シマノバイカーズフェスティバル2024

2024/09/17(火) 17:00

今年の夏も、長野県富士見町の「富士見パノラマリゾート」で「シマノバイカーズフェスティバル2024」が開催された。2日間に渡って、MTBのクロスカントリーと、スキー場のゲレンデを使ったダウンヒルのレース中心に、会場周辺の豊かな自然を楽しむツーリングなど、多様なコンテンツが展開される夏の自転車のお祭りだ。

レースやツーリングなど、オフ&オンロードの多様なコンテンツが展開されるシマノバイカーズフェスティバル

今年から会場レイアウトを大きく変更し、富士見パノラマのゲートハウス前の駐車場エリアに、大会本部、出店ブース、クロスカントリーのスタートと両種目のゴール、耐久レースのピットエリアなどを集約して配置した。参加者も、サポートや応援で来た方々も、レースの合間に動き回ることなく、手軽にイベントを楽しめるようになった。

今年も初日の朝は試走の後、クロスカントリーのキッズレースからスタート。会場からは、大型ビジョンやYouTubeを通じて手持ちの機器で視聴可能なライブ中継が常時発信される。複数の種目が同時進行で進んで行く中でも、レースの状況やブースなどで開催されるイベントの様子も確認することができ、複数のエリアにまたがって同時展開するイベントをリアルタイムでチェックすることができるのだ。
クロスカントリーエリアでは、年齢やスキル、距離やバイクの種類でカテゴリー分けされたレースが次々と展開され、五輪に連続出場し、国内だけでなくアジアも制した元トップ選手の山本幸平さんと、今年全日本選手権を制した沢田時選手(宇都宮ブリッツェン)による「レース攻略講座」など、シマノのサポート選手と交流できる企画も展開された。

ダウンヒルは、午前中はプロライダーとともに走り、スキルを磨く「追走クリニック」が、午後からはダウンヒルレースの予選が開催された。リフトで上り、駆け下りてくるダウンヒルは、これまで競技の様子が見えなかったのだが、ライブ中継で、レースの様子を映像で見られるようになり、さらにゴールが共通のフィールドに設定されたことで、フィニッシュに向かう様子が生で見られるようになった。ライダーたちがゲレンデを降り、最後に階段を駆け下りてフィニッシュに向かう迫力は圧巻で、階段エリアには常に観客が足を運び、拍手や声援を送っていた。

今年はゴールがメイン会場に設定され、階段を駆け下り、フィニッシュに向かう

ツーリングは、MTBと、砂利道など路面を選ばず走れるグラベルロード、ロードバイクの3種の車種に合わせたコースが展開された。中には「ライド&フィッシュ」として、自転車と釣りを共に楽しめる、シマノらしい種目も。それぞれの趣向に合ったコースを選んだ参加者が、八ヶ岳山麓の自然を満喫していた。

ドロップハンドルながら路面を選ばず走れるグラベルロードのツーリング種目。自然の中を颯爽と走れるのが魅力!
ライドと釣りを楽しめるツーリングも。自転車のコンポーネントと釣具のトップブランドであるシマノらしい楽しみ方だ

会場内には自転車関係の出店ブースエリアが設定され、自転車のアクセサリーの買い物や、完成車の試乗を楽しむ来場者でにぎわった。自転車コンポーネントなどの展示があり、塗り絵も楽しめる「シマノ自転車博物館」や、アクセサリーやオリジナルのカトラリーが作れるワークショップ、近隣で採れたフレッシュな野菜や、肉製品、人気のベーカリーのパンなどが並んだ「バイカーズマルシェ」など、サイクリスト以外でも楽しめるブースも並び、家族連れや観戦、応援で足を運んだ方々も多く足を運んでいた。

野菜、パン、地元の名酒の甘酒など、この地域のおいしいものが並んだ「バイカーズマルシェ」
オリジナルのアクセサリーやカトラリーが作れるワークショップも好評だった

昨年に引き続き、自転車+自動車の6輪でキャンプを取り入れ楽しむライフスタイルを提案した「6Wheel & Camping」エリアも展開された。今年の車両はさらにパワーアップしており、おしゃれなルーフテントを乗せた車体あり、大きなトレーラーを引き、「基地感」が漂う要塞に近いレベルの車体あり、と、眺めているだけでわくわくするような世界が広がっていた。キャンプゾーンには、軽量のテントや椅子、ハンモックなどと、実際にキャンプを楽しむためのツールが展示販売されており、多くの来場者らが、好奇心いっぱいの表情でブースをめぐっていた。

「6Wheel&Camping」エリアもパワーアップ!思わず見入ってしまう迫力ある車両も展示されていた

レースが終わった後は、バイカーズ名物のウェルカムパーティーが予定されていたのだが、全員がゴールした後まもなく、前が見えないほどの激しい雨が降り始め、皆が集まっていたフィールドは一転、川のようになってしまい、進行は一時中断した。
雨は、勢いは弱まったものの、なかなか止まない。パーティーを待つ参加者は待機しており、ウェルカムパーティーの規模を縮小し、開催することになった。予定されていた新鮮な野菜とチキンを巻いたラップサラダの配布や、地元の名酒「真澄」の配布はテントの下で始まったが、雨が止まないことには、BMXのプロライダーがアクロバットを見せる「AIR TRICK SHOW」は、開催が難しいと思われた。ところが、ライダーたちは内容を縮小して行うと主張し、雨の中のAIR TRICK SHOWを断行。そこに雨をも厭わない観客が集まり、ライダーたちの情熱が伝染したかのように熱く沸いた。降りしきる雨の下ではあったが、観客とパフォーマーが一体感を覚える思い出に残るショーとなった。

雨の中、開催された「AIR TRICK SHOW」。ライダーたちの心意気が伝わる迫力あるパフォーマンスに、観客たちが惹き込まれていった
ウェルカムパーティーでは、地元の食材を使い、地元の皆さんが作ってくれたラップサラダがふるまわれた

イベントはこの翌日も続き、グラベルロードを含むクロスカントリー種目とダウンヒルの決勝、ツーリング、子どもたちの自転車かけっこなどが開催された。

未就学児の自転車かけっこ。子供から大人まで楽しめるコンテンツが用意され、ファミリー層の来場が増えている

レイアウトが変更された結果、ブースめぐりも手軽に楽しめるようになり、会場全体の活気が増したようだ。多様な年齢層の来場者がそれぞれ楽しめるコンテンツが用意され、ファミリーやグループでの来場が増え、会場がにぎやかになってきているように思う。今年はイベント専用アプリを開発、導入し、参加者は当日のスケジュール管理ができるほか、イベントコンテンツもペーパーレスで簡単に検索、確認できるようになった。
今年、またさらなる進化を遂げたシマノバイカーズフェスティバル。地域と共に、今後もさまざまな可能性を模索し続けてほしい。

画像:シマノバイカーズフェスティバル、編集部

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