益田の星の食材と観光地を巡るサイクリングツアー(後編)

2019/11/26(火) 22:43

益田の星の食材と観光地を巡るサイクリングツアー(後編)

島根県益田市「益田の星の食材と観光地を巡るサイクリングツアー」2日目。晴天の下、一行は清々しい朝を迎えた。2日目は日本一の清流との評価を受ける高津川水系の匹見川沿いをサイクリングしながら、益田市がほこるグルメを堪能する行程だ。

光を全面的に取り入れたホテルマスコスの朝食会場。それぞれのリクエストに応じて、和食または洋食が提供される。人気が高かった洋食のメニューは、ホットサンドにサラダ、スムージー、クラムチャウダーにいちごとヨーグルト! とにかくクオリティーが高い。ホットサンドのパンは朝食専用に焼いてもらったものだという。ローストした肉とクリームチーズが溢れださんばかりに挟まれ、食べ応え満点! サラダのドレッシングは豆腐とすりおろした野菜ベースのもの。葉物野菜によく絡み、油っこくない。さっぱりしていながらも味わい深いサラダになっていた。朝から満腹。たくさん走って消費しなくてはと思いながらも、行程表を見る限り、今日はゴールまでずっとグルメが続く予定になっている。嬉しい悲鳴をあげることになりそうだ!

[caption id="attachment_31505" align="alignnone" width="269"] 益田駅そばに立つホテルマスコス
一階は大きく光を採り入れる造り[/caption]

[caption id="attachment_31506" align="alignnone" width="640"] 天井も高く、光を採り入れ、開放感のある食事会場[/caption]

[caption id="attachment_31507" align="alignnone" width="640"] 大好評の朝食。一品一品が丁寧に作られ、美味だった[/caption]

スタート地点までは時間の関係でバス移動になった。清流沿いにライドを楽しめるスポットに降り立ち、いよいよスタート! 団長・安田さんや、栗村さんなどレースにも参戦する先発組と、ミニベロにまたがる石井さん、ステテコさん、絹代さんなどゆったり走る後発組に別れて出発した。空気も清々しい!

[caption id="attachment_31508" align="alignnone" width="640"] スタートを待つ自転車協会の山崎会長と栗村さん[/caption]

[caption id="attachment_31509" align="alignnone" width="640"] 清流を眺めながらのサイクリング[/caption]

[caption id="attachment_31510" align="alignnone" width="640"] あまりに美しい水辺に見とれる石井さん、ステテコさん[/caption]

川沿いを走るうちに集落へと差し掛かった。川を渡り、細い道を抜けて、小学校らしき建物に到着。今では匹見地区の振興センターとして活用されているらしい。構内に入ると何か香ばしい香りが漂う。あゆだ!

[caption id="attachment_31511" align="alignnone" width="640"] 高級品・高津川のあゆが炙られている![/caption]

高級料亭などで扱われ、地元の方々があまり口にすることがないという高級食材である高津川のあゆを焼きたての状態でふるまってくれるという。まさにドンピシャのタイミングで焼きあがった模様。

[caption id="attachment_31512" align="alignnone" width="640"] あゆ、わさびの葉のしょうゆ漬け、野菜たっぷりのシシ汁が振る舞われた[/caption]

[caption id="attachment_31513" align="alignnone" width="640"] 美味しそうにあゆをほおばる団長・安田さん[/caption]

建物の中に入ると、焼きあがったあゆに、匹見の葉わさび醤油漬けが添えられ、さらに地元野菜がたっぷり入ったシシ汁も振る舞われた。なんと豪華な! この日は気温が低かったため、温かいシシ汁にも大感激。スープと同じくらいたくさん入れられた野菜のうま味がしっかり出て甘く、猪肉の臭みはまったくない。一つ一つの具材がおいしいこと! あゆにかぶりつくと、香ばしさに加え、ふんわりとした身のうま味がじんわりと口の中に広がる。川魚特有の臭みもない。少し苦味のある内臓も含め、まさに絶品。頭から尻尾まで、まるまるいただいてこその至福の味わいだった。わさびの葉の醤油漬けは、ツーンとしたわさびの風味と、甘醤油がベストマッチ。初めての味に感動し、土産に購入するメンバーもいたほど。

[caption id="attachment_31514" align="alignnone" width="640"] 振る舞ってくださった皆さんと記念撮影[/caption]

思わずほっこりしてしまったが、一同は腰をあげ、歓待してくださった皆さんと記念撮影をし、お礼を述べて行程に復帰。これから国定公園にもなっている匹見峡に向かうのだ。

[caption id="attachment_31515" align="alignnone" width="640"] 山桜も愛でながら匹見峡を目指す[/caption]

まだ桜が残っており、自然の中で咲き誇る花々を愛でながら進む。側を流れる清流の美しいこと。底まで透き通って見えると思えば、場所によっては白い岩々に囲まれた川の水はエメラルドグリーン色になり、神秘的な雰囲気を醸し出している。同じ川の景観でも飽きることがない。

約4kmにわたって渓谷が続く「表匹見」に差し掛かる。小沙夜という名の娘の悲恋伝説が残る小沙夜淵、断崖絶壁が切り立つ屏風ヶ淵など見どころが続くのだ。一同はバイクを停め、神秘的な水辺を覗き込んだり、記念撮影をしたりと景観を楽しんだ。

[caption id="attachment_31516" align="alignnone" width="640"] 匹見峡で絶景を背に撮影するステテコさん[/caption]

この行程はごくわずかな上り勾配が続いているが、ロードバイクで上る程度であれば、ほとんど気にならない。一同はゆったりと絶景の中のライドを楽しんだ。

匹見峡でゴールしたあと、バスで美都温泉の食事処「ゆずのき」に移動した。ここではまぼろしの高級魚と言われる「ホンモロコ」を味わうことができるという。店内の水槽には手のひらに乗るような小ぶりの魚が泳いでいた。昔は多かった漁獲量も今は減り、貴重な魚となったそうだ。料亭などで出され、当然値段も張る食材になっているということだが、この日は獲れたてで新鮮なホンモロコづくしのコースをいただくことになった。

[caption id="attachment_31517" align="alignnone" width="640"] まぼろしの高級魚「ホンモロコ」づくしの御膳![/caption]

[caption id="attachment_31518" align="alignnone" width="640"] 揚げたてのホンモロコ。アツアツをほおばる[/caption]

並ぶ御膳の中には、ホンモロコのおすましや甘露煮が! 春らしい彩りの料理に箸を伸ばしていると、揚げたてのホンモロコが運ばれてきた。あつあつのホンモロコを味わうと、さっくりした衣の中に、ふわふわの身が詰まっている。骨はやわらかく、丸ごといただいているのに、骨の食感すらない。一同から「うまい!」の声が上がる。さすが高級魚だ。

[caption id="attachment_31519" align="alignnone" width="479"] 試行錯誤を重ねたというゆずプリン。さっぱりとしながらコクがある[/caption]

てんぷら、茶碗蒸し、ほたるいか、たけのこごはんと春の味を楽しむ。デザートに配られたのは「ふたかわ乙女ゆずプリン」。名産のゆずを活かすべく、地元の婦人たちが試行錯誤を重ね、開発した逸品だという。ほんのり酸味もあり、さっぱりした風味。プリンというよりパンナコッタに近いような食感だ。益田の美食を堪能し、一同は最後のスポットに向かった。

[caption id="attachment_31520" align="alignnone" width="640"] 地元の自転車乗りとの交流を楽しむ[/caption]

[caption id="attachment_31521" align="alignnone" width="640"] ゆずのきの皆さんと記念撮影[/caption]

最後は、美都いちごのいちご狩り! 日照条件があまりよくない分、いちごの実ががんばって甘くなろうとするのだという。大粒で、つやつや輝くいちごをほおばると、ジュースを飲んでいるようなジューシーさ! ギュッとした甘みが口の中に広がり、やみつきになるおいしさだ。畑の中で気に入るいちごを探して回る楽しさも魅力。一同は子どものころの気持ちに戻り、制限時間30分のなかで、ハウスの中を歩き回り、心ゆくまでいちごを味わった。

[caption id="attachment_31522" align="alignnone" width="640"] 宝石のように輝く大粒のいちごたち![/caption]

[caption id="attachment_31523" align="alignnone" width="640"] 甘くジューシーないちご狩りを楽しむ一同[/caption]

ついにツアーが終了。萩・石見空港で解散式が行われた。楽しかった2日間を振り返り、さみしい気持ちにも襲われながら、一行は益田を後にした。

[caption id="attachment_31524" align="alignnone" width="640"] 解散式を終え、この日を最後に退職される局長と記念撮影[/caption]

すばらしい走行環境と、景観、美食がそろった益田市。これから『サイクリングのまち』として、多くの観光客が訪れるようになる日は近いかもしれない。(P-Navi編集部)

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