千葉G3(1日目)500バンク最後の記念競輪

2017/10/14(土) 20:39

千葉G3(1日目)500バンク最後の記念競輪

2017年10月14日

千葉G3第10回滝澤正光杯(1日目)

250バンク改修が決まり、500バンク最後となる千葉記念競輪G3滝澤正光杯。
一つの歴史に区切りを迎えることを寂しがるかのように、雨模様での開幕となった。

開会式には開催冠名にもなっている競輪界のレジェンド・滝澤正光(日本競輪学校・校長)も列席。
そして、今開催には千葉所属14選手が参戦しているが、S級1班の7選手がファンの前に姿を現した。
(中村浩士・石井秀治・山中秀将・伊勢崎彰大・和田健太郎・近藤隆司・海老根恵太)

選手会千葉支部の支部長を務める中村が前へ出る。
千葉競輪場を支えてくれているファンに深謝して、この開催で力を出し切ることを力強く誓った。

ヒロシー!支部長ーっ!
シュウジー!ヤマナカー!イセザキー!ケンタロー!コンリュウ!エビちゃん!

開門から間もないにも関わらず、多くのファンから熱い声援が飛ぶ。
こうして始まった1日目は選手たちがファンの期待に応えるレースが続いた。
特に10R以降(初特選)では千葉勢が大健闘。

10Rは最後に中村が差し切って1着、郡司浩平と和田が続いて南関東勢ワンツースリー。
勝利選手インタビュー後、中村はファンにスポーツドリンクを手渡す珍しいパフォーマンス!?もあった。

11Rも同じく海老根、五十嵐力、山中の南関東勢が上位を独占。
日頃はポーカーフェースの海老根もファンの前で
「流れが良い、このまま最後まで」と、勝利を噛みしめて笑顔を見せる。

最終12Rでは打鐘で、後団から近藤・伊勢崎・石井の千葉ラインが上昇。
近藤が先輩2人を引っ張り、1着・伊勢崎、2着・石井をシッカリお膳立て。
勝利選手インタビューで伊勢崎は“泣くなよぉー”と、ファンに茶化されながら
「気心知れた2人の走りはこみ上げてくるものがあった。まだ泣かないですけれどもっ!」
レース後も数多く残ったファンを大いに湧かせた。

千葉勢の一致団結した姿と、ファンの後押しが印象的な1日目は。
そう、悪天候とは好対照なくらい爽やかなものであった__。

レースの合間には、月に1〜2回程度、開放された千葉競輪場で汗を流す千葉サイクルクラブが登場。

5R発売中は千葉所属の根田空史が誘導員となり、
1/淺田邦彦さん(26歳)
2/宮寺博一さん(42歳)
3/柳沼彰彦さん(57歳)
4/関本善光さん(33歳)
5/桐谷友己さん(34歳)
6/宝田幸太朗さん(14歳)
の6名が出走して、今年で4回目となるレースを行った。

「昨年は6番手だったので、今年は盛り上げようと思って。ただ、根田さんとの車間の取り方に戸惑った」
頭を取ったのは小学校教員の5番車・桐谷さんで、夏から同僚の体育主任と共に、このレースに向けて調整してきたという。

「桐谷さんがS(頭)でビックリした。将来は競輪選手になりたい」
最年少、中学3年生の6番車・宝田さんは志望校へ進学した後、競輪学校に進みたいと、目を輝かせながら語ってくれた。

「渡邉一成選手と同い年、落車もなく終わって良かった」
4番車・関本さんは悪走路であったものの、無事にみんなが完走したことを喜んだ。

「昨年も優勝だったので、優勝しか考えていなかった」
という1番車・淺田さんは有言実行、見事な捲りで連覇を成し遂げた。

「雨だったのは仕方ないね、走らせて貰えるだけでありがたい。是非、次(250改修後)も走りたい」
2番車・宮寺さんがそのように語れば、
「トラック競技から競輪にファンを繋げることはできるはず。500バンクがなくなるのは寂しいけれども、250バンクにはとても期待している」
最年長の3番車・柳沼さんもポジティブなコメントを残してくれた。

みんなの当面の悩みは千葉競輪場改修中(3〜4年!?)の練習場所の確保だ。
淺田さんを筆頭に、街道練習がメインになりそうだということだが……車両や歩行者のことを考えるとリスクは大きくなる。実際に競輪選手が街道練習で負傷することも多い。
「近場だと、松戸競輪場とかが開放してくれると嬉しいんですけれどもね」
と、口を揃えながら今後の練習環境を模索する。
500バンクから250バンクはアマチュアレーサーにとっても、一つの大きな分岐点になるのだ。

8R発売中には千葉サイクルクラブジュニアカップ(キッズケイリン)で少年と少女が懸命にバンクを走り、ファンからは温かい拍手が送られた。

バンクから引き上げる時、1人の少年が「僕たち、競輪選手と同じだよ」と、得意満面の笑み。
そこに千葉競輪場の明るい未来を信じたいと思う。

(P-Navi編集部)

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