サマーナイトフェスティバルは、
2005年度に創設された競輪のGII競走。
2025年からは4日制のトーナメント方式に変更され、今年は7月18日~21日に玉野競輪場で開催される。
競輪として初のナイターグレードレースとして毎年7月に行われ、優勝者には“夜王”の称号が贈られる。
優勝賞金は2,900万円。年末のグランプリ出場を狙う選手にとっては、賞金加算の重要なチャンスとなる。
2024年は栃木・113期の眞杉匠が優勝し、21~23年は広島・98期の松浦悠士が3連覇を達成している。
周長距離は400メートル。
見なし直線は47.9メートルと400メートルバンクの中では短い部類に入る。
400メートルバンクとしては円に近い形で癖がなく、選手にとっては走りやすいと言われている。
瀬戸内海の近くに位置しているため、風の影響を受けることが多い。
特に冬になるとバックストレッチ側から強い風が吹き、直線が短くても先行選手が不利となる傾向がある。
元JRAジョッキー。
1978年8月10日生まれ。
1997年3月2日デビューを果たすと1999年にヤマニンアクロで共同通信杯4歳Sを勝利し、重賞初勝利。
2002年にはテレグノシスでNHKマイルCを優勝、GI初勝利を飾った。2013年にはJRA史上27人目のJRA通算10,000回騎乗を達成し、2021年にはJRA史上16人目のJRA通算15,000回騎乗を達成。
今年のサマーナイトフェスティバルは、これまでの開催とは大きく異なり、4日制に変更されました。以前の2日制や3日制では“短期決戦”の色が強かったものの、4日間の戦いとなると話は別。勝ち上がり方の巧さや暑さへの耐性、そして総合力が問われる大会になると思います。ナイター開催とはいえ、真夏の開催です。日中の熱気が残る中でのレースはやはり過酷で、「夜が得意」とされる選手もいれば、逆に夏場が苦手という選手もいます。気候やコンディションへの対応力が、今まで以上に問われる大会になるでしょう。
太田海也選手は、地元開催という点も含めて、今大会で最も注目すべき存在だと思います。G1でもしっかり決勝に進出している実力者で、高松宮記念杯競輪の決勝戦では悔しい思いもあったでしょうが、その経験こそが、太田選手をさらに強くしてくれるのではないかと期待しています。加えて、松浦悠士選手や清水裕友選手といった中国地区の主力選手たちとの連係がうまくハマれば、地元勢の優勝シナリオは十分にあると思います。
もちろん、全国区の実力者たちも黙ってはいないでしょう。高松宮記念杯競輪での脇本雄太選手は、まさに“別次元”の強さを見せていましたし、他にも、郡司浩平選手の安定感や、新山響平選手、深谷知広選手といった先行型の強さも見逃せません。展開ひとつでどの選手にも優勝のチャンスがあるというのが、今大会の難しさであり、面白さでもあると感じています。
勝負のカギを握るのは、やはり“先行型”の仕掛けでしょう。どこが主導権を握るのか、番手に誰がつくのか。並びや作戦ひとつで展開がガラリと変わるのが競輪の醍醐味ですし、それがサマーナイトフェスティバルでは一層顕著に表れると思いますので、今から予想するのが楽しみです。
悩みましたが、今回の優勝候補として挙げたいのは、太田海也選手、脇本雄太選手、郡司浩平選手の 3人です。もちろん、太田選手と連係することになる松浦悠士選手や清水裕友選手にも十分にチャンスはありますし、展開次第では“誰が勝ってもおかしくない”くらいにハイレベルな大会になるはずです。
そして、競輪を初めて観る方にあらためて伝えたいのは、「競輪はヒントがあるから面白い」ということ。並びや地区、チーム連係といった要素は、選手コメントや番組構成から読み取ることができるので、競輪が初めての方でも、展開を想像しながら予想する楽しさがあります。自分なりの読みや戦略で挑めるのが、競輪の魅力のひとつです。ぜひ一度、玉野で繰り広げられる夏の戦いに目を向けてみてください。
競馬予想家として「徹底した観察」を信条に20年以上の実績を持つ。
競輪との出会いは、元競輪選手で馬主の方との縁、向日町競輪場の近隣に住んでいたことがきっかけ。
以降、競馬で培った観察眼を活かして選手の本調子を見抜くことを得意とする。独自のデータベースを活用し、競馬と競輪の両分野で的中率の高い予想を行っている。