【前橋競輪】報われて欲しい、山田久徳!

2025/12/08(月) 18:54

前橋競輪「関東カップ・スポーツニッポン杯(FI)」は、9日、2日目を迎える。11レースのS級準決勝を走る山田久徳に話を聞いた。(町田洋一)

過去の貢献度を考えると、GIを獲って欲しい山田久徳。

 近畿のラインを支えてきた献身の走りを知っているからこそ、GIのタイトルを掴んでほしいーーそう願わずにはいられない。

 誰が一番間違いなく、近畿のラインに貢献してきたかと言えば、間違いなく、山田久徳だ。記念の勝ち上がりや、Gの付くグレードレースでも、村上義弘氏と一緒なら、100%近い確率で主導権を取る走りをやっていた。今の時代の空気とは逆行するような“自己犠牲の精神”が、競輪の魅力だと僕は信じている。 もちろん、2段駆けを推奨するつもりはない。

 ただ、競輪が地区の絆で成立する以上、「行けと言われたから行く」のではなく、「仲間を思うから行く!」という気持ちを、新規ファンにも知ってほしい。そこには悲壮感すら漂い、ときにニヒルで、ときに美しい。まさに男のロマンだ。 そして何より山田久徳が素晴らしいのは、自らの献身を若手に押しつけないところだ。

 山田自身「自分がやってきたから、お前も!ーーそんなこと言ったらカッコ悪い。そういうのは、本人自身が感じることだと思う」と静かに言い切る。

 記念レーサーとなり、特別競輪のファイナリストにもなった。残るはGIの頂点だけだ。報われてほしいし、来年こそ掴んでほしい。

 多分、古性優作も同じ思いだったのだろう。競輪祭の最終バックで仕掛けた背景には、山田久徳への敬意があったはずだ。

「いや、古性君からマークを外してるので…。南修二さんだって長い時間を掛けて、あの位置に立っている。僕も、ひとつひとつ階段を上がっていきたい」

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