2024/08/02(金) 14:35
美しいハワイ、オアフ島の東岸で、サイクリングを楽しむ人気イベント「ホノルルセンチュリーライド」は昨年40回目の記念大会が開催された。
今年もすでに41回目の大会の参加受付がオープンし、日本からのエントリーも続々と行われているという。ここで昨年の大会を振り返ってみたい。
ホノルルセンチュリーライドは、ワイキキの東端にある「カピオラニ公園」をスタートし、オアフ島の東岸を走るサイクリングイベントだ。距離は、25、50、75、100マイル(40、80、120、160km)のコースが設定されており、走行距離に合わせて折り返すシステム。最長の100マイルコースは、50マイル先の「スワンジー・ビーチ・パーク」で折り返す。
距離の事前宣告は不要で、当日の体調で走行距離を選ぶことも可能だ。100マイルの折り返し地点まで走り、バスに乗って帰るオプションも利用できる。このプランであれば、片道のみの走行で、美しいコースをしっかりと楽しむことができる。
美しい景観が続くオアフ島の東岸を走るセンチュリーライド。6つのエイドステーションが設定されている(公式サイトより)
近年は現地で、日本の原付に近い、スロットル付きで、ペダルをこがずとも進む電動アシスト自転車もレンタルできる。脚力に自信のない方でも挑戦できるようになり、参加の幅がグッと広くなった。
近年はe-bikeの参加者も増えた(手前奥)。スロット付きで疲れたら足を止めアクセルを回せるタイプが人気 ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
一時は参加者の半数が日本人とも言われるほど、日本からの参加が多かった大会だが、近年はアメリカ、特に地元ハワイ州からの参加が多いようだ。日本人参加者は、コロナ禍でいったん大きく減ったものの、回復傾向にあり、2023年には350名が日本からエントリーしたそうだ。総参加者数はおよそ1300名だから、4分の1程度が日本人ということになる。
ローカル感もあり、開会式には日本語MCも配置されるなど日本人への配慮もあり、楽しめる。今年はもっと日本人参加者が増えるだろう。
日本語MCも配置された開会式
ホノルル空港からホテルまでの荷物運搬から始まり、期間中もメカニックサポートを受けられる東武トップツアーズのツアーでセンチュリーライドに参加してきた。
金曜夜のフライトで、ハワイに入る参加者が最も多いとのこと。胸をときめかせながら、空の旅を楽しみ、ホノルル空港に降り立つ。時差の関係で、到着時間は金曜日の朝に巻き戻る。少し、得をした気分だ。
この日は、参加者それぞれが、ビーチやプールに行ったり、ショッピングを楽しんだりしながら、ゼッケンをピックアップに行く。受け取り会場には日本語デスクもあり、心配なし。主催団体のハワイテイストのサイクルウェアやアイテムの販売もあり、ゼッケン受け取りから、楽しめる。
ゼッケン受け取り会場には、ハワイテイストのウェアやアクセサリーの販売も
前日土曜日はツアーの参加者向け直前講習や、プラクティスライドがあり、直前に把握すべき情報や、当日の情報を確認し、ショートライドで時差ボケの身体と空路で運んできた自転車のチェックをする。この段階で、他の参加者と仲よくなり、ワイワイと楽しむムードになっていた。
直前講習で、前日の過ごし方や当日の注意点を確認
「プラクティスライド」で楽しみながら、身体や自転車のチェック
いよいよ、ライド当日。
スタート会場には朝5時半に着くべしと言われ、夜明け前のワイキキに出陣すると、ワイキキのあちこちから、ライトを点けた自転車がスタート会場へと
やってくる幻想的な光景が広がっていた。イベント特有の緊張感と高揚感が漂っており、胸が高鳴る。
たとえば、ギア付きのスポーツバイクとしては比較的楽に走れる「時速20km」で走ると、8時間。ゴールの締め切りは17時であり、11時間弱あることを考えれば、ビギナーでも十分完走できる。この日、筆者は100マイル、160kmを走る。
会場には、もうすでにラインナップが始まっており、早朝とは思えない熱量を放つ笑顔の参加者が集結し、スタートを待っていた。
少しずつ、夜が明け始めた。
会場内には夜明け前から参加者が集結
1300名がいっせいにスタート ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
明るくなった頃、開会式が始まり、6時20分過ぎに一斉にスタート。陽気なスタッフの皆さんの歓声と拍手に見送られ、スタートに飛び出した。
日本とは異なり、グループごとにスタートする必要はなく、完全にストレスフリー。現地の警察のサポートがあり、スタート後しばらくは一番右のレーンに交通規制が施されており、走りやすい。
早朝の清々しい空気の中、ダイアモンドヘッド脇を上る ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
ツアーの参加者の多くがここで集まり記念撮影
ダイアモンドヘッドの脇を上り、眺望の開けたスペースでひと休み。夜が明けたばかりの海を背景に記念撮影を楽しむ参加者が多いようだ。ここまではかなり混み合い、最初の上りを越えた後なので、ホッとするひとときだ。
この付近を越えれば、いったん下り基調になり、開放感のある広場スペースや、豪華な別荘街を眺めながら進む。世界のリッチな方々が別荘をお持ちのエリアなのだとか。
住宅街を越えていく ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
ここから北に向かい、フリーウェイを目指す。フリーウェイといえども一部の区間は自転車の走行が許されており、特に、行きは警官が立ち、右側の車線が開放されているため、不安なく走ることができる。平坦なルートをひた走ると、右手にビーチパークが見えてきた。ダイアモンドヘッド脇から眺めた早朝の海とは雰囲気が異なり、センチュリーライドに来たという実感が湧いてくる。
美しい朝のフリーウェイを走る ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
ビーチパーク脇を抜けるハンドサイクル。多様な自転車が参加していた ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
しばらく直進し、ハナウマベイには向かわず、ハワイカイエリアの住宅街に入っていく。
ここで待ち受けているのが、いわゆる心臓破りの坂「ハートブレイクヒル」だ。
この坂は、右折すると目の前にそびえ立つため、圧迫感に気圧されてしまうが、実際のところ、勾配も、距離も「エグい」ような坂ではなく、落ち着いて走れば越えられるもの。ただし、まだ先は長いので、脚力温存のため、自転車から降り、押して上がるのも有効な方法だろう。軽やかに上がる人もいれば、大苦戦する人もいる。一つのエンターティンメントとして楽しみたい。
さて、この「難所」の後は下り基調。広々としたゴルフ場などを見晴らしながら、スピードに乗せて、気持ちよく走る。
ほどなく、海沿いの道に出た。一つ目のエイドステーション「サンディビーチパーク」に到着! 波が少々大きいため、海水浴というよりはサーファーたちのためのビーチだという。エイド到着の喜びと相まって、広がる海が一層美しく見えた。25マイルカテゴリーの方々は、ここで折り返し、ライドを終える。
第1エイド「サンディビーチパーク」©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
エイドのふるまい。中身がふわふわのマラサダ(ドーナッツ)がおいしくて、つい食べすぎてしまった ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
ここには地元の紫色のイモのマラサダ(ドーナッツ)やバナナ、アメリカのエナジーバーなどが並んでおり、明るいボランティアスタッフたちが笑顔でふるまってくれた。ツアーの皆で記念撮影を楽しんで、先を急ぐ。100マイルを走るには、6箇所のエイドがあるが、仮に各エイドで20分過ごすと、120分を失ってしまう。絶景ポイントでも記念撮影に止まってしまうため、楽しみすぎると、時間が足りなくなる。走るペースが上がると、一気に疲労してしまうため、脚力に自信がない場合は、エイドで休みすぎず、一定のペースで走りきることが大切なのだ!
給水に並ぶ参加者
居合わせたツアーメンバーで記念撮影!
海景色を見ながら北上し、マカプウへ。また少々の上りがあるが、上り終えたら、絶景が待っている!
絶景へ向けて上るマカプウの登坂 ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
上り終えると、すでに多くの参加者が、広がるマカプウの濃い青色の海を背景に記念撮影を楽しんでいた。ハワイ語で「大きな目」という意味のこのエリアは、神話の伝承もあり、パワースポットとしても知られている。この日は少し雲がかかっていたが、それでも十分、美しかった。
マカプウを背景に記念撮影!濃い青色の海が美しかった
記念撮影を終えたら、美しい海沿いの道へと下っていく。実はこの下りが、帰路は最大の難所の登坂になる ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
▼後編につづく
画像:編集部、東武トップツアーズ(Michinari TAKAGI)、©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE
※トップ掲載写真
美しいハワイ オアフ島を走るホノルルセンチュリーライド ©︎HM-A/HONOLULU CENTURY RIDE(P-Navi編集部)