日刊スポーツ・松井律記者による競輪コラム『競輪・耳をすませば』。10代の頃から競輪の魅力に惹かれ、今も現場の最前線で活躍中のベテラン記者が、自由気ままに綴る連載コラムです。 バブル好景気の名残が消えかかっていた92年、私は専門紙に入社した。 高校2年になると、学校にはろくすっぽ行かず、バンド活動なんぞをしながら、たくさんアルバイトをした。家庭教師に始まり、ラーメン屋、ビールの売り子、引越し業者、ウェイター、スナックのバーテン。少し蓄えが出来るほどには稼げていたが、まったく将来には希望は見えず、徐々に“プー太郎”同然の生活になっていった。貯金も底をつきかけていた時、折り込み広告で専門紙の「インタ…