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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】北条早雲杯争奪戦に出場する伏見俊昭選手を解説!

2021/08/26 (木) 12:00 3

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は小田原競輪「北条早雲杯争奪戦(GIII)」に出場する伏見俊昭選手を解説する。

⚫︎伏見俊昭

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 身長は181cm、体重は88kgとアスリートとしては申し分無い。言わずと知れたGPチャンピオンであり、アテネオリンピックでは銀メダルを獲得。パーフェクトなキャリアを歩んできた。

 年齢は45歳とすでに大ベテランの領域。筆者の3歳年上だが、筆者と出会った23年前と体型がまったく変わっていない。人間というのは加齢に伴い、基礎代謝の低下、筋肉の合成に関わる血中アミノ酸濃度を保てなくなるのが普通だ。全盛期の20代の体型を維持しているのは本当に凄い。

 しかし、伏見選手にも弱点がある。レース中の横(競りや捌き)への対応力が低いのだ。たしかに、パタンと肘を折りたたんだフォームになると、どこか乗車フォームが窮屈そうに見える。

 逆に言えば、それほど長い四肢(手足の長さ)を持ち、付随する筋肉の総量も申し分無いということだ。常に前傾した骨盤、そして発達した中臀筋(お尻の上部)は、思わずジーンズを履かせたくなる。そのうえ体脂肪率が低い。はっきり言って「カッコよすぎる」体型なのだ。

 思わず「ヘイSiri(尻)!」と言いたくなる…。すみません、これは浅井康太(三重・90期)選手の持ちネタでした。

 余談だが、伏見さんは昔から端正な顔つきで『イケメン』とか『プリンス』と称される事が多かった。競輪界では強くてイケメンというキャラは稀なので、多くの選手は苦渋を舐めさせられていたことは言うまでも無い。

 しかしある時だ…。関係者の誰かがなんとなくの一言で、伏見さんのその後のキャラが二枚目から三枚目に変わっていく。

「よく見たらゴージャス松野さんに似てね?」

 それ以来、伏見さんは「ゴージャス伏見」とか「ゴージャス先行」とか言われ続けたのだ。

 カミングアウトしますが…。伏見さんは僕にとって業界の大先輩ですが、これにはメシウマとしか言いようがなかった。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 斡旋されたSS級の機動力タイプは清水裕友選手、平原康多選手の2名。両者互角の戦いが予想されると思いきや、実は違う。

 関東ラインには眞杉匠選手がいるのだ。眞杉・平原ラインは今の競輪界でも最上位の戦闘力を持つ。

 そこに唯一対抗出来るとすれば、南関東ラインであろう。深谷知広選手、松井宏祐選手の自力は引けを取らない。難点は両者とも番手周りが得意ではないところだが、いざとなれば深谷選手の番手発進なども考えられるだろう。

 清水裕友選手は勝負所を逃さない競輪IQと総合力で挑む。筆者の本命は関東軍団。次点で南関、中四国勢と読む。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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