2020/03/20(金) 10:56
小松崎大地(福島99期)選手が2020年3月より新たにスポンサード選手に加わりました。
昨年10月のG1寛仁優出牌・世界選手権記念トーナメントで2年連続優出するなど、グレードレースを賑わしている小松崎選手に今後の目標や意気込みをお聞きしました。
―今年でデビュー10年目に突入しましたが、ここまでを振り返ると?
出来過ぎかなとも思うし、もっとやれるのではないか、とも思っています。(野球から競輪に)飛び込んできて、本当に自分次第の世界だなということを一番に思っているので、かなり出来ている部分もあるかも知れないですけど……やっぱり、『まだまだ』だなという自己評価ですね。
―それまでの競輪のイメージと、転向してからのイメージに違いはありましたか?
競輪はそれまで未知の世界でした。選手を何人か知っていた部分はあったので、そういうところから挑戦してみようかなと、思うところはありましたが、分からないところがたくさんありましたね。野球とは全然、別物でした。競輪は個人戦で、野球は団体戦だと思っていたのですが、実際は逆だったなと(笑)。野球も競輪も自分の持ち場があるというのは一緒なのですが、野球は自分に飛んできた打球を捕ってから(*小松崎選手は外野手)自分のプレーをしますし、攻撃の時も状況に応じて、何をするか個々に役割が与えられています。逆に、競輪はライン戦なので、各々というよりは団体で動きますよね。それがイメージ以上に強かったです。
―2011年にデビューして、1年でS級に昇格。さらに2017年には大垣で記念初優勝を果たしています。
順調だと、よく言われますが、かなり壁にはぶつかったと思います。あの時は壁に当たって、1回、ストーンと、落ちた中での記念優勝でした。しかも前は新山(響平)と、後ろに成田(和也)さん。ラインの力で初めて勝てたことが感慨深かったですね。でも、そこから苦戦しました。簡単に言えば『本物の力』がなかったんです。勢いで上がって、ラインの力を借りて良い成績が出せていたところで、色々なところが噛み合わなくなって、歯車が狂ってきて、結果が出なくなりました。落車も多かったですし、ギア規制もありましたね……。色々なことが影響して、ダメな方に傾いていったので、また、そこから1年以上を要しましたね。
―その壁を乗り越えて、翌年から寛仁優出牌で2年連続のG1優出を決めました。今年の各メディアのインタビューを見ていても、小松崎選手から「タイトルを獲る」という明確な目標を掲げているのが目立つようになってきました。
よく言われています(笑)。『今まで物凄く謙虚なイメージがあったんですけど、急にそういう風に言われ出したのは、変化があるのですか?』と、聞かれるのですが、自分の中ではそんなことない。この世界に飛び込んだ時点で、師匠の岡部(芳幸)さんにも『タイトルを獲るつもりで、賞金王になるつもりでやらないとダメだぞ』と、言われていましたし、タイトルへの思いはズーッと、持っていました。チョコチョコ言っていたとは思うんですけどね(笑)。口に出すことによって、行動しなくてはいけなくなることもあるし、僕の中では良いことだと思っています。そんな大口を叩いている訳ではないですが(笑)、タイトルは一つの目標でありますし、当然、自分にプレッシャーも掛かってきますからね。
―仰っていた『本物の力』もついてきたということでしょうか?
そこはまだまだですね。でも、色々なことの全部が噛み合ってくれば、チャンスはあるかなと、思っています。そこに向けて努力していかないといけないし、だからこそ、口に出していきたいですね。課題はデビューした時からズーッと、あります。それを一つずつ積み重ねてきて、形になってきたのが今です。まだまだ全部において足りないのですが(苦笑)。
―昨年はルール改正、そして、近況はナショナルチームが作り出すハイスピード化で競輪の流れが変わったと言われていますが、トップクラスの自力選手として、そのあたりはどう捉えていますか?
自分はまだまだですよ(苦笑)。でも、自力選手としてナショナルチームのあそこまでのタテ脚や自力は理想だし、魅力だし、目指すべきところ。だからこそ負けてはいけないと、思っています。ギア規制もルール改正も、自分だけがそういう状況に置かれている訳ではなく、みんなが同じ条件。そこに順応できなければ、ふるい落とされていくだけ。今、自分には足りないことが山のようにあるので、それを一個ずつ詰めている段階。ルールやレースが変わったら、それが増えるかも知れないし、もしかしたら減るかも知れないけど、結局はそれを自分がどう感じて、どうシッカリと、対応していくか。やっていくことは一緒ですね。
―最近では、北日本に若手機動型が多く出てきており、小松崎選手が番手を回るケースも増えてきていますよね。
そうですね。でも、まだまだ番手を回る数は少ないですし、本物の追い込み選手や、長年、走っている選手には足りないと思いますが、絶対にそれを言い訳にしないことは決めています。番手を回ったからには『経験不足でした』や『技量不足でした』は単なる言い訳、そう思っているので、僕は言わないだけ。出来ないこともまだありますけど、出来ることは全てやる。その結果、力が足りない部分だったりを、自分の中やトレーニングで埋めていきたいです。
―小松崎選手自身が考えるレースのアピールポイントは?
気持ちだけは負けないと、思っていて、レースでもそういうところは出せているかなと。失敗して仕掛けていけない時もありますが、仕掛ける勇気は持っていると、思います。
―改めて今後の目標を聞かせて下さい。
もちろん、G1のタイトルを獲るのが目標ですね。僕もこうしてサポートしていただける形なので、責任感も出てきますし、より一層、頑張れます。
―最後に、チャリ・ロトのユーザーにメッセージをお願いします。
僕のことを知っている方も、知らない方もいるとは思いますけれども、シッカリと、チャリ・ロトのお客様の期待に応えらえるような走りで、一戦一、戦を頑張っていくので、今後とも小松崎大地、及びチャリ・ロトを宜しくお願い致します!
Text/Tetsu Sasaki Photo/Tetsu Sasaki・Joe Shimajiri
小松崎大地(福島99期)
S級1班 1982年9月3日生
拓大紅陵高―千葉商科大学―四国アイランドリーグ・徳島インディゴソックス(05年~08年)
引退後は野球界から競輪界への転向を決意し、2009年、日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に99回生として入学
在校成績は13勝を挙げて34位だった
2011年1月に宇都宮競輪場でデビュー(1着・2着・4着)すると、翌年2月にはS級に特別昇級と階段を駆け上がった
2013年11月に玉野競輪場でS級初優勝、さらに2017年3月には大垣で記念初優勝を達成
2018年、2019年にはG1寛仁優出牌記念トーナメントで決勝進出を果たす
輪界トップクラスの自力型としてタイトル獲得が期待される1人である(P-Navi編集部)