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太田りゆ“ノーメイクな私の本音”

【太田りゆ・パリ五輪への挑戦】自信がついたことで『今』に集中できなかった/2021UCIネイションズカップ香港ステージ結果報告

2021/06/12 (土) 18:00 8

国際大会『2021 UCIネイションズカップ(第2戦)』が開催されました。ナショナルチームで活躍する太田りゆ選手はスプリントとケイリンの2種目に参戦。今回は大会の振り返りを届けてくれました。


 ネットケイリンの読者の皆さん、今月もこんにちは(*’ω’*) 太田りゆです!前回のコラムでは、久しぶりの国際大会『2021 UCIネイションズカップ(香港)』に向けての意気込みを書きました。今回はその結果報告をしたいと思います!

絶対に成果を上げるという強い気持ちで大会を迎えた太田りゆ選手(photo by the cycling association of Hong Kong China)

“好調”を実感しながら乗り込んだ香港

 まずは私が出場した種目の結果ですが、スプリント5位、ケイリン5位でした。

 ( ˙-˙ )…。

 開催直前、私は身体的にも精神的にも調子の良さを実感していましたし、4月のオリンピックテストイベントでは200mタイムトライアルで自己ベストを更新するなど成績もいい流れで迎えた久しぶりの国際大会でした。

 でも結果は納得の行くものとはなりませんでした。こういう時の負けや、悔しいレースは、かなりメンタルにグサッと来ますが、泣いたり喚いたりせずに一つひとつ分析して、次に繋げ、糧にしなければいけないと思います。

スプリントの敗因は集中力の欠如

 今までは予選を下から数えた方が早い順位で通過していたものが、今回は3位通過でした。今回の開催はコロナ禍で出場メンバーがかなり少なかったことも大きな要因ですが、今までなら考えられない良い順位で通過することができました。スプリントはその後の対戦で順位を決定していくので、予選終了後の自分の立ち位置で戦略やプランニングが変化します。振り返ると、このあたりに反省点を感じています。

「1回目で勝ったら、次はメダルをかけたレースになる」とか「負ければ誰と、勝てば誰と…」というプランが頭を巡っていました。本来、1番集中しなければならない『今』に対する集中力の欠如が私の勝敗を分けたところでした。メダルを狙うあまり、体力や色々な面で『先』を見てしまっていたと思います。

 スプリントは駆け引きのレースです。一瞬たりとも気を緩めずに一つひとつのレースに集中すること、力がついても『勝ちたいという気持ちを忘れないこと』が重要なことだと思いました。全日本チャンピオンジャージを着てのこの結果…、本当に大反省です。

 今までよりもレベルが上がった状態で、どういうメンタルでどう挑むのか、今回の実践で得たものはとても大きかった。もうすぐ始まるパリオリンピック選考レース前に、学べて良かったとポジティブに捉えて、また前向きにやっていきます!

レースの中に駆け引きが散りばめらている個人スプリント、対戦相手の特徴や性格、疲労度や表情などすべての要素を加味して選手たちは戦っている(photo by the cycling association of Hong Kong China)

勇気と覚悟が足りなかったケイリン

 ケイリンの予選は落ち着いてしっかり着をとって、決勝へと駒を進めることができました。決勝のレースを振り返ると、もっと自力を出すことへの勇気、覚悟、それと一瞬の判断力をつけないといけない、と思いました。

 東京オリンピックまでの3年間、私はずっとずっと、ただひたすら『挑戦者』として望んできていました。その中でタイムといった数字の目標も、自分の走りに自信を持つといったメンタル面での課題も、一歩一歩クリアしてきました。

 気がついたら自分が追いかけていたものを追い抜き、少しずつ立場や視点が変わってきていることを実感します。今の状況を受け入れて、さらに上を目指すためにはどうするべきなのか? 今回のネイションズカップに参加して、実践を通じて考える機会ができて良かったと思っています。

何ができて何ができなかったのか。その原因はどこにあるのか。世界戦の舞台でしか学べないことがある(photo by the cycling association of Hong Kong China)

パリ五輪まで残り3年間、長いようで短いから

 決してレースの順位は納得するものではありませんでしたが、スプリント予選200mタイムトライアルやスプリントの対戦での上がりタイムなど、ポイントポイントで見ると、かなりポジティブな結果・収穫もたくさんありました。

 力が着いてきているという事実とまだまだやるべきことがいっぱいあるという事実をしっかり両方とも受け入れて、さらに成長できるように頑張ります(*`・ω・´)!

 パリ五輪までの残り3年間は『長いようで短い』です。この感覚を理解していることはちゃんと真剣に東京オリンピックを目指す経験をしたからこそ知っている自分の財産だと思っています。今回のレースでのミスを繰り返さないように! しっかり学びとして吸収し、さらなるレベルアップに向けて、次のレースに向けてやっていきます。

次に向けて厳しいトレーニングが始まっている

ガールズケイリンも頑張る♡

 日本の競輪への出走予定は6月14からの青森競輪のミッドナイトです! 青森競輪は初めて出走します!! ミッドナイトで無観客開催ですが、今回も熱い応援をよろしくお願いします( ´꒳`)

さいごに

 香港での『2021 UCIネイションズカップ』は「バブル式」というかなり厳重なコロナ対策・隔離環境が徹底されている中で開催されました。私もホテルの自室とレース会場のみの制限を受け、他国の選手・スタッフとの接触はありませんでした。

 出国から帰国するまで何度PCR検査をしたか数えられないほど検査をしました。そして帰国後は自宅で2週間の隔離期間を経て、無事に社会へ復帰しております。このような状況化でさまざまな人の協力があって、国際大会が行われた事に深く深く感謝しています。

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太田りゆ“ノーメイクな私の本音”

太田りゆ

Ota Riyu

埼玉県上尾市出身。112期生のガールズケイリン選手。2017年7月、高松競輪場でレースデビューし、初勝利を飾る。同開催では3連勝を果たし、デビュー場所で完全優勝という快挙を成し遂げる。また日本代表・自転車競技選手としても活躍しており、2019年にはワールドカップに出場し、ケイリン種目で銀メダルを獲得。2020年11月には全日本選手権女子スプリントで優勝。国内外のハイレベルな戦いに華麗なダッシュで挑み続けている。趣味はメイクとファッション、パワーの源はコカ・コーラ。

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