【開催直前展望】佐世保競輪G3「九十九島賞争奪戦」は4日開幕!

2025/12/02(火) 18:00

佐世保競輪場において開設75周年記念「九十九島賞争奪戦」G3が12月4日(木)から7日(日)まで開催される。競輪祭が終了し、KEIRINグランプリ2025出場メンバーと来年のS級S班が決定した。グランプリ出場を逃した面々は、ここからの巻き返しを掲げて、再始動を開始する。今回はS班から新山響平、松浦悠士、清水裕友、犬伏湧也の4名をはじめ、佐藤慎太郎、地元の荒井崇博ら全国からビッグネームが集結し、佐世保バンクで4日間の激戦を繰り広げる。

◆初日の出走表(4日更新)はこちらでチェック

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松浦悠士と清水裕友の中国タッグが奮起

松浦悠士、清水裕友
まずは清水裕友と追加参戦の松浦悠士の中国SS両者に注目したい。
松浦は7月からS班に昇格したが、まさかの落車禍で、歯車はかみあわなかった。競輪祭も前検日に「(状態は)良くない。痛みと付き合っている感じです」と現状をコメント。それでも一次予選2を松本貴治マークから1着奪取すると、ダイヤモンドレースを犬伏湧也との連携から勝利している。決勝には勝ち上がれずグランプリの逆転出場は叶わなかったが、12月は地元広島記念も控えており、態勢を一つずつ整えていく。再整備が続くホームバンクの広島だが、バンク練習が可能になったことも追い風となっている。
清水裕友は今年ここまでG1で2回優出、G3は2回優勝したが、競輪祭の前検日も「これといった手応えがないまま」と1年を振り返っていた。その競輪祭は一次予選で敗退を喫し、グランプリ出場は届かなかったが、松浦らとともに本来のアグレッシブな走りで巻き返したい。松浦との連携なら、今年5月宇都宮G3以来となる。

松本貴治、犬伏湧也
四国勢はS班の犬伏湧也と松本貴治が中心となろう。もちろん中四国連携で松浦、清水が加われば、どのバリエーションでも強力なライン形成となるのは強みだ。
犬伏は今年4月にS班に繰り上がり昇格したが、初のS班のプレッシャーを背負いながら戦い続けている。9月京都向日町記念in奈良では逃げ切りで、S班としてG3初優勝を飾った。競輪祭では積極的な走りで勝ち上がるも準決勝4着で敗退。来年のS班継続こそ叶わなかったが、ここまでの経験値は計り知れない(まだS班ではあるが)。今回も豪脚を炸裂させて、ライン上位独占に導くか。
惜しくもグランプリは次点となった松本貴治。後半戦の躍進は凄まじく、オールスターで決勝4着、寛仁親王牌は準優勝、勝負駆けとなった競輪祭はライバルが勝ち上がりを逃す中で決勝進出。結果的に決勝は先行して6着に終わったが、最後の最後まで出場権争いを繰り広げた。10月寛仁親王牌の決勝ではマークした犬伏が不発の展開も、巧くコースを突いて2着。競輪祭では勝ち上がりで「ラインに助けられている。自分もラインのために走れるように今後も頑張っていきたい」と語っており、ラインの前後を問わず、自身の役割に徹するか。なお、佐世保は、昨年7月にミッドナイトG3で完全優勝も果たしている。

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東北勢も先手奪取でレースを支配

新山響平、佐藤慎太郎
北日本勢は新山響平が力強くけん引する。今年は「年間を通して上手く体をコントロールできていなかった」と振り返る。グランプリは昨年まで3年連続出場でストップしてしまったが、競輪祭では同地区・同期の阿部拓真がG1初制覇を達成。新山にとっても期するところがあるだろう。400バンクの中でも先手有利な佐世保で、果敢なレースメイクから優勝争いをリードしよう。
佐藤慎太郎や和田圭らが後位を固める。佐藤の競輪祭は一次予選2で失格。それでも近況は落車あけから動き自体は復調気配を見せており、新山マークから連独占を図る。昨年は準決勝で勝ち上がりを逃した佐世保G3で、挽回の走りを見せたいところ。なお、佐世保で決勝進出なら、実に23年ぶりとなる。和田圭も同県の後輩・阿部のタイトル奪取による上昇機運に乗って、好リズムを刻んでいきたい。

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注目の地元九州勢!競輪祭のリベンジへ

荒井崇博、井上昌己、山崎賢人
S班4名をはじめ、強力な遠征勢を迎えうつ地元九州勢。荒井崇博は競輪祭で松本貴治の番手から抜け出すも準優勝。あと一歩で悲願のタイトル奪取とはならなかったが、競輪祭は5走すべて確定板入りの活躍だった。佐世保記念は長崎に移籍した一昨年、九州3番手回りから完全優勝しており、昨年は準優勝と好勝負が続く。競輪祭の悔しさを地元記念でさらなるパワーに変えたい。
井上昌己はこれまで佐世保記念を3回優勝。荒井が優勝した一昨年は準優勝で、昨年は準決勝敗退もシリーズ3勝、近況も10月の佐世保F1で優勝している。相性抜群の地元戦で、今年も好走期待だ。
このベテラン両者の前で奮闘するのが山崎賢人。競輪祭は苦戦を強いられたが、昨年に続いて4回目の出場となる地元記念は、ナショナルチームで磨き上げたスピードを見せつけて本領発揮といきたい。また、北津留翼の追加参戦も戦力的なアップは大きく、一昨年の記念決勝に5車が乗ったように、今年も九州勢の躍進は注目される。

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優勝候補は五指に余る大激戦!

ほかにも近畿からは村上博幸、稲川翔に、10月豊橋でG3初優勝を飾った脇本勇希。関東からは坂井洋、佐々木悠葵に、11月四日市G3を制した神山拓弥。さらに南関東は競輪祭での活躍も記憶に新しい佐々木龍や一撃の魅力ある根田空史、昨年の佐世保記念でも決勝進出の渡邉雅也らがシリーズを賑わせてくれるだろう。
競輪祭から約1週間。本格的に冬が到来しているが、トップレーサーが魅せる手に汗握る走りで、グレード戦線は熱を帯びたまま。熱戦必至の4日間をお見逃しなく!

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◆直近の佐世保競輪グレードレース・プレイバック

昨年は窓場千加頼が捲りで押し切り、記念初優勝を果たした。

2024年12月佐世保競輪G3
優勝: 窓場千加頼
2024年7月佐世保競輪G3ミッドナイト
優勝:松本貴治
2023年12月佐世保競輪G3
優勝:荒井崇博
2022年7月佐世保競輪G3
優勝:山田庸平
2022年5月全プロ記念競輪F2
優勝:守澤太志
2021年12月佐世保競輪G3
優勝:和田健太郎
2020年12月佐世保競輪G3
優勝:吉田拓矢
2019年12月佐世保競輪G3
優勝:太田竜馬
2018年12月佐世保競輪G3
優勝:五十嵐力
2018年12月佐世保競輪G3
優勝:山田久徳


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【今開催のS級戦・勝ち上がり】

S級9車立て・12レース4日制

◆初日
【初特選=1個レース】
1位〜9位(全員)→二次予選

【一次予選=11個レース】
1位〜4位(44名)→二次予選
5位から得点上位10名→二次予選

◆2日目
【二次予選=7個レース】
1位〜3位(21名)→準決勝
4位から6名→準決勝
※初特選出場の着上位選手から優先。
次に一次予選の着上位選手。

◆3日目
【準決勝=3個レース】
1位〜3位(9名)→決勝

※勝ち上がり表PDFはこちら

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◆佐世保バンクの特性

周長400m、みなし直線は40.2m。直線は400mバンクの中で最も短く、333バンクを含めた全国でも4番目の短さ。かつては500mバンクだったものを改修した影響で、カントは緩め。競輪場のすぐそばが佐世保港のため、海から来る風には要注意で、風向きはバック追い風になることが多い。直線の短さもあり、先行有利とされる。
連対時の決まり手は、1着は逃げ25%、捲り26%、差し49%、2着は逃げ21%、捲り15%、差し21%。マーク43%。バンクレコードは2022年7月24日に中川誠一郎が更新した10秒6。

(P-Navi編集部)

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