「競輪ではなくフリーダイビングで」逝った仲間 元競輪選手が語る"もう一つの夢"と悲劇

  • 長崎県にある佐世保競輪場でのレース。写真はイメージ(写真提供:チャリ・ロト)「Sは競輪ではなくフリーダイビングで命を落とした」  こう語るのは、元競輪選手の田中浩仁氏(引退・54期)。田中さんが今年3月に出版した『競輪、ときどき昭和』(けやき出版)は、昭和の香りを残す現役時代の逸話を中心とした、飾らない言葉でつづられたエッセーです。中でも、競輪とフリーダイビングに人生を賭けた「S選手」への追憶は、読者の心を強く揺さぶります。その夢がもたらした悲劇とはーー。 田中浩仁氏は1984年9月に福井競輪場でデビューし、通算199勝を挙げました。2013年1月に引退するまで、30年近く競輪選手として活躍し

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