2024/09/23(月) 12:00
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は126期仲澤春香の驚きの好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
ウソでしょ…。仲澤春香(23歳・福井=126期)の9月17日、平塚ナイターFII決勝11Rの優勝は驚きしかなかった。仮に「最終バックの地点で優勝は誰?」と聞かれたら仲澤の名前を挙げる人はいないと思う。
ダメだ…と思われた後、があった。
相手も相手だった。強靭な先行力を誇る太田美穂(28歳・三重=112期)がまず残り1周からの仲澤の仕掛けを合わせて逃げている。太田を叩けない時点でまず浮かされて終了、が普通だ。その外をまくっていったのは梅川風子(33歳・東京=112期)。梅川がまくりを決めれば、それで決まり、が普通。
また、実力者の吉川美穂(31歳・和歌山=120期)が太田の後ろから踏み込んでいく展開。太田も踏みやめず、ハイレベルなレースだった。えっ…。普通じゃない。
最終2センター、4角、白いユニフォームがまた伸びてきた。ウソでしょ。仲澤は脚をためていたかのように、もう一度伸びてきて梅川を捕らえて優勝した。
だいぶ前になるが、立川記念の決勝で一度競り負けて8番手に後退してからまくって優勝した浅井康太(40歳・三重=90期)の衝撃があったが、それを思い出させ、さらには超える衝撃を与えてくれた。驚いた。衝撃だった。
レース内容としてはよくないので★3つとさせていただくが、底知れない。えっ…。
消化し切れないものがある走りだったが、これが仲澤春香なのだ。全日本トラックで活躍していた128回生で養成所に入っている酒井亜樹や八戸学院大学の小原乃亜といった次世代の女子選手が育ってきている。とにかく、まだまだ、これからだ。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)