シマノバイカーズフェスティバル2023(後編)

2023/09/13(水) 14:09

シマノバイカーズフェスティバル2023(後編)

※レポート前編はこちら

早朝から大盛り上がりだったシマノバイカーズフェスティバル2023だが、初日の午後は、ドロップハンドルアワーからスタート。


近年注目の、ドロップハンドルが付き、オンロードでの高速走行もできるが、オフロードも走れる「グラベルロード」「シクロクロスバイク」のレースも拡大開催となった

オフロード走行ができるドロップハンドル車「グラベルロード」「シクロクロスバイク」のレースが、二つ立て続けに設定された。競技時間は30分と60分の2種類になるが、どちらも人気の「ル・マン」式で実施。バイクをあらかじめ指定の場所に置き、参加者は、スタートラインから自分のバイクまで足で走り、またがってスタートするのだ。昨年は、90分のレースだったが、今年は30分から参戦可能となり、より参加しやすくなったと言えよう。


「ル・マン」方式の 冒頭のランで苦戦する大人を尻目に、キレのいい走りを見せるキッズライダー


バイクまで走り、またがってスタート!

参加者は手ぶらでスタートラインに立ち、号砲を待つ。いつもはバイクにまたがり、かっこよくスタートを待っているのに、手足のやり場に困り、どう構えたらよいのかと落ち着かない様子も。そんな空気に皆が笑ってしまい、にこやかなスタートになっ。
号砲とともに飛び出すものの、サイクルシューズでのランに苦戦する参加者も少なくない。このカテゴリーにもキッズライダーがエントリーしていたが、日常の遊びや体育で鍛えられているキッズはランの強さが際立っていて、ライドは大人びていても、やはり子供なのだ、と改めて実感した。


高速走行も可能なドロップハンドルバイクならではの疾走感が魅力だ

ドロップハンドル競技のレースは、MTBとはまた違う疾走感があり、今年も大いに盛り上がったのだった。
クロスカントリー初日は、もっとも難易度の高いロングコースを舞台に真剣勝負が展開される60分のレース「XC Race」で幕を下ろした。


最難関の「XC Race」の迫力あるスタートシーン。とはいえ、仮装もOKのシングルスピード(ギアなし自転車)のカテゴリーもあり、それぞれの走り方で楽しめる

クロスカントリー種目は、対象層やバイクの種類、キッズの年齢等によって、種目分けされているが、それぞれに合わせ、コース内のポイント切り替えを行い、驚くほど細かくコースの距離や難易度を調整している。安全面を考慮しながら、レースを楽しめるベストなコースを提供しているのだ。最終走者から次のレースの開始までが極めて短いレースもあったのだが、絶妙なチームワークで、ミスなく、確実にその細かい切り替え作業を行うスタッフたちのスゴさも際立っていたように思う。


達成感に満ちた参加者が、次々とフィニッシュしていく

ダウンヒル種目は2~3名で走るチーム戦と、個人戦の2種類が開催された。今年はコース内にたくさんのカメラが設置されており、ライブ映像で降ってくる勇姿を大型ビジョンで見ることができ、これまで観客には見えなかった勇姿に、大きな歓声が沸き起こっていた。


ダウンヒルコースを走る参加者。今年は会場のビッグスクリーンでレースの模様が中継された


チームでダウンヒルコースを駆け下りる


ダウンヒル女子たち。笑顔がまぶしい

レースが終わったあとは、ウェルカムパーティー! 4年ぶりの開催だ。今年は、パーティー会場をレースエリアに設定し、緑のゲレンデを眺めながらの壮大なガーデンパーティーに! 地元の新鮮な野菜をふんだんに使ったバーガーがふるまわれ、皆が満面の笑顔でかぶりついていた。さらに大人には地元「宮坂醸造」の「真澄」、「八ヶ岳山麓 8Peaks BREWING」のクラフトビールもふるまわれ、至福の時間を堪能した。開放感ある会場には、高揚感とリラックスしたムードが共存していて、やっとこの時間が帰ってきたと、皆で喜びを噛み締めたのだった。


その場でグリルしたハンバーガーがふるまわれた


エディブルフラワーがあしらわれた美しいバーガーは、シャキシャキレタスと、あぶったパテの香ばしさ、さらにシチュエーションのすばらしさも加わって、最高の味!


地元「宮坂醸造」の銘酒「真澄」がふるまわれた

パーティーでは、MTBブームを牽引したレジェンドライダーたちのデュアルスラローム対決が企画された。青々とした緑の上を美しい軌跡を描きながら滑り降りてくるライダーたちに、熱い声援が送られていた。


往年のバイクを持ち出して走るレジェンドライダーの姿には、ノスタルジックな感動もあった

大会2日目も、早朝から皆が会場に集結してくる。この日も、快晴!  初日同様にクロスカントリーはキッズレースからスタート。そして、MTBとドロップハンドルの30分のレースが行われた。この日は、レースにエントリーしたキッズと大人を対象に、講師のプロライダーが共にコースを走り、実践的なアドバイスをしてくれる「伴走クリニック」も開催され、レースとセットで参加できるように設定されていた。特にドロップハンドルでのレースはまだ少なく、興味のある層には最高のチャンスであっただろう。多くの参加者が真剣にアドバイスに耳を傾けていた。


クリニックで熱心に指導する講師の沢田時選手(宇都宮ブリッツェン)。2日間、レースの先導や安全管理、レクチャーと大活躍だった

ダウンヒルは、9歳以上で参加できる難易度を下げたコースでのレースと、大会最後のタイム計測を行う「泣きの一本」でフィナーレ。
レースパートのオールラストは、2回目の「ミルキー」。幼児たちの無心なかわいさにノックアウトされながら、フィナーレを迎えた。


ゴールし、ごほうびのお土産を受け取る

この歴史あるシマノバイカーズフェスティバルにおいて、近年、年々存在感を増しているのが、ツーリングだ。今年は、量も、質も、バラエティーも、またさらにグレードアップした感がある。すべての自転車に関わるシマノのイベントらしく、フィールドはオンロードとオフロードをカバー。レースでも盛り上がったドロップハンドル車を想定した「グラベルツアー」も数種類設定されていた。すべてのカテゴリーにおいて、e-bikeを含めての開催だ。

ロードバイクで、2000mの標高を上るというハードなものもあれば、ベーカリーライドや釣りを楽しむ「Ride&Fish」のように、別の楽しみも含めたもの、ゴンドラやバスを活用しつつ、トレイルなどオフロードを走るものも。どれも、楽しみを知り尽くしたプロライダーやシマノスタッフが企画に携わっており、まさに「かゆいところに手が届く」ように、利益度外視で楽しめる工夫が散りばめられている、他にはない企画ばかり。


暑い日だったが、高原の林間は涼しく、快適だったそうだ


釣りを楽しむツーリングも!

種目によっては、自転車も貸し出ししてくれるものもあり、バイクを持っていない人でも、参加することができる。とても贅沢なツーリングだが、ここで幸せなスポーツバイクデビューを飾った方は、深く自転車にハマってしまうに違いない。

レース、ツーリング、さらにはショッピングと、壮大なスケールで楽しませてくれたシマノバイカーズフェスティバル。オートキャンプスペースで、キャンプする参加者も少なくなく、2日間、自然の中、全力で夏を楽しめるイベントと言えよう。


日中のイベントだけでなく、特設会場のオートキャンプで週末丸ごと楽しむ参加者も多い

歴史あるイベントながら、毎年、進化している、この大会。おそらく、来年もまた、さらなる進化を見せてくれるのではないかと思う。多様な切り口から参加できるため、どんな方でも参加の方法がありそうだ。来年のエントリーも、春ごろになるだろう。興味のある方は、情報をチェックしておいてほしい。足を運べば、楽しめること間違いナシだ!

画像提供:シマノバイカーズフェスティバル、編集部(P-Navi編集部)

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