2018/07/19 (木) 11:57
真夏の祭典・松戸G2サマーナイトフェスティバルは渡辺一成(福島88期)選手が菅田壱道(宮城91期)選手の番手から自力でバック捲りを出して、先行する深谷知広(愛知96期)選手とのもがき合いを制して優勝しました。
松戸開催最終日は前号でも触れましたが、7番手からの捲りはよほど力が違わないと簡単には捲れません。ということで、シッカリ有力選手は敗者戦では修正した走りでありました。例えば、原田研太朗(徳島98期)選手は捲り不発で人気を裏切る形になっていましたが、最終日はカマシ先行でシッカリ逃げ切り勝ち。
南潤(和歌山111期)選手も記念優勝者ということで開催前はかなり注目されていましたが、連日、観せるレース内容も着には繋がらず。しかし、最終日はペース先行で逃げ粘り。最終日の走りが本来の彼の走り、実力なのでしょう。
山田英明(佐賀89期)選手も今年は記念優勝2回の実力者ですが、位置取りにこだわる走り。その位置取りを失敗したら、なかなかリカバリーの効かない松戸バンクの特性に負けて敗者戦回りも最終日はカマシ先行で2着、ラインでワンツーを決めました。この走り方の修正能力が今の好調を支えているのでしょうね。
最終日、久しぶりに競輪を観て、鳥肌が立つような走りをみせてくれたのは小倉竜二(徳島77期)選手のレースセンスでした。忘れていたこの感覚、これが競輪の面白いところでもありましたよね。やはり、このようなレースがお客様の求めているレース内容のような気がしました。今の競輪は大ギヤ時代になり、先行選手が垂れてきません。なかなか後方から突っ込んでくるという最後までワクワク出来る面白いレースは少なくなりました。そして、333mバンクになると、垂れてこないということはなかなか捲れないから先行選手の仕掛けが早くなる。仕掛けが早くなると末が甘くなるので、コースを探して突っ込めるマーク選手は大ギヤの惰性で突っ込んでくる。巧くすり抜けられないと落車してしまう。このような悪循環は今の競輪スタイルであるのも事実です。
優勝戦の結果は、結果論になってしまいますが、ナショナルチームで練習している選手のワンツーでした。日本選手権、高松宮記念杯と、続いて強さをアピールしていた脇本雄太(福井94期)選手は不参加でした。代わって初日から浅井康太(三重90期)選手が離れるほどのダッシュ力の深谷選手。準決勝ではカマシ先行で佐藤慎太郎(福島78期)選手を千切って逃げ粘った渡邉選手。下半期の特別競輪はナショナルチームのメンバー中心にレースが流れていくような気がします。
F2ガールズケイリンフェスティバル2018の優勝者は石井寛子(東京104期)選手でした。石井選手は「松戸は苦手」と、言っていましたが、これは松戸バンクの特性で三角捲りが決まりにくいことが大きいでしょう。石井選手の勝ちパターンである好位を取って、届く位置から仕掛けるという走りが合っていないからでしょう。決勝戦も優勝はしましたが、先行した梅川風子(東京112期)選手が内を空けたからであって運が良かったという走りでした。運も実力のうちとは言いますが、まさに持っているという走りでした。
梅川選手の決勝戦の走り、粘りは素晴らしいものでした。“負けて強し”がアピール出来た走りですし、ビッグレースの決勝戦で先行するイメージの奥井迪(東京106期)選手とは違った意味で強さをアピール、次に繋がったのではないでしょうか。
ガールズ選手は114期もデビューしましたし、さらに人数も増えていき、ますますレベルが上がっていくことでしょう。
1968年6月18日生 岐阜県大垣市出身
1988年5月に向日町競輪場でプロデビュー
競輪学校の同期で東の横綱・神山雄一郎(栃木61期)、西の横綱・吉岡稔真(福岡65期・引退)らと輪界をリード
“帝王”のニックネームで一時代を築いた
2002、2003年の日本選手権競輪(ダービー)連覇などG1タイトルは6つ
KEIRINグランプリ連覇を含む史上最多タイ3度の優勝など通算優勝110回
通算獲得賞金は19億1,782万5,099円。
2002年に記録した年間最高賞金2億4,434万8,500円はいまだに破られていない
自転車競技でも2001年のワールドカップ第3戦(イタリア)で銀メダルを獲得するなどの実績を残した
2014年5月に引退して、現在は競輪評論家として活躍中
また、競走馬のオーナーとしても知られる
山田裕仁
1968年6月18日生 岐阜県大垣市出身 1988年5月に向日町競輪場でプロデビュー 競輪学校の同期で東の横綱・神山雄一郎(栃木61期)、西の横綱・吉岡稔真(福岡65期・引退)らと輪界をリード “帝王”のニックネームで一時代を築いた 2002、2003年の日本選手権競輪(ダービー)連覇などG1タイトルは6つ KEIRINグランプリ連覇を含む史上最多タイ3度の優勝など通算優勝110回 通算獲得賞金は19億1,782万5,099円。 2018年末、三谷竜生(奈良101期)に抜かれるまでは年間獲得最高賞金額=2億4,434万8,500円の記録を持っていた 自転車競技でも2001年のワールドカップ第3戦(イタリア)で銀メダルを獲得するなどの実績を残した 2014年5月に引退して、現在は競輪評論家として活躍中 また、競走馬のオーナーとしても知られる