宇都宮シクロクロス(イベントレポート)

2020/01/21(火) 11:59

宇都宮シクロクロス(イベントレポート)

『道の駅うつのみや ろまんちっく村』を舞台に、12月14日、15日の2日間、多くの来場者を迎えて開催された『カンセキpresents 2019宇都宮シクロクロス』。このレポート後編では、会場の雰囲気をお伝えしていこう。

[caption id="attachment_31267" align="alignnone" width="640"] 多くの来場者でにぎわった宇都宮シクロクロス[/caption]

人気の高い道の駅が会場となった『足の運びやすさ』もあり、競技を知らない層も遊びがてら来場していたようだ。クリスマス前ということもあり、会場内にはクリスマスツリーも飾られ、お祭りモード。

[caption id="attachment_31268" align="alignnone" width="479"] クリスマスツリーやサンタクロースのオーナメントが会場を和ませる[/caption]

[caption id="attachment_31269" align="alignnone" width="640"] 自転車ブランドのブースも並んだ[/caption]

会場は、競技大会の開催という緊張感が漂う場所ではなく、誰もが週末を楽しめる場所として、訪れる皆を歓迎する居心地のよい空気に包まれていた。毎年、10万人を超える観客を集める大人気レース『ジャパンカップサイクルロードレース』を主催する宇都宮市の宇都宮サイクルスポーツ推進委員会による開催ということもあり、レースの運営や、来場者へのもてなしは慣れたもの。子供から大人まで楽しめる企画が練られており、終日、笑顔の来場者が会場内を行き交う光景が印象的だった。

[caption id="attachment_31270" align="alignnone" width="640"] レースを眺めながら飲食を楽しむ来場者[/caption]

この日一番人気だったのはなんといってもフードブース。宇都宮市のチーム『宇都宮ブリッツェン』をサポートするフードサプライがブリッツェンバーガーや焼き餃子をスープに浸す水餃子など、オリジナルメニューを提供するほか、近隣の那須の那須和牛や、ろまんちっく村の有名な地ビールなど、ご当地グルメが多く登場。多くの来場者がグルメブースを堪能した。気に入ったフードをテーブルでいただきながら、レースを観戦できるようイートスペースも確保され、レースの観戦と飲食を楽しむことができ、好評だった。

[caption id="attachment_31271" align="alignnone" width="640"] 栃木のレース会場ではおなじみのブリッツェンバーガー。まぜものなしの分厚いパテが人気[/caption]

[caption id="attachment_31272" align="alignnone" width="640"] 香ばしい香りを漂わせる那須和牛[/caption]

[caption id="attachment_31273" align="alignnone" width="640"] ろまんちっく村で人気の地ビール。シクロクロスの観戦にはアルコールもアリだ[/caption]

冠スポンサーのカンセキブースでは、アウトドアの提案も。アウトドアさながらに、テント内でくつろいだり、肉まんをホットサンドベーカーで焼いてくれるサービスがあったり、キャンプツーリングの展示などもあり、アウトドアへの興味をそそられた来場者も多かったようだ。

[caption id="attachment_31274" align="alignnone" width="640"] アウトドアの提案がされたカンセキブース[/caption]

[caption id="attachment_31275" align="alignnone" width="640"] キャンプツーリングの提案も![/caption]

宇都宮市動物園からは、動物のふれあいコーナーが用意された。うさぎやモルモット、小型犬に子供たちは大喜び!フライオーバーのすぐ横に設置され、決死の表情で駆け上がる選手たちの間近で子供たちが小動物に夢中になる光景はある意味シュールでもあったが、家族連れが多かったこともあり、終日、多くの子供たちが目を輝かせて動物とふれあいを楽しんでいた。

[caption id="attachment_31276" align="alignnone" width="640"] うさぎやモルモットに、こどもたちは大喜び[/caption]

[caption id="attachment_31277" align="alignnone" width="640"] フライオーバーのすぐ横に設置された移動動物園[/caption]

14日にはペダルなし自転車でのレースもレースサーキットに併設する会場で開催され、多くの未就学児たちが懸命にコースを駆けめぐり、応援する両親、祖父母たちとともに、熱く盛り上がった。小さな子供たちがトラブルにもめげず、ゴールを目指して真剣に走るさまは、なんともかわいらしく、いたいけで、ついつい引き込まれてしまう。

[caption id="attachment_31278" align="alignnone" width="640"] 大人たちのレースの横で、子供たちの本気のレースも展開されていた[/caption]

[caption id="attachment_31279" align="alignnone" width="640"] 微笑ましいキッズライダーの頑張り[/caption]

来場者の中には、参戦するものと、観戦に徹するものに分かれるわけだが、もっとも参加しやすいのは『エンデューロ』だ。2~4名のグループでの参加し、交代しながらコースを走る。規定時間内に最多周回を走ったチームが優勝というレースではあるが、仮装賞も設けられており、観客の目を楽しませる仮装に力を注ぐ参加者も。仲間とお試しでレースに挑戦してみるという参加も可能とあり、このシクロクロスサーキットへの挑戦のハードルを下げる役割を担っている。走行を楽しむ参加者の姿もあり、会場内には、ほんわかとした空気が漂う時間となった。

[caption id="attachment_31280" align="alignnone" width="640"] 仮装ライダーが会場を盛り上げた[/caption]

[caption id="attachment_31281" align="alignnone" width="640"] ピットエリアにも仮装ライダーが待機[/caption]

シクロクロス観戦の必需品はカウベルだ。本場ではスイスサポーターが特大のカウベルを抱えて練り歩く姿があったと記憶しているが、日本ではそれを模した小型のカウベルを鳴らすのがスタンダードとなっている。宇都宮モデルのカウベルも販売されており、さまざまなカウベルを集めているファンもあれば、お気に入りのカウベルを携帯しているファンも多い。

[caption id="attachment_31282" align="alignnone" width="479"] 宇都宮のロゴ入りカウベルも販売。ジャパンカップクリテリウム10周年を記念したもので、クロス観戦以外にも使用可能だ[/caption]

[caption id="attachment_31283" align="alignnone" width="479"] お気に入りのカウベルを持って来場[/caption]

シクロクロスでは、サーキット内に『自転車に乗ったまま走破できないエリア』を含めることがルールで規定されており、選手たちがバイクを降りたり、低速になるゾーンが必ず存在する。特に国内のシクロクロスは選手と観客が近く、密であり、またそれが観戦の魅力でもある。観戦に慣れたファンたちは、そういったスポットを狙い、声をかけ、写真を撮り、時には相互交流をしながら、ディープな観戦を楽しむのだ。

[caption id="attachment_31284" align="alignnone" width="640"] 観客のすぐ目の前を行く選手たちに声援をかける[/caption]

シクロクロスは、主催者が会場となる公園や河川敷、ビーチなど、それぞれの環境を利用し、工夫してコースを作り上げる。それぞれのコースの独自性が高く、個性があることも、シクロクロスの観戦を面白くしている一因だろう。今回のコースは、ろまんちっく村の『里のエリア』『森のエリア』『ドッグラン』を利用したもの。上りもあり、テクニカルな泥キャンバーあり、全般的な見通しも効いて、なにより自然が美しい。観戦をしながら、選手たちを追ってコースを歩くだけでも、自然浴のように、初冬の風景を満喫することができた。

[caption id="attachment_31285" align="alignnone" width="640"] 自然の中を走る自転車。アクシデントを見守るのも観戦の醍醐味のひとつ[/caption]

[caption id="attachment_31286" align="alignnone" width="640"] メイン会場とレースサーキットを見晴らしながら[/caption]

[caption id="attachment_31287" align="alignnone" width="640"] 選手たちが苦しむキャンバーにも観戦とコミュニケーションを楽しむ観客たちが集まった[/caption]

多くの自転車愛好家を擁する栃木県内の開催とあり、立哨観戦者の心を解するスタッフが多く、コース横断の指示や、声かけなども非常に気持ちのいいものであった。

[caption id="attachment_31288" align="alignnone" width="640"] 自転車で訪れる来場者も多く、会場内に駐輪場を設置[/caption]

[caption id="attachment_31289" align="alignnone" width="640"] 勝利を確信したケセグステブコアが観客とハイタッチしながらフィニッシュラインに向かう[/caption]

エントリーしたレーサーたちにも、観戦に訪れた親子連れにも、たまたま開催日に遭遇した近所の方々にも、皆に対してウェルカムな空気が広がっており、誰もが会場での時間を楽しめるイベントとなっていた。周回コースであり、展開も見て取れるシクロクロスは観戦を楽しみやすい種目である。これまで観戦に出向いたことのない方も、ぜひ次回の開催には足を運んでみてはいかがだろうか。エキサイティングで、楽しい時間が過ごせることだろう。

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写真提供:カンセキpresents 2019宇都宮シクロクロス/編集部(P-Navi編集部)

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