2024/09/16(月) 17:30
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は眞杉匠が魅せた勇気を振り絞った好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
眞杉匠(25歳・栃木=113期)が地元のGIIで魅せた。9月15日は宇都宮競輪の大阪・関西万博協賛「第40回共同通信社杯競輪(GII)」の3日目だった。S班6人が準決に勝ち上がれないという熾烈な戦いの中、地元の眞杉が準決で好プレーを放ち、決勝進出につなげた。
犬伏湧也(29歳・徳島=119期)が先頭に立ち、眞杉は4番手。3番手には単騎の窓場千加頼(32歳・京都=100期)がいる形だ。山崎賢人(31歳・長崎=111期)が後方で、眞杉とすれば、前後の動きを見て仕掛ければよい。
決勝には何としても乗らないといけない。が、犬伏がペースを緩めているところ、最終ホームから一気に仕掛けた。襲い掛かった。500m以上の距離になるが、攻めてこそ、の勇気を振り絞った。
かつて武田豊樹(50歳・茨城=88期)がずっと話していたことがある。「GIを優勝するには、GI準決を先行で突破できないといけない」。今回はGIIだが、戦っている相手、またレベルはGIと一緒。しかも、地元戦…。
関東の先人が築いてきたことを、大舞台で表現した。勇気こそが正義。もっともっと先へ進んでいく男が、躍動する仕掛けだった。これは、★5つ。
結果を残すとともに、ファンの心をシビれさせ、さらには戦っている選手たちをうならせる走りだった。まだあどけない笑顔の奥にある、怖さ、を感じさせる一撃だった。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)