【火の国杯争奪戦】「競輪は40歳からですね」飯野祐太が新境地へ

2024/10/05(土) 13:45

熊本競輪「開設74周年記念・火の国杯争奪戦(GIII)」は5日、3日目を開催。2Rの一般を走った飯野祐太に話を聞いた。

「余力もあって最後も踏み返せた」と話す飯野祐太

 3日目2R、飯野祐太が捲りを決めて1着。ラインで上位独占に導いた。初日も2日目も人気のラインに推されながら結果を出せずにいたが、ようやく本領を発揮して人気に応えた。

「熊本のお客さんは優しいですね。2日間、あんなレースだったからヤジを飛ばされるかと思ったけど、応援してくれました。感謝ですね。ゴール後も声援が大きかった。ありがたかったです。本当は2コーナーで中村(一将)さんの横まで行きたかったけど、思いのほか初速が出なかった。カントがキツいからなのか、2コーナーの出口から加速していきました。まぁ、とりあえずは3人で決まって良かったです」

 8月の松山GIII、前節の福井FIで決勝進出はあったが、1着となると7月川崎FIの初日以来、24走ぶりだった。

「最近は2(着)ばっかり。2班で常に予選スタートになって、勝つ競走というよりも負けない走りになっちゃって…。思い切ったレースが出来なくて守りに入っちゃっている。攻めないと勝てないですよね。あとは気持ちですね。2日目が終わって気持ちが切れかけていたけど、良かった」

 2日目のレース後、同県の小松崎大地からセッティング面でアドバイスをもらった。

「大幅に替えた。もうほぼ全部を替えた感じ。今のレースに合うセッティングにしてもらいました。簡単に言うと後輪にトルクがかかっているか、ハンドルにかかっているか。これまでは10何年前の感覚のまま、後輪にトルクをかけていた。それだと、今のレース形態ではスピードが上がっちゃうとダメ。3周している間に脚が削られてしまって残り半周がパタパタ。FIの初日はいいけど、準決勝以降になると厳しくなる。今日は前の方、ハンドルにかかっていると楽でしたね。余力もあって最後も踏み返せた。抜かれちゃうかなと思ったんですけどね」

 まだまだ若く見える飯野も9月20日に40歳になった。

「自分の10何年前の感覚を捨てなきゃいけないのかな。競輪は40歳からですね。今日は自分の感覚を捨てて人の自転車に乗っているみたいだった。初速もまだ慣れていないっていうのもあると思う。最終日もこの感じで行ってみます」

 競輪もひと昔前とは変わっている。葛藤がありつつも前に踏みだした。40歳で新境地へ、飯野の最終日、その後の走りにも注目していきたい。(netkeirin特派員)

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