レインボーブリッジを自転車で走行!「レインボーライド2024」レポート

2025/01/08(水) 12:00

「レインボーブリッジ」や「ゲートブリッジ」を交通封鎖し、自転車で走る「レインボーライド」

東京のお台場エリアで「レインボーライド」が2024年12月、開催された。交通封鎖を行い、レインボーブリッジや東京ゲートブリッジを自転車で走ることができる人気イベントだ。

レインボーライドが開催されるのは、今回が3回目。今年は「若洲海浜公園」内外の走行がプラスされ、最長の「レインボーロング」コースが35kmとなった。他に19kmの「レインボーミドル」、8kmの「レインボーショート」が設定された。

3コースともにお台場海浜公園からスタートし、レインボーブリッジを渡る。「ショート」は「セントラル広場」にフィニッシュし、「ミドル」と「ロング」は「東京港海の森トンネル」を走り、「海の森水上競技場」へ。「ロング」はここからさらに「東京ゲートブリッジ」を渡り、「若洲海浜公園」を走って、折り返す。

イベント中は首都高速台場線ならびに、お台場、青海、有明、若洲エリアの一部の道路で交通封鎖が行われた。国内では交通封鎖をしてサイクリングイベントが開催されるのは非常に稀で、自転車に慣れていない方でも安全に走ることができる。さらに普段はクルマ専用の高速道路となっているルートを自転車で走ることができるのがポイント。1年に1度、この日だけ自転車で走れるスペシャルイベントとあって、今年も定員いっぱいの6000人がエントリーし、このライドを走った。

UCIのトニー・ミッチェル理事から「UCI BIKE CITY LABEL」の認定パネルが、東京都の小池知事に手渡された

朝、スタート会場となる「お台場海浜公園」には、東京都の小池百合子知事や各区の区長、アンバサダーを務める著名人たちに加え、UCI(世界自転車競技連合)のトニー・ミッチェル理事が集合した。実は東京都が「UCI BIKE CITY LABEL」を取得し、その認定パネルの授与式がライドのスタート前に催されたのだ。

「UCI BIKE CITY LABEL」とは、自転車の先駆的な取組を行う都市をUCIが認定するもので、自転車振興策として、UCIが推し進めている動きだ。東アジアで取得したのは東京都のみ。コペンハーゲン(デンマーク)、グラスゴー(イギリス)、ヒュースデン・ゾルダー(ベルギー)、パリ(フランス)、バンクーバー(カナダ)など、世界の自転車先進都市と東京が肩を並べることになる。

スタートに先立ち、この認定パネルが授与され、大きな拍手が送られた。この後、小池知事がスターターを務め、最長カテゴリーの「レインボーロング」から順に参加者がスタート。この日は晴天に恵まれ、太陽の陽に輝くレインボーブリッジに向け、参加者が飛び出して行った。

太陽の光に輝くレインボーブリッジを走る

早朝は肌寒かったが、時間を追うごとに気温も上がり、絶好のサイクリング日和に。コースは、概ね平坦で走りやすいプロフィールだが、橋に登る部分だけは、登坂が避けられない。ただ、電動アシストバイクも使用OKとあり、脚力に自信のない方々も、広く参加できたようだ。今年も子ども乗せ自転車の使用が許され、子ども乗せ電動アシスト自転車で、まるで日常のようにお子さんとこの特別なコースを走っている親子も多く見受けられた。レンタサイクルとして提供された電動アシストタイプの都内のシェアサイクル車体に乗る方も多く、「サイクリングイベント=スポーツバイクが集まる」イメージもあったが、この日は日常使いの自転車が多く「日常」と「特別な1日」が融合した、不思議な感覚があった。

東京都もタンデム(二人乗り)の走行が許可されることになり、タンデムで走る参加者も
完全に交通封鎖され、両方面、全車線が自転車のために開放された

今回、変わった点といえば、「海の森トンネル」がライトアップされ、レインボーカラーと海をイメージしたブルーに輝く空間が演出されたこと。通常は車窓越しに見る高速道路のトンネルの内部を自転車で眺めながら走り抜けるだけでも、貴重な経験となり、テンションが上がるが、今年は美しさも加わり、さらに忘れられない経験となったようだ。

ゲートブリッジ脇を走る。橋の上からは最高のパノラマが楽しめたようだ
ライトアップされた「海の森トンネル」。レインボーブリッジにちなみ、レインボーカラーで華やかに
「海」をイメージした神秘的なブルーのライトアップ

参加者が口を揃えて感動したと語るのが、「東京ゲートブリッジ」からの眺め。橋の上にはすばらしいパノラマが広がっており、美しい富士山の姿もくっきりと望むことができたそうだ。中には「羽田空港を飛び立った飛行機と富士山との奇跡のようなコラボレーションを堪能できた」という方も。思い出に残る1日になったようだ。

笑顔でコースを駆け抜ける

各コースともに、参加者の満足度は非常に高く、東京都と近隣県からの参加者が多く、ある意味、見慣れた光景だったはずではあるが「東京ってこんなに美しいんだ」と、東京の魅力を再認識したという参加者が多かったようだ。

美しい紅葉が残るの初冬のお台場「セントラル広場」にフィニッシュ。トニー・ミッチェル理事も笑顔で完走し、このイベントを高く評価した

今回も、子どもも多く参加し、まさに年齢性別を問わず、広い層が特別なライドを楽しむ貴重な1日となった。このイベントは今後も継続される様子。参加申し込みは抽選となる可能性が高く、気になる方は夏頃から2025年度の情報をチェックしていただきたい。
UCIにも認められた日本が誇るこの東京のライドを、世界の方々に向けて発信し、海外からの参加者も迎え入れるグローバルなイベントになってくれたらと期待したい。

画像:GRAND CYCLE TOKYO実⾏委員会提供、編集部

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