2022/05/08(日) 19:40
第76回日本選手権競輪G1(最終日)
***************
5月3日から、いわき平競輪場において6日間の熱戦を繰り広げてきた「第76回日本選手権競輪G1」は、最終日・決勝を迎えた。初日一次予選のオープニングレースでは飯野祐太、高橋晋也が師弟連携を決めて二次予選進出。両者に続くように福島勢が勝ち上がり、地元ファンの歓声を浴びたが、唯一決勝に乗ったのはS級S班で福島の司令塔・佐藤慎太郎のみとなった。
また、S級S班の松浦悠士と宿口陽一が二次予選で敗退すると、113期で記念競輪を優勝するなど力を付けてきた眞杉匠や嘉永泰斗がスピードを活かした自力を発揮。眞杉は昨年のダービーに続いて決勝へ、嘉永は九州の先輩・荒井崇博を決勝に導く活躍を見せた。
勝ち上がりをリードしたのはレース巧者の平原康多で、無傷の3連勝で決勝に進出。また、圧倒的なパワーある脇本雄太や大舞台に好調を合わせることができた古性優作などが決勝に顔を揃えた。
大激戦が予想された決勝は、先行した眞杉-平原-佐藤のラインを最終3コーナーで捕らえた脇本が優勝のゴール戦を切り、通算6回目のG1制覇、そして2019年以来となる2度目のダービー王となった。
※今開催のレポートはこちら
前検日、初日、2日目、3日目、4日目、5日目
【最終日・11R=S級決勝】
1/古性優作(SS・大阪100期)
2/平原康多(SS・埼玉87期)
3/清水裕友(SS・山口105期)
4/東口善朋(S1・和歌山85期)
5/眞杉匠(S1・栃木113期)
6/荒井崇博(S1・佐賀82期)
7/守澤太志(SS・秋田96期)
8/脇本雄太(S1・福井94期)
9/佐藤慎太郎(SS・福島78期)
【レース展開】
誘導以下、8脇本-1古性-4東口、3清水-6荒井、5眞杉-2平原-9佐藤、7守澤で周回を重ねる。まず眞杉が動くと、脇本はすんなり7番手に引く。先頭の眞杉は赤板過ぎ2コーナーからペースを上げて先行態勢に入り、単騎の守澤が4番手、5番手に清水、7番手に脇本で打鐘を通過。最終HSから7番手の脇本が捲りを仕掛けると、中団の清水も前に踏む。さらに最終BS後には平原も捲りで抜け出すが、脇本が大外一気のスピードで捲り切り、そのまま優勝ゴール。平原後位の佐藤は古性をブロックすると直線伸びて2着、単騎の守澤が3着に入線した。
【日本選手権競輪G1・決勝結果】
2車単8-9 2,520円(9番人気)
3連単8-9-7 18,320円(56番人気)
決まり手:捲り-差し
優勝/脇本雄太(S1・福井94期)
今回成績/一1・二2・準2・決1
次走出場予定/福井F1(5月22日~24日)
今年、走ることができるG1が限られている中で、優勝したい一心で頑張りました。決勝だからといって戦いに変化をつけるわけではないので、いつも通りに戦う感覚でいました。眞杉(匠)君が油断せず踏み込んできたところがあって、苦しい展開になったと思います。自信はなかったですが、自分が一回踏んだ所からは緩めずに、最後まで力を出し切る気持ちだったので、それが結果に表れたと思います。平原(康多)さんを乗り切ったところで、記憶がなくなるくらい力を振り絞っていたので、余裕はなかったです。ハンドルを投げて、1秒くらい優勝に疑問が湧くくらいでした。ここまで楽な道のりではなかったのですが、ようやく戦える力を付けて帰ってこられた感じがあります。グランプリを決めましたが、まだ前半戦が終わっていないので、まだまだ気を緩めずに頑張りたいと思いますし、G1を獲ってグランプリに出る第一目標をクリアしたので、より多くの近畿勢をグランプリに連れて行きたいと思っています。目の前の一戦一戦を走ることが競輪の盛り上がりにつながると思うので、F1、記念でも気持ちを切らさずに戦い抜くことが大事。頑張りたいと思います。
***************
\最終日注目レース・ピックアップ/
【最終日・4R=S級特選二】
戦い方にこだわらずワンツー決着
2着/渡邉一成(S1・福島88期)
初手で1番いい並びになったので、様子を見ながらの戦いでした。脚を使わずに前に出られたので、最終HSで伊藤(颯馬)君に合わせて、最終BSで中川(誠一郎)がきたので踏み直し、阿部(力也)君がドンピシャのけん制をして、いい連携ができたと思います。先行や捲りにこだわらずレースを組み立てたので、それがいい結果に繋がったのかなと。今の自分では、特選のメンバーと一緒に走る実力がないことを痛感しました。また、以前のように一緒に走れるように脚力を上げたいです。
【最終日・5R=S級特選二】
4走全て先行。締めくくりは逃げ切り
1着/石原颯(S1・香川117期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
坂井(洋)さんにカマされたくなかったので、少しだけ強く踏んで自分の仕掛けられるところから組み立てました。ホームストレッチが結構追い風だったので、意外とスピードを乗せ切れたのかもしれません。今開催全て先行できましたし、バックも4つ付けられたので良かったです。怪我前より強くなれたらいいです。
【最終日・8R=S級優秀】
次に向け対策を考える
1着/松浦悠士(SS・広島98期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
太田(竜馬)君が、もつれているところをしっかり捉えきれていたので、いい仕掛けをしてくれたし、僕も新山(響平)君を止められたのは良かったのですが、成田さんに破られてしまったので、そこが反省です。自力ではないですが、1着を取れて良かったです。いわき平のように重いバンクでは、追い込みで勝てても自力で勝負ができないと決勝に進むのは厳しいのかなと思うので、重いバンクの対応を考えていきます。
【最終日・10R=S級順位決定】
真っ向勝負できる力を付けて
1着/深谷知広(S1・静岡96期)
昨日のレースの反省を活かして、切り替えて戦えたので最低限、良かったと思います。今日は捲り追い込み、真っ向勝負できたら面白いかなと思います。今回は一走目に照準を絞りすぎていました。最終日に向けて調子が上がっていく調整で、しっかり勝ち上がれる力を付けて、また挑みたいと思います。(P-Navi編集部)