2021/12/18(土) 23:29
山陽オート(4日目)九州スポーツ杯G1第56回スピード王決定戦
【9R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
スタートで5・吉原恭佑が先制、2番手に6・篠原睦、3番手に2・森本優佑が続く。3周回1コーナーで篠原が吉原をかわして先頭を奪取。2番手以降は、吉原、森本、そして7・佐々木啓で混戦になる。4周回3コーナーで森本は吉原を抜いて2番手に上がるも、吉原も反撃して再逆転。両者の争いは、森本が5周回4コーナーで再度インから抜いて決着。後続を尻目に抜け出した篠原が1着、2着に森本、3着には佐々木が入線した。
1着/篠原睦(飯塚26期)競走タイム3.392
競走車名:チャージ ランク:S19
今節の成績:2着・5着・3着・1着
通算G1優勝回数:0回
スタートから好展開に持ち込んで今節初勝利。「山陽でスタートの感じが戻ってきた」ことは好材料だろう。道中も「吉原君より強めだった」エンジンで、冷静に抜け出した。今年は8月にオートレースグランプリでSG初制覇を達成するなどビッグイヤーになっている。SGに続いて、G1初制覇も達成するか。優勝戦はオール10mハンデの3枠でチャンスは十分だ。
2着/森本優佑(飯塚31期)競走タイム3.395
競走車名:キャプテンA5 ランク:A90
今節の成績:1着・3着・5着・2着
通算G1優勝回数:0回
ロッカーに引き上げると、仲間たちに「やっちゃいました」と笑顔。準決勝戦でハンデ重化していたが、見事にクリア。道中は「吉原君が篠原さんと離れていたので狙ってみた」と、吉原とのし烈な2着争いを制して、3年ぶり3度目のG1優出を果たした。過去2回は地元・飯塚だったので、他場でのG1優出は初。もちろんエンジンの手応えも良好。10線最内から、記念初優勝を目指して、まずは渾身のスタートを切れるか。
***************
【10R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
小雪が舞い散る中でスタート。10線最内の2・五所淳がスタートを決めるも、0ハンの田方秀和、柴田健治が落車のアクシデント(判定は田方の落因)。逃げる五所を、8・荒尾聡、7・松尾啓史が追う展開となる。荒尾は4周回1コーナーで五所を捕らえて先頭、松尾も3コーナーで2番手に浮上する。そのまま荒尾が松尾の追走を振り切って1着。6・西原智昭も上がってくるが、五所が3着に粘りこんだ。
1着/荒尾聡(飯塚27期)競走タイム3.386
チャリレンジャー(スポンサード選手)
競走車名:デフジャムAK ランク:S3
今節の成績:1着・3着・3着・1着
通算G1優勝回数:11回(2021年飯塚:ダイヤモンドレース)
スタート直後にアクシデントもあったが、序盤で好位置につけると早々に先頭に立って押し切り。今節2勝目、オール掲示板入りで、今節も優勝戦にしっかりと駒を進めた。G1は1月のシルクカップから9連続優出、さらに今年のG1優勝戦は8回中7回の掲示板入りと安定一途。エンジンは「トルクがない」ため、もうひと仕上げ。優勝戦で今開催の「3強」が直接対決となるが、勝負強さを発揮する。
2着/松尾啓史(山陽26期)競走タイム3.389
競走車名:ラディカルV ランク:S12
今節の成績:1着・3着・6着・2着
通算G1優勝回数:2回(2018年浜松:スピード王決定戦)
3日目は不安定な走路で6着に敗れたが、準決勝戦は2着で地元G1の優出を決めた。前節の飯塚からG1は連続優出だが、「乗りやすい」半面、「トルクが落ちている」ため、しっかりと仕上げていく構えだ。G1は過去2回制覇しており、2006年の山陽と2018年の浜松のスピード王決定戦。スタートは「自分なりに悪くない」とのことで、優勝戦は5枠から15年ぶりとなる地元のG1タイトル奪取を狙う。
※通算G1優勝回数の( )は直近の優勝開催
【11R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
1・落合巧がフライング。2回目のスタートで、10線内の2・野本佳章が前を叩いて先手を奪う。2番手には7・浦田信輔が続き、8・青山も2周回目には3番手につけて前を追う。浦田は野本をかわして先頭に立つと、青山も3周回目に2番手に浮上。青山は最終周回で浦田を捕らえて1着チェッカー。2着に浦田が入線。道中3番手を走る野本だったが6・岩崎亮一と接触して、岩崎が落車。3着入線は野本だったが失格(反因)で、4・前田淳が繰り上がりで3着となった。
1着/青山周平(伊勢崎31期)競走タイム3.383
競走車名:ハルク・73 ランク:S1
今節の成績:1着・4着・-着・1着
通算G1優勝回数:15回(2021年飯塚:プレミアムカップ)
試走タイムは3.25のトップタイムをマーク。今節は初日1着スタートも、2日目は4着、3日目は不成立となったが、準決勝戦はしっかりと人気に応えてみせた。それでもエンジン気配は「25の感じではなかった」とのことで、足りていないレース脚を追い求めて、整備を進める。今年9月の全日本選抜ではSGグランドスラムを達成と実績を積み上げている。今回も10線大外は厳しい位置ではあるが、ナンバーワンが貫録を見せつけるか。
2着/浦田信輔(飯塚23期)競走タイム3.395
競走車名:パンジャ ランク:S18
今節の成績:3着・3着・6着・2着
通算G1優勝回数:19回(2015年飯塚:開設記念レース)
試走から青山に次ぐ3.26と好タイムを叩き出した。最後は青山には交わされたものの、序盤は機力そのままに鋭く抜け出して優出を決めた。前節のG1優勝戦は1周回で落車に巻き込まれるアクシデント。それでも今節、立て直してG1連続優出を決めており、「優出できているから上出来」。エンジンは「悪くない」評価だが、後半垂れる点をどう解消してくるか。6年ぶり、そして通算20回目のG1制覇に今回も挑む。
***************
【12R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
10線から抜群の飛び出しを見せたのが6・岩見貴史で、0ハンの1・松生信二も叩いて、スタート一気にレースの主導権取りに成功。8・鈴木圭一郎も早々に2番手に上がって、岩見を追う。差を詰めた鈴木だったが、巧みに逃げる岩見の前に、仕掛けきれない。最終コーナーでも内に向けて逆転を狙うが、岩見が6周回を押し切って1着。2着に鈴木、3着は5・丹村飛竜で決着した。
1着/岩見貴史(飯塚29期)競走タイム3.363
競走車名:エルジヤンキス ランク:S30
今節の成績:2着・2着・2着・1着
通算G1優勝回数:2回(2021年飯塚:開設記念レース)
今節3日間はオール2着だったが、準決勝戦も目が覚めるようなスタート攻勢から1着。「後ろに付かれるのが早かった」と道中を振り返るが、追ってきた鈴木圭一郎を6周回封じ切った。エンジン気配は良好で、優勝戦に向けて「重さも取れたし、今日ベースで」セッティングしていく。タイヤは「今日のは低いので」考える。前節は地元でチャリロト杯G1開設記念レースを制覇。好枠の2枠から、G1連覇の期待も高まる。
2着/鈴木圭一郎(浜松32期)競走タイム3.367
競走車名:カルマ3K ランク:S2
今節の成績:1着・1着・2着・2着
通算G1優勝回数:13回(2021年川口:キューポラ杯)
岩見の逃げは捕らえきれなかったものの、準決勝戦2着のオール連対で優勝戦進出を決めた。エンジン評価としては今節一番も、優勝した11月の若獅子杯争奪戦の時と比較すると「劣っている」印象とのこと。滑る感じもあり、優勝戦に向けて態勢をを整えていく。あとは「良くない」というスタートをいかに決められるかがカギ。今節は初日に自身の持つ年間最多勝利数を更新。2日目に91勝まで伸ばしている。「優勝」という最高の結果で、さらに記録更新なるか。
※通算G1優勝回数の( )は直近の優勝開催
***************
【最終日・12R=優勝戦】
*8周回 4,100m(オール10mハンデ戦)
1/森本優佑(飯塚31期)10m
2/岩見貴史(飯塚29期)10m
3/篠原 睦(飯塚26期)10m
4/浦田信輔(飯塚23期)10m
5/松尾啓史(山陽26期)10m
6/荒尾 聡(飯塚27期)10m
7/鈴木圭一郎(浜松32期)10m
8/青山周平(伊勢崎31期)10m
優勝戦はオール10mハンデ戦。
今開催も天候が目まぐるしく変化し、選手たちは日々対応に追われるシリーズとなった。
初日こそ良走路だったが、2日目は湿走路、3日目は小雪も降った湿走路。そして4日目・準決勝戦は、走路自体は良だったが、最終レースでは気温4度と今節一番の冷え込み。準決勝戦の時間帯には時折、小雪も舞う中で激戦が繰り広げられた。
その不安定なコンディションの中でも、今節「3強」と目されている荒尾聡、鈴木圭一郎、青山周平の3選手はしっかりと優出を果たしてきた。飯塚勢が荒尾を筆頭に5名と大挙優出、地元からは松尾啓史がただ1人、優勝戦への切符を手にした。
気になる天候だが、前日段階では、朝方に雪または雨が降るが、日中は曇りで、晴れ間の時間帯もありそうな予報となっている。走路状況がどうなるかは前日段階では微妙なところであるため、当日の天候はもちろん要チェックだろう。
優勝戦の8選手中4選手が年末のスーパースター王座決定戦トライアル戦に出場とあって、3強対決も合わせて、前哨戦としても見逃せない一戦。
今年の「スピード王」の座は、誰の手に……!?
4日目も時折、雪が舞った山陽オート
***************
山陽オートの直近G1レース・レポート
令和グランドチャンピオンカップ(2021年4月)優勝者:丸山智史
スピード王決定戦(2020年12月)優勝者:木村武之
プレミアムカップ(2020年9月)優勝者:早川清太郎
令和グランドチャンピオンカップ(2020年6月)優勝者:長田恭徳
プレミアムカップ(2019年9月)優勝者:鈴木圭一郎(P-Navi編集部)