2020/05/16(土) 17:11
茨城県内に延びる全長約180km のサイクリングコース『つくば霞ヶ浦りんりんロード』。昨年、国の自転車活用推進本部が、ルートの魅力や安全な走行環境、アクセスなど、すべてを総合的に審査した上で、このルートを国が誇るサイクリングルートである『ナショナルサイクルルート』として認定した。
このルートは、おおまかに言うと、それぞれ人気の高かった2つのコースが合体したもの。桜川市のJR岩瀬駅と土浦の間の旧筑波鉄道跡に延びる約40kmは、完全に平坦でゆったりと走れるコースであり『りんりんロード』の愛称で親しまれ、ビギナーを中心に愛されてきたもの。現在は『旧筑波鉄道コース』と呼ばれるこのパートと、人気コースだった霞ヶ浦の湖岸道路一周に常陸利根川ぞいの潮来までの区間を加えた180kmが『つくば霞ヶ浦りんりんロード』を構成している。
[caption id="attachment_33473" align="alignnone" width="480"] 全長180kmのつくば霞ヶ浦りんりんロード[/caption]
『つくば霞ヶ浦りんりんロード』は全て一気に走っても、組み合わせても、部分的に走っても、もちろんOK。道しるべが随所に立っているし、車から自転車を守る工夫が施されているので、走行に自信のない人でも、不安なく走れるだろう。
ルートのゲートウェイ(交通機関からの入り口)となる土浦駅は『旧筑波鉄道コース』と『霞ヶ浦一周コース』をつなぐ位置にあり、レンタサイクルも豊富であるため、土浦をスタートゴールに設定するケースが多いようだ。ルート内には11のポートで貸出/返却が可能な広域レンタサイクル『RingRing広域レンタサイクル』が展開されており、これを利用すれば、手ぶらで来訪し、スタート/ゴールを自由に設定して楽しむこともできる。ルート沿いや付近には27もの駐車場が用意されており、自転車を積んで車で来訪するサイクリストのニーズにも応えている。
[caption id="attachment_33474" align="alignnone" width="640"] 11のポートで貸出/返却できる「RingRing広域レンタサイクル」[/caption]
せっかくの春の気持ち良い季節! 今回は、このトライしやすい環境が揃ったエリアで、レンタサイクルを使って、春を楽しむおひとりさまグルメライドをレポートしようと思う。
JR土浦駅まで常磐線を利用し、駅直結の駅ビル『プレイアトレ土浦』の中にあるサイクリング拠点『りんりんスクエア土浦』へ。1階のサイクルショップ 『ル・サイク』で予約しておいたレンタサイクルを受け取るのだ。
[caption id="attachment_33475" align="alignnone" width="640"] 1階のサイクルショップ ル・サイク[/caption]
[caption id="attachment_33476" align="alignnone" width="640"] アパレルなど、自転車を楽しむための品揃えも豊富[/caption]
『ル・サイク』は、店舗が運営するレンタサイクルだけでなく、広域レンタサイクルの窓口にもなっている。返却場所や貸出時間、車種、料金などの条件から、自分に合ったシステムをセレクトしよう(予約方法、返却時間等は要事前確認)。『りんりんスクエア土浦』の地下階にはコインロッカーやシャワーも設置されており、手ぶらで訪れ、ライドを楽しみ、ゴール後は元通りに身繕いして帰ることができる。
[caption id="attachment_33477" align="alignnone" width="640"] りんりんスクエア土浦地下には有料の駐輪場も[/caption]
[caption id="attachment_33478" align="alignnone" width="640"] シャワーも設置[/caption]
借りられる車体の選択肢は豊富で、ドロップハンドルのロードバイク、一文字ハンドルのクロスバイク、車輪の小さなミニベロ、キッズ・ジュニアバイク、二人乗りのタンデム、進化系電動アシストのe-バイクがあり、さらに『ル・サイク土浦』にはマウンテンバイク(e-バイクタイプ)やシティサイクル(ママチャリとe-バイクタイプ)も選択できる。お目当ての車体がある場合は、早めの予約がオススメだ。
加えて、地下1階ではハローサイクリングのシステムを使い、クロスバイク、ミニベロ、電動アシスト自転車のレンタルを行っている。予約不要、無人で貸出・返却ができ、対応時間も朝5時から翌1時までと長い。専用アプリの使用と会員登録が必須ではあるが、気軽に借りられるメリットは大きいだろう。
筆者は、ビギナーでも乗りやすいクロスバイクを借りるつもりでいたのだが、この日、霞ヶ浦沿いが強風となる予報であることを聞き、e-バイクに変更した。パワフルかつ細やかに走りをサポートしてくれるため、スポーツ走行しながらも、アップダウンや強風など、強度が高くなる部分はアシストしてくれるので、ひたすら快適に走れるのだ。
[caption id="attachment_33479" align="alignnone" width="640"] 向かい風対策として、e-バイクをセレクト![/caption]
今回借りるのは、日本の自転車老舗ブランドミヤタサイクルがプロデュースしたMIYATA CRUISE。パワフルなモーターと、フル充電で最長115kmを走れる大容量バッテリーが付いている。タイヤは28Cと太めで安定感があり、トップチューブもスローピング(傾けられている)で跨ぎやすく、身長155cmから乗ることができる。扱いやすく、乗りやすく、e-バイクの中では特にビギナーに勧められる車体と言えそうだ。バイク自体も9段変速。ミヤタサイクルが手掛けたものということもあり、車体自体の走行性能も信頼できる。
[caption id="attachment_33480" align="alignnone" width="640"] 大量のレンタサイクル用自転車が並ぶル・サイク店頭。これがあっという間に出はらうという[/caption]
新井店長に聞けば、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、他者と接することなく、一人や、カップル、家族で活動でき、感染のリスク低く楽しめるということで、サイクリングの人気が急上昇し、ここのレンタサイクルの稼働は一気に増えているそうだ。倉庫にあった車体も全て店頭には出しているが、土日などは開店30分ですべての車体が出払っていくのだとか。窮屈にも感じる最近の日々の中で、自転車で自由に走る開放感や、爽快感が受けているのだろう。
ヘルメットを借り、簡単なバイクの操作法を確認し、サドルの高さを合わせ、スタート!「店を出て、右に行って、ガードをくぐれば、もう標識がたくさんあるから大丈夫ですよ」とアドバイスを受けたが、まさに迷うことはないであろう量の道案内が、交差点や路面に施されていた。水辺の景観が見えている。霞ヶ浦は、すぐそこだ!
[caption id="attachment_33481" align="alignnone" width="640"] ガードを越えると水辺の景観が広がる。交差点には自転車の通行位置を示すピクトグラムが描かれている[/caption]
[caption id="attachment_33482" align="alignnone" width="640"] 迷うことなくサイクリングルートに入れるよう、要所には道標も立つ[/caption]
[caption id="attachment_33483" align="alignnone" width="640"] 桜並木を抜けていく。路面には自転車の走行位置を示す表示が描かれている[/caption]
桜並木を抜け、路面の案内をたどっていくと、もう一つのゲートウェイ施設である『りんりんポート土浦(五月まで休館の可能性あり、要事前確認)』にたどり着いた。広域レンタサイクルの貸出しや返却に加え、シャワー、休憩などをすることができ、特に車で来訪するサイクリストには非常に使いやすい施設である。
[caption id="attachment_33484" align="alignnone" width="640"] もうひとつのゲートウェイ施設「りんりんポート土浦」[/caption]
[caption id="attachment_33485" align="alignnone" width="640"] 中には広い休憩スペースが広がる[/caption]
このあたりに差し掛かると、土浦の市街地の景観から、緑と水辺の心なごむ景観に変わっていく。芽吹きの季節である春は、目に飛び込んでくる鮮やかな色味が気持ちを明るくしてくれる。
[caption id="attachment_33486" align="alignnone" width="640"] いよいよサイクリングルートへ[/caption]
[caption id="attachment_33487" align="alignnone" width="640"] ルートを共有する釣り客との接触を防ぐため、注意喚起のピクトグラムが描かれている[/caption]
今回は、霞ヶ浦の北岸を東に向かい、『かすみがうら市交流センター』を目的地として折り返すコースとした。コースは平坦で、走りやすいのだが、厳しい要素があるとすれば、霞ヶ浦に吹く風だ。距離は約20km。少し長いかという懸念もあるが、なにせe-バイク。たとえ強風の日になったとしても、速度が時速24kmに達するまではしっかりとアシストしてくれる。信号がないこともあり、1時間あまりの乗車で到達できるはず。休憩を入れても、安定して走れれば、長いライドにはならないだろう。
茨城県の面積の35%をも占めるという霞ヶ浦はやはり大きく、右手には湖だということを忘れてしまうほど雄大な霞ヶ浦の湖面が広がる。
[caption id="attachment_33488" align="alignnone" width="640"] 右には霞ヶ浦、左にはハス畑、左右に広がる景観を写真では表現しきれないのが残念![/caption]
[caption id="attachment_33489" align="alignnone" width="640"] 一面のハス畑。夏はハスの葉と花が織りなす絶景が広がる[/caption]
そして、特に北岸地域一帯には、ハス畑が広がっているのも、霞ヶ浦の名物だ。夏は、生い茂る緑の葉の中に神々しくハスの花が咲き、他では見られない絶景が広がる。この時期はまだ葉も出ておらず、畑と呼べども区画分けされ水が湛えられた小さなプールのような状態で、それぞれの水面が陽を浴びてキラキラ輝いていた。
[caption id="attachment_33491" align="alignnone" width="640"] ハス畑と山々と集落と。広がるのどかな景観に心も平らかになっていく[/caption]
右手に霞ヶ浦、左手にはハス畑と田園風景が広がる景観の真ん中でペダルを踏み込んで進んでいく。自分の周囲360°の視界を楽しめる自転車だからこその感覚を味わいたい。信号もなく、車のストレスもほとんどない。空が広く、最高の開放感だ。
[caption id="attachment_33492" align="alignnone" width="640"] 路面は走りやすく整備され、道標となる路面表示もバッチリ[/caption]
[caption id="attachment_33493" align="alignnone" width="640"] ルート内は自転車だけでなく、歩行者や一部クルマとシェアする区間もあるが、交錯の危険が起きないよう、随所に分離や注意喚起の工夫が凝らされている[/caption]
行きは強烈な追い風で、電動も要らないほど。車体自体の転がり性能もよいようで、電動を使わなくとも、快調にバイクは進んでいく。春の風が心地よい。あっという間に、土浦の街は見えなくなった。
[caption id="attachment_33494" align="alignnone" width="640"] タンデムに乗る方々を発見。息もぴったりだった[/caption]
[caption id="attachment_33495" align="alignnone" width="640"] 家族で自転車を楽しむ姿も目立った[/caption]
タンデム(二人乗り自転車)に乗る二人と遭遇した。まだメジャーな乗り物ではないので、練習しながら乗っている様子。車の心配も、迷う心配もないこのルートなら、確かにタンデムという選択肢もある! すぐに乗り慣れたようで、足並みを揃え、会話を交わしつつ、霞ヶ浦の環境を楽しんでいるようだった。
これまでしばらく自然の景観を楽しんできたが、水産加工店や鳥居などが見えてきた。新発見したような新鮮な感覚だ。こういう発見が、自転車の魅力の一つ! ハス畑と湖面の広がりと、霞ヶ浦の漁船が停泊する風情をしばらく楽しんだのち『かすみがうら市交流センター』に到着!ほんのりと青みがかった真新しい建物は芝生と青空によく映える。ウッドデッキに自転車を置いて、中に入ろう。スタートから1時間あまり。追い風のおかげで、想定していたよりもはるかに早く着けた。
[caption id="attachment_33496" align="alignnone" width="640"] 「かすみがうら市交流センター」に到着。環境によく映えて美しい[/caption]
[caption id="attachment_33497" align="alignnone" width="640"] 特産品が並ぶ「かすみマルシェ」[/caption]
2階レストランは定休日ながら、1階の『かすみマルシェ』とレンタサイクルはオープンしており、この日も多くのサイクリストがカフェを利用していた。レンタサイクルは1時間単位か、5時間という短い利用ができ、軽いサイクリングをするならリーズナブル。ここからスタートするというプランもよいだろう。
[caption id="attachment_33498" align="alignnone" width="640"] レンタサイクルも展開。短時間利用には特にオススメ![/caption]
[caption id="attachment_33499" align="alignnone" width="640"] 「かすみマルシェ」おしゃれなメニューを見るだけで心躍る[/caption]
地域の特産物の購入や、カフェ・軽食利用ができる『かすみマルシェ』。今回は悩んだ末にスイーツをいただくことにした。春ライドとあり、季節限定のいちごメニュー! 食事をとも思ったのだが、自転車のホイールにも縁がある、リングシュー『いちごのパリブレスト』をセレクト。サクサクのシュー皮と甘さ控えめなカスタードクリーム、ふわふわホイップと新鮮ないちごが入り、パフェ級のゴージャスさ! メニューから想像していたよりも、かなりボリューミーだったのだが、まったくしつこくなく、ペロリと食べてしまった。聞けば、名産の蓮根豚を使ったハンバーガーや、特産のイモを焼き、その上にアイスを乗せた焼きイモアイスなどが人気なのだとか。
[caption id="attachment_33500" align="alignnone" width="640"] 食べ応えのあるいちごのパリブレスト。期間限定の春スイーツだ[/caption]
実は、この日は火曜日で、地域の店舗の多くが定休日。立ち寄り予定だったベーカリーも残念ながら定休日で、このあとの立ち寄りと帰路に悩んでいた。来た道を戻ると20km弱、気になっていたサンドイッチ店に行くなら、湖畔から離れ、国道に出ねばならず、コースに不安はあるが、総走行距離としては大差ない。帰路の霞ヶ浦湖畔道路は強烈な向い風になる可能性も高く、違う道を行った方が快適に走れる可能性もある。
[caption id="attachment_33501" align="alignnone" width="640"] 多くの利用客でにぎわう館内[/caption]
レンタサイクルの管理に立ち寄ったというタカハシさんに聞くと「大丈夫、行かれますよ!」と笑顔。この店はかなり昔から営業していて、評判はいいと言う。「流行る前からフルーツサンドなども作っていて、どれもおいしいですよ!」と、店までの道を教え、後押ししてくれた。よし、行こう! 行くしかない! 今日はe-バイク。このアシストがあれば、万が一アップダウンが出てきても問題ないはず! 目指すは老舗のサンドイッチだ!
タカハシさんに教えていただいた通り、水資源機構の水管理所の手前を右折し、直進する。雑然とした市街地かと覚悟していたが、ここに伸びていたのは、静かな自然の中の道で、交通量も少なく走りやすい。水辺空間とは、また違った爽快さがある木立を抜けていく。この道から左手に広がる木立には筋道も延びており、この中に入ると、どんなところにたどりつくのだろうと想像をめぐらせてみる。どこかの高原に旅行に来たような感覚!東京通勤圏内の駅から、さほど離れてもいない場所なのに。
[caption id="attachment_33502" align="alignnone" width="640"] 木立の間を抜けて走る。水辺の道とはまた違う爽快感を味わえる[/caption]
[caption id="attachment_33503" align="alignnone" width="640"] 春景色が広がるルート。交通量が少なく、路面状態も良好で走りやすかった[/caption]
迷うことなく国道354号にたどり着いた。教わった通り、ここを右折すると、あった! 昔ながらの親しみやすい店構えで『サンドイッチ ムラタ』と書いてある。サイクルラックも準備されていた。感動して店内に入ると、コッペパンサンド、サンドイッチ、手作り弁当も! さらにはコンビニのように少々のお菓子やドリンクも販売されていた。
[caption id="attachment_33504" align="alignnone" width="640"] サンドイッチムラタに到着!感動だ[/caption]
[caption id="attachment_33505" align="alignnone" width="640"] 豊富な種類のサンドイッチが並ぶ。売り切れ商品も多い[/caption]
午後に差し掛かり、売れてしまった商品もあったのだが、品揃えはとても豊富で、定番のたまごやハム、野菜サンドに加え、あんやジャムなどのシンプルサンド、カツなどのボリュームサンドあり、うわさのフルーツサンドも並んでいた。聞けば、たまごサンドが一番人気なのだという。ナポリタンロールなどの食事系パンもおいしそうだし、でも全部なんて食べられないし、持って帰ったらつぶれちゃうし、と、決めきれず、ケースの前をウロウロ、ウロウロ。「この風の中、よく自転車でここまで来たね」とねぎらい、ご主人がごほうびのチョコをくれた。みなさんの温かさにも感動。
[caption id="attachment_33506" align="alignnone" width="640"] 人気のフルーツサンド。デザートになるサンドイッチだ[/caption]
[caption id="attachment_33507" align="alignnone" width="640"] 気になりすぎる「ちくわ天ロール」味付けは?[/caption]
結局、一番人気だというたまご、を、ハムで巻いたハム巻たまごサンドに決定! 花のようで、見た目もとても美しい。さらに今回のテーマにのっとり、いちごの生クリームサンドと、スパゲッティロールをセレクトした。複数のメンバーで来られたら、あれこれシェアできていいな。
[caption id="attachment_33508" align="alignnone" width="640"] 珍しいハム巻サンド。歯応えも魅力![/caption]
[caption id="attachment_33509" align="alignnone" width="640"] 中身たっぷりのスパゲッティロール。子供のころ食べたような、懐かしいおいしさ[/caption]
お礼を言って、近くで早々にいただいた。まずは、パンの極上のしっとり具合にうっとり。レタスは噛めばシャキシャキ音を立てるし、ハムの歯応えとクリーミーなたまごが相まって、ともかくおいしい!いちごサンドも、いちごの新鮮さが際立っていて、生クリームを重く感じない。ナポリタンロールは(食べきれず、持ち帰って食べました)、ほんのり甘いパンと、ほんのり甘い昔ならではのスパゲッティがベストマッチで、懐かしい味わいに、ほっこり。勇気を出して、ここまで来てよかった! 真心のあるサンドイッチショップだった。他のサンドもトライしたいし、また絶対にやって来よう。
サンドイッチショップのすぐ近くに焼きイモ屋があるのだけれど、残念ながら火曜日は定休日とのこと。このまま土浦駅を目指すことにした。この国道は交通量が多いので、怖いと感じる方は、2kmほど走ってから、左折して霞ヶ浦方面に向かい、湖畔道路などに戻るとよいだろう。筆者はもうしばらく国道を走り、ハス畑が見えて来てから、左折した。陽の光にキラキラ輝くハス畑の間を抜け、霞ヶ浦に向かう。湖岸道路に復帰すると、もううっすら桜のピンクに染まった土浦が見えていた。ほんの数時間のライドだったのに「帰ってきた」なつかしさのような喜びが漂うのが不思議だ。
[caption id="attachment_33510" align="alignnone" width="640"] 土浦が見えた!「帰ってきた」喜びが胸に沸き起こる[/caption]
[caption id="attachment_33511" align="alignnone" width="640"] 好天に恵まれたこの日、土浦近辺を自転車で散策する方も多かったようだ[/caption]
表示に従い、土浦駅を目指す。表示がわかりやすいから、迷う心配もなし。またガードをくぐって土浦駅前に戻ってきた。想定よりかなり早く戻ることができたので、もう一軒、仕上げに立ち寄ってみようか。
駆け込んだのは、夏場は行列ができるという『未来氷カフェ』。南アルプス天然氷を使用したかき氷を提供するカフェで、厳選した季節のフルーツと洋菓子からインスピレーションをうけたオリジナルフレーバーが人気の店だ。かき氷の他にも、パンケーキやクレープなどを展開していて、どれもこれも、キレイで、おいしそう! インスタ映えすること間違いなし。
[caption id="attachment_33512" align="alignnone" width="640"] 「未来氷カフェ」店内。かき氷だけでなく、パンケーキ、クレープ、タピオカ、チーズティー、と、メニューの多さに驚いた[/caption]
[caption id="attachment_33513" align="alignnone" width="480"] 上にフレッシュないちごと生クリーム、パイがあしらわれたいちごミルフィーユ。新感覚のスイーツだ[/caption]
あまりにメニューが豊富で悩んでしまったけれど、せっかくなので、かき氷を頼んでみることに。またテーマにのっとって、いちごミルフィーユ(いちご収穫期限定メニュー)を選んだ。かき氷にパイとカスタード? どんな風味になるのだろう。
待つことしばし。手際よく作ってくれて、大きくも愛らしく、まるい2色のかき氷がやってきた。かわいい! きれいに真ん中で色分けされ、半分はいちご、半分はカスタードソース、上にはホイップクリームとパイ、いちごがあしらわれている。あまい香りも食欲をそそる。さっそくスプーンを入れると、氷はふわふわ! 酸味が生きてフレッシュないちごソースと、やさしい甘さのカスタード。カスタードクリームのようなこってり感がなく、冷たさが心地よい幸せな甘さ。食べ進めると氷の中に潜んでいたいちごが現れ、思わず歓喜の声を上げてしまった。大きく見えたけれど、ふたつのソースが飽きさせず、冷たい氷が気持ちよく、あっという間にペロリ。ゴージャスなデザートを食べた満足感はあれど、ケーキやパフェを食べるよりさっぱりしていて、食後も気持ちいい。水分も補給でき、サイクリングにはぴったりのごちそうだ。
ゴールの土浦駅は、もうすぐそこ。満ち足りた気持ちで『ル・サイク』へ。自転車を返し、お礼を言って今日のライドは終了。走行距離は40kmあまり。フラットなコースと、e-バイクのアシストのおかげで、そんなに走ったかと信じられないくらいあっという間のライドだった。摂取カロリーの方が消費カロリーを上回っているような気がするが、爽快感と達成感が残ったから、ヨシ。楽しかった!
今回は霞ヶ浦北岸の20kmで折り返したが、もう少し足を伸ばし、霞ヶ浦大橋まで行けば道の駅もあり、立ち寄りの選択肢も増える。さらに慣れてくれば一周(大橋でショートカットして90km、フルに回って125km)も夢じゃない。土浦から旧筑波鉄道区間へ向かってもよいし、返却を別のスポットに設定すれば、旧筑波鉄道区間と霞ヶ浦の一部を組み合わせて走り、そのまま帰るコース設定も可能だ。ヒルクライムに興味があれば、筑波山を取り入れてもいいだろう。e-バイクを使えば、コースや距離の選択肢も一気に広がるのだ!
『つくば霞ヶ浦りんりんロード』は、誰にでも挑戦しやすい平坦コースが広がり、安全が確保され、誘導も十分にあるサイクリングルート。加えてこれだけのレンタサイクルの選択肢がある土地は、国内にも類を見ないといえるだろう。サイクリングに興味が持てたなら、ぜひ、ここでチャレンジしてみてほしい。
写真/編集部
※新型コロナウイルスの影響により、サービス内容や営業時間などは変更になる可能性があります。事前にご確認ください。
※3月に取材(P-Navi編集部)