2025/06/16(月) 15:00
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は名マーカー加倉正義が見せた往年の技の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
6月11日の玉野競輪FI、A級準決4Rで競輪を見せてくれた選手がいた。名マーカーの加倉正義(54歳・福岡=68期)が往年の技を披露した。番手、の意味を改めて教えてくれる好プレーだった。やっぱりこの人は、すごい!
昔から大好きな選手で、玉野の前の小倉では林昴(23歳・福岡=119期)との好連係で完全V。番手マンの面目躍如の走りを復活させると、この玉野の準決でバッチリ見せてくれた。久留米取材に行った時に少し会えたが「スバルが頑張ってくれて」と謙遜していたものの、番手に加倉がいる、という存在感も見逃せない。
ルールが変わり、自力選手が目立つことが多くなる中で“仕事”ができる選手は重要だ。この準決では、山崎駿哉(28歳・岡山=113期)が闘魂先行。この山崎も気持ちで走る選手で、後ろが加倉ということでいつも以上に激しく逃げた。菊池竣太郎(28歳・静岡=111期)という強敵がいたが、挑んでいった。
山崎が駆け、菊池がホームからまくってくるところ、加倉は2角でひと振りして菊池を捕捉する。バックストレッチの直線部分で体を当てて、把握。3角から2センターにかけてとどめを刺し、山崎を差してゴール。
“横は通さんよ”
前の選手の頑張りに応え、後ろを固めてくれている選手への敬意も持ち合わせる。加倉にすれば普通のプレーだろうが、★3つで称えたい。翌12日のA級決勝11Rで山崎はさらに気合を入れて逃げ、加倉は2車でも大きく仕事をし、内を行かれてしまったのはまたひとつの勲章。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)