傾姿勢で乗る自転車は背面からの紫外線も受けるため、意外と膝の裏なども日焼けしてしまうので注意しよう。
日焼けを気にしないという人でも炎症にならないように
スタート前に日焼け止めを塗るなど、最低限のケアを!
(左)コールド シェイド タイツ パールイズミ
男性用13,800円(税抜) 男性4サイズ 展開
女性用13,000円(税抜) 女性3サイズ展開
「コールドシェイド」使用のタイツ、足首焼けまでをしっかりガードする長めの「トールサイズ」もオススメ
(右)コールド シェイド レッグカバー パールイズミ 6,500円(税抜)
男性用4サイズ、女性用3サイズ展開
「コールド シェイド」を使用した レッグカバー
裏側はメッシュで通気性確保、滑り止め付き
注意したいのが頭部と首筋だ。少し前傾になることもあり、頭から首筋に掛けて、大量の太陽光線が注ぎ込むことになるが、頭はヘルメットで守られるものの、服装によっては首筋がむき出しになってしまう。首筋や後頭部に直射日光が当たると、紫外線による皮膚のダメージに加え、もっと深刻な影響が発生しかねない。脳に向かう血液が温められ、脳幹に熱が伝わりやすく、熱中症を起こしやすくなる。もしも脳幹がコントロールを失えば、命の危険にも直結してしまう。暑い時期のライドは必ず頭部と首筋をケアしたい。
頭部は安全のためにもヘルメットを着用することを強く推奨するが、ヘルメットを被ることは紫外線ケアにも繋がってくる。ベンチレーション機能に優れたものが快適だが、ベンチレーションの穴からも紫外線は注ぎ込んできてしまう。頭皮が大量の紫外線を受けると、毛根にも影響があり、髪にもダメージを与えてしまう。紫外線対策をするのであれば、インナーキャップを着用すると良いだろう。ひさしの大きなものであれば額、こめかみもガードすることができる。
DONNA INNER CAP KOOFU ¥2,200(税抜)
大きめのツバがしっかり紫外線をカットするインナーキャップ
雨対策、ヘルメットによるヘアスタイルの乱れ隠しなどにも使えると好評
首のガードにはネックカバーがオススメだ。ここに鮮やかな色を持ってくることで、ファッションの挿し色にもできる。ネックカバーはコロナ対策でも注目されたが、いざという時、上部を鼻まで持ち上げれば、簡単なマスク代わりにもなり、自分からの飛沫を防ぐエチケットとしても活用できる。
ネックゲイター サンボルト 完全入稿プラン1,800円(税抜)
首だけでなく、コロナ感染予防対策に口を覆うこともできることで注目が高まったネックカバー
オリジナルウェアを作成できるブランドにはオリジナル柄で作成できる商品も登場
Tシャツなど、襟のない衣類では首と背中の繋ぎ目が露出してしまう。真夏の晴天下のライドであれば後ろが高いサイクルジャージやポロシャツなど、後ろ襟があるトップスを選んで乗ることを強くオススメしたい。
サイクルプリントジャージ パールイズミ 10,800円(税抜)
3色・3サイズ展開
最高水準の紫外線カット素材を用いて作られている
襟が高くなっており、首まで紫外線をガード
また、守らねばならない目にはアイウェアを使おう。自転車用のものは紫外線をカットするレンズが使われており、視界を確保するため、レンズはサイドまで顔に沿う形になっている。近年、人気の高いシールドタイプはよりシッカリ目の周りも紫外線からガードしてくれる。
101 Kabuto 4色展開(フレーム)10,000円(税抜)
コントラストを高め、路面状況などの視認性も向上
自然な色合いも損なわないように配慮された新しいタイプのハイコントラストレンズを採用した次世代アイウェア
レンズの紫外線透過率は0.1%以下、替レンズ1組付き
VITT Kabuto 11色展開 13,000円(税抜)
空力性能の高いシールド付きヘルメット
アイウェアを装着する必要がなく、紫外線カット率99%以上のシールド
シッカリ目とその周辺からこめかみまでを覆ってくれるため、UVケアとしても優秀
フィット感を高めながら、コンパクトな設計でビギナーにも被りやすい
日焼け止めという選択肢
サイクリングのように運動の要素があり、大量の汗をかく場合は衣類などで覆うことが基本になるのだが、それでも露出する部分には日焼け止めを使うことになる。多少の日焼けは問題ないという場合でも、ひどい日焼けを起こし、炎症のように赤くなったり、疲労のダメージが残ったりしないようにスタート前には最低限の日焼け止めは使うという人が多いようだ。
露出する絶対に日焼けしたくないという女性などはフェイスガードを使うこともあるが、見た目の重さや着用のストレスもあり、日焼け止めやファンデーションを使ってガードする方が多いようだ。
UVフェイスカバー パールイズミ 2色展開(ユニセックス)3,800円(税抜)
絶対に日焼けできない人に人気、目から下をバッチリガード
ずり下がりを防ぐ耳掛け付き、口元は開閉可能で呼吸を妨げない
日焼け止めを選ぶうえではいくつかのポイントがある。まずはガード力の強さだ。日焼け止めがカットできる紫外線には2種類あり、肌の奥の真皮にも達し、肌内部に活性酸素を作り出すとも言われるA波。そして、肌の表面を赤くする炎症を起こすB波がある。A波は比較的通年、降り注いでいるのだが、B波は春〜夏にグッと、量が増える。俗に言う“夏の紫外線”で、肌を黒く日焼けさせるのはB波の方だ。
日焼け止めにはその強さが表示されているが、SPFという表示はB波をカットする具合を示したもの。紫外線B波による炎症をどのくらい長い時間防げるかという数値になる。PAという表示はA波に対する能力を示すものになり、4段階の「+」で表示される。屋外でサイクリングを楽しむような場合はSPF50のPA++++を選びたい。
ただ、日焼け止め自体の防止能力があっても、汗などに弱い製品は現実的に流れ落ちてしまい、効力を発揮して貰えない。よって「汗水に強い」「ウォータープルーフ」などの表示があるものを選びたい。これまで日焼け止めの敵は「水」であったが、近年は逆に汗や水分などに触れるとUVブロックの膜が強くなり、肌を守ってくれるという製品や物理的な摩擦への強さを謳う製品も出てきている。
(左)Athletic UV Gel シーラーデルソル 2,500円(税抜)
スポーツを楽しむ層向けのブランドがプロデュースする日焼け止め
ジェルタイプでつけ心地は軽いが、SPF50+/PA++++とガード力は最高水準
「エクトイン」を配合、うるおいをキープし1日中乾燥することがない
ベルガモットの香り付き、汗・皮脂に強いが、石鹸で落とせる
(右)サンスクリーン®スーパー オルビス 1,500円(税抜)
SPF50+・PA++++と最高水準の紫外線カット力を持ちながら、白浮きやべたつきなし
「美容液成分80%以上配合」と潤いにも配慮され、乾燥感もない
汗や海水に触れることでUVカット膜の強度がアップ!
こすれ耐性を持ち、ハンカチで汗をぬぐっても崩れにくい
スポーツシーンにも使えるコスメ系日焼け止め、石鹸で落とせる
サンスクリーン®パウダー オルビス 2色展開 1,620円(税抜/ケース別)
メイクの上からUVケアができる SPF50 PA++++のUVカットパウダー
汗・皮脂に強く、さらにウォータープルーフ!
レジャーシーンにも威力を発揮
保湿成分が配合され、冷房などの乾燥から肌を守ってくれる
特に顔の場合は汗や皮脂を吸収してくれる下地を使ったり、パウダーやスプレーを上から施したりと、ガードすることで、さらに崩れにくくすることができる。ボディーに関してもこれは同様で、男性にはパウダーを使うことは抵抗があるかもしれないが、ボディーパウダーを使うと良いだろう。
Top Athlete Sun Protect “Fighter” アグレッシブデザイン
62g入り3500/26g入り 2,300円(税抜)
ウォータープルーフを超える新発想の“汗(スウェット)プルーフ”
長時間の競技で汗を流し、塗り直せないアスリートのために開発された最強日焼け止め
重ね塗りをしておけば強力UVバリアコートが威力を発揮してくれる
「ともかく焼けない」とスイムを含むトライアスリートなどにも愛用者が多い
洗浄には専用のクレンジングオイルの使用が推奨されている
競技者向けの極めて落ちにくい日焼け止めも登場しており、アクティブに活動はしたいが、絶対に日焼けしたくないという人たちや水泳やトライアスロンなど屋外で水中に入るアスリートが好んで使用している。
肌細胞へのダメージを防ぐため、帰宅後は確実に日焼け止めを落とし、保湿し、肌をいたわりたい。落ちにくい日焼け止めは普通の石鹸では完全には落とせず、強いリムーバーを使う必要があるものも。日焼け止めを選ぶ際は落とし方も必ず確認しておきたい。
唇の皮膚は薄く、粘膜にも近いため、日焼けによるダメージが皮膚がんに繋がる可能性もあるとも言われている。男性にはリップクリームを塗る習慣のない方も多いのだが、屋外で長時間活動する際は紫外線からガードしてくれるリップクリームを使うようにしたい。女性には口紅の代わりに、ほんのりと色味のつくUVリップを使うと血色も良くなり、オススメだ。
(左)リップシーラー シーラーデルソル 2,500円(税抜)
微粒子紫外線散乱剤を配合したUVリップ
14種の美容成分を配合、シットリ潤い唇を長時間保湿
首からアクセサリー感覚で下げられ、こまめな塗り直しがしやすい
(右)リップサンスクリーン® オルビス 1,000円(税抜)
SPF22 PA++ UVカットと高保湿を実現したほんのり色づくリップクリーム
肌が弱く強い日焼け止めを使えない方、塗り直しが難しい場合、より確実に肌を守りたいという場合は「飲む日焼け止め」などと呼ばれ、夏の肌の健康をサポートしてくれるサプリメントを併用すると良いだろう。製品により成分や効き方、効果が持続する長さなどは異なるが、紫外線を浴びた際に体内で発生する活性酸素をコントロールしたり、肌のターンオーバーを早めたりして、肌に日焼けによる炎症やダメージを起こしにくくするという。摂取するものであるため、効き方に個人差は出るようだが、合う製品があれば全身をガードしてくれるため、グッと、安心感が上がる。
サンピリオド 2,000円(税抜)
オルビス【数量限定発売】
スペイン産のシトラスとローズマリーから抽出した「ニュートロックスサン®」
(長年に渡り研究が重ねられ、夏のケアとして多くの国で実績が認められている成分、抗酸化物質が豊富に含まれる)と、日差し対策で有名なPLエキス、美容成分ビタミンCをそれぞれ100mgずつ配合した紫外線に立ち向かうインナーケア
外出前に2錠を服用する(使用法は目安)
これだけシッカリ対策しておけばサイクリングもバッチリ!
当面は「3密」を気にしなくてはいけない状況が続きそうだが、1人でも気持ち良く身体を動かせる自転車で心身の健康をキープして欲しい。
画像:編集部
株式会社オージーケーカブト(Kabuto, KOOFU)
オルビス株式会社(オルビス)
サンボルト株式会社(サンボルト)
株式会社パールイズミ (パールイズミ )
株式会社Beautyline(シーラーデルソル)
株式会社和光ケミカル(アグレッシブデザイン)(P-Navi編集部)