2025/05/04(日) 14:45
名古屋競輪場の「第79回日本選手権競輪(GI)」が4日に最終日を迎えた。4Rの特選2を走り終えて復帰後、初勝利を飾った佐藤慎太郎に話を聞いた。
「来年(2025年)は勝負の年になる」
昨年の競輪祭でS班陥落が決定した直後の佐藤の言葉だ。しかし、年明け3場所目の松阪GIIIで落車。『左骨盤骨折』の大怪我を負い、戦線離脱。"勝負の年"は、予期せぬ形でスタートした。
復帰後2戦目で迎えたGI、思わず本音がこぼれた。
「脚力的にゼロにちかいし、出力も下がっている。自分の力が本当に落ちているんだと感じる開催だった。想定していたよりもひどいかな。骨盤をやったら普通、半年は休まなきゃいけないし、自分でも無理をして出ているのは分かっている」
最終日、顔見せの段階から大声援が響き渡った。復帰後、初勝利。大声援は止むことなく、佐藤は何度も拳を突き上げて応えた。佐藤慎太郎という男の人気の凄まじさを物語る光景だった。
「いくら怪我明けだとはいえ、上位選手としては終わりなんじゃないかなと。そう弱気になっていた自分に"活"を入れてくれるような声援だった。まだ頑張らないといけない。ありがたいね。あと10年はできそうだよ(笑)」とファンの声援に感謝する。
また、佐藤は言う。「応援してくれる人たちに、もっと(佐藤慎太郎を応援しようという)モチベーションを持ってもらえるような走りができれば」
頑張らないといけない理由がある。それをファンの大声援が再認識させてくれた。完全復活へ、その道のりは簡単ではない。しかし、きっと競輪の神様は佐藤慎太郎を見ていることだろう。(アオケイ・八角記者)