2023/07/02(日) 19:09
開設73周年記念「三山王冠争奪戦」G3(最終日)
上毛三山の赤城山、榛名山、妙義山の裾野に位置する前橋競輪場で、6月29日から4日間の日程で開催されてきた前橋競輪開設73周年記念「三山王冠争奪戦」G3は、本日最終日を迎えた。
2日目の二次予選でS級S班の佐藤慎太郎が失格で姿を消すなど波乱含みの開催となったが、地元ファンの声援を受けた群馬勢が奮起して、佐々木悠葵、木暮安由、小林大介の3名が決勝に進出した。また、前走の岸和田では振るわなかった眞杉匠が自信のある走りを見せると、落車の影響を抱えた平原康多も力走。今年2つのタイトルを手中にしている古性優作や深谷知広らも順当に勝ち進み、力の違いを示した。
群馬勢3車と眞杉-平原の関東2車が別線となった決勝は、最終HSで力強く仕掛けた松本貴治の3番手で続いた古性優作が、最終4コーナーで巧みなコースどりから抜け出し1着でゴール。昨年7月の福井記念以来、7回目のG3優勝を果たした。
※準決勝のレポートはこちら
【前橋競輪G3(最終日)12R=S級決勝】
1/佐々木悠葵(S1・群馬115期)
2/古性優作(SS・大阪100期)
3/内藤秀久(S1・神奈川89期)
4/松本貴治(S1・愛媛111期)
5/深谷知広(S1・静岡96期)
6/小林大介(S1・群馬79期)
7/眞杉匠(S1・栃木113期)
8/木暮安由(S1・群馬92期)
9/平原康多(SS・埼玉87期)
【レース展開】
誘導以下、7眞杉-9平原、1佐々木-8木暮-6小林、5深谷-3内藤、2古性、4松本で周回を重ねる。まず青板後に深谷が上昇して眞杉に並びかけると、青板バックで古性が前を抑えて先頭に立と、その後位に松本が続き、眞杉は3番手に入る。赤板過ぎに眞杉が仕掛けると、平原との連携は崩れるも、古性を打鐘前に叩いて先行態勢位入っていく。最終HSで3番手から単騎の松本がスパートして、眞杉をかわして主導権取りに出る。深谷も捲りを仕掛けるが、これは不発。逃げる松本の後位には眞杉、さらに古性、佐々木の隊列で最終BSを通過。最終4コーナーで3番手の古性が中コースを鋭く突いて抜け出し優勝のゴール。2着に外追い込んだ佐々木、3着は逃げた松本が粘った。
【前橋競輪G3(最終日)12R=S級決勝・結果】
2車単2-1 1,940円(7番人気)
3連単2-1-4 11,680円(32番人気)
決まり手:差し-差し
優勝/古性優作(SS・大阪100期)
今回成績/特5・二1・準1・決1
次走出場予定/函館G2(7月15日~17日)
とにかく初日のような失敗をしないように、初日の反省を踏まえたレースをしました。先頭に出た後に、どのラインが仕掛けてくるか分からなかったですが、赤板で松本(貴治)君が叩きにきたところをスイッチして、そのまま自力で捲っていけたら100点だったかなと思いますが、レース内容はあまり良くなかったのかなと思います。
自分は、体調が悪くても組み立てでカバーできると思っていて、力勝負してもダメなことは初日で分かっていたので、違う組み立てをしないと自分に勝機がないと思っていました。(勝機を見いだす)組み立てはできたと思います。意外と脚に来ていたので、最終BSでイケる感じではなかったですね。
今回は、勝ち上がりの段階で上杉(嘉槻)が頑張ってくれたし、自分の力だけでは無かったので、次につながるというよりは、また一つ一つ、上を目指して頑張るしかないと思いました。今後は、基本的には力で勝負をしたいですが、今日のように組み立てでレースをしなければいけない時もあるとも思うので、その時、その時で力を出し切れる状態で挑めたらいいと思っていますし、目標と理想のレースをさらに高いところに置いて、それをクリアできるようにトレーニングを頑張っていきます。
\前橋G3(最終日)注目選手ピックアップ/
【最終日1R=S級一般】
「来期を見据えた走り」
1着/舛井幹雄(S2・三重71期)
本来は、西でラインを固めなければいけないかもしれないんやけど、来期に繋がるレースもしたかった。せっかく全プロ競技で(エリミネーション)3位に入ったけど、A級に落ちて寛仁親王牌に出られなかった。1月からのA級で何とかS級点数を取って来年の高知の全プロで頑張れたらと思っています。何十年も生きてると、怪我だとかトラブルなど色々なことがあって、走れるありがたさがある。例え最終日の1レースでも、一戦一戦、気持ちだけは誰にも負けないつもりで常に走っています。まだまだ諦めないでいきます。
【最終日7R=S級特選】
「気持ちと脚力を磨く」
1着/渡邉一成(S1・福島88期)
突っ張っても良かったのですが、大石(剣士)がそれ含みで組み立てるだろうと思って引きました。大石から見えないところで仕掛けようと思いましたが、ドンピシャのタイミングで踏まれてしまいましたね。あとは、脚を貯めて勝ちきれるところで踏もうと。勝ちきれて良かったです。今回の反省点を克服できる気持ちとレースをカバーできる脚力を磨いていきたいです。
【最終日7R=S級特選】
「次戦は優勝を目指す」
2着/大石剣士(S1・静岡109期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
最終HSで(渡邉)一成さんが見えなかったので、合わせられたなと思ったのですが、4番手に入られているとは思わなかったです。入られなかったら、(ライン)3人で決まったかもしれないですね。かかっている感じはあって、無我夢中で踏みました。仕掛けてもイケる感覚があったので、やっと普通の状態に戻った感じです。2年以上優勝していないし、次は小田原、平塚と地元地区なので優勝を目指して頑張りたいです。
【最終日9R=S級特選】
「浮き彫りになった課題を克服する」
1着/小松崎大地(S1・福島99期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
レースの流れを見て、しっかり立ち回ろうと思っていました。誰かが前に出切れば、隊列が落ち着くかなと。そこで一気に仕掛けようと思いました。しっかり身体が反応したと思います。(シリーズ)3勝できたことは素直にいいことだと思いますが、まだまだ悪いところがあって、戦いたいステージへのアプローチができていないところがありますね。そこが浮き彫りになったのが準決勝。改めて、少しずつしっかりやっていかないといけないと思いました。
【最終日10R=S級特秀】
「悔やまれるレースを糧にする」
2着/小林泰正(S1・群馬113期)
先行基本でいこうと思っていましたが、脚力を残してレースを動かそうとしてしまいました。それが甘かったです。今回、脚の仕上がりが良かっただけに、不甲斐ないレースでした。ここまで2週間空いて、地元戦ということもあり、練習メニューを考え直してトレーニングをしてきました。それがいい仕上がりに繋がったのだと思いますし、初日、2日目と上手くレースの流れを作れれば、もっと楽に勝てたのかなとも思うので、組み立ても考えながら走りたいと思います。来期もスタートするので、気持ちを切り替えて頑張ります。(P-Navi編集部)